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写真の地域振興とトラブル防止

「自分が撮影した写真が地域のPRのために使われる。」
きっと写真を撮っている方にとってみれば、自分の写真が使用されるということは、地域のために役立つというやり甲斐のあることだと思いますし、露出度が増えて良いことだと思います。大抵の案件はテレビからのオファー、地元役所や観光協会やその他公的機関、YouTuberやInstagramerなどで用途や目的は様々です。

しかし、よく見かけるのがその写真の使われ方によるトラブル。
無断使用であったり、目的外使用あったり、クレジット表記金銭面など様々ですが、写真を公開した時点でトラブルは必ずといっていいほど遭遇します。それが良い写真であればあるほど、需要が高ければ高いほどトラブルの遭遇率は高くなります。

トラブル防止策としての価格表示や使用規定

まず、ブログなどで写真を公開する際には、参考価格表や使用規定などを掲示しておくことをおすすめします。もし不正に利用した場合には、この金額が被害算定基準となります。また、使う側からしたら、値段がついていた方が依頼しやすいようです。
写真は値段がつけづらいのですが、サイズや公共性などにより価格が変わるということも一文いれておくと良いでしょう。また、目的外使用については別途費用が発生しますという一文も入れておくと良いかもしれません。

テレビ関連は支払いについて経理を通すとやりづらいらしく、個人間での金銭発生はあまり期待は出来ません。その際には自分の写真が番組で使われることをSNS等で発信してもよいか?など著作者にとってメリットがある交渉をしてみてください。(クイズ番組など秘匿性のあるものは注意が必要ですけど)ブランディングとして活用できますし、また番組にとってもSNS等での発信をきっかけに視聴率が上がる可能性もあります。

有料画像素材提供サイト

実は私もAdobeのストックフォトなどの有料画像素材サイトに提供しておりまして、ぼちぼちご購入いただいてはいるのですが、メリット・デメリットがあります。
メリットとしては、自動販売機のように登録されれば勝手に販売してくれるし、溜まったら入金があるのでほったらかしで良いというのが一番のメリットでしょう。審査などもあるので、ある一定のクオリティは必要です。
デメリットとしては、役所であれば一度購入しダウンロードしたものについては、違う部署でも使い回される恐れがあるということ。出回ってしまえば、それが購入したものなのか、拾ったものなのか区別などつきません。

行政側が著作物の取り扱い規定を策定

これはあくまでも私の理想論ではありますが、行政側が著作物の取り扱い規定を策定していただきたいと思ってます。こうすることで、年度を超えて、部署を超えて、著作物の取り扱いを規定に則って行うと思うのです。

著作物の使用範囲と使用方法
・行政と著作者と取り決めした使用範囲を超えて、著作物を使用はしない。
・著作物の使用にあたり、クレジットの表記の仕方や有無は、互いに取り決めしたように行う。
・他者から著作物の使用許諾の申し込みがあった場合は、著作者へ取り次ぐこととする。
・著作物の加工および編集する場合は、著作者へ確認および許諾後、使用することとする。
・著作物の掲載後、著作者の意にそぐわない改悪や品位の無い使用については取り下げることとする。金銭が発生している場合は、返金等の手続きを行う。

免責その他
・著作物が使用した制作物から不正使用されている場合、著作者に報告し解決の方法を相談することとする。
・著作物が制作業者によって使用される場合、制作業者と著作者と相談し契約書を交わす。

地域振興のための写真アーカイブ方法

インスタグラムなどにアップした写真から依頼されることが多いのですが、他にどんな写真があるか?などインスタグラムのスクエアサイズの写真ではなく、大判の写真の一覧が見たいという場合にアーカイブがあると依頼を受けやすくなります。
アーカイブ方法として、ブログやホームページなどが良いと思いますが、公開した写真をHDDなどの保管先から探す方法も考えなくてはいけません。私は日付で管理しているので、撮影した日付を元に探しています。

写真の無断使用の見つけ方

無断使用されているかどうかは、オンライン上であればGoogle画像検索を使えば、ある程度見つけることができます。ログインが必要なクローズドなSNSなどのサービスにアップされたものは見つけることは出来ません。またテレビやYouTubeなどの動画の一コマで使用されたものも同じく見つけることは出来ません。もちろん印刷物なども見つけることは出来ません。
この場合、不正利用された場合の報告用メールフォームなどを設置しておく、SNSにメッセージなどで教えてもらうしかありません。
他にもRights Manager for ImagesというFacebookやInstagram上で動画や画像が不正に利用されていないかチェックするツールや、自分の撮った写真であることを証明するためにクレジットを入れておくなどもあります。クレジットを入れる場合は、わかりにくく入れる場合と、わかりやすく入れる場合とありますが、後者は画像としての美しさを損ねますし、前者は削り取って使用される可能性があります。

トラブルはあると思って公開しましょう

地元の素晴らしい景色や情報などは、公開することで知ってもらえる機会が増えますし、トラブルによるデメリットよりも地元貢献メリットの方が大きいと私は思います。ぜひ地元の美しい景色を撮影し、公開しましょう。地元に住んでいるからこそ撮れる景色というものがあるはずです。天候のタイミング、時間的タイミング、住んでいないと出逢えない絶好のタイミングがあるはずです。
あなたの技術が役に立つはずです。


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伊藤ヨシユキ
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