「選ばれる町―小木」とは
人の生活には“選択”する機会が次々と訪れる。
朝食はご飯にしようか、パンにしようか
服はトレーナーにしようか、セーターにしようか
仕事は在宅にしようか、出社にしようか・・・などなど。
平凡な朝に限ってもこれだけの選択を迫られる。
優柔不断な筆者のような人間にとっては生きづらい世の中である。
しかし、佐渡では選択の機会がおのずと減る。
秋になると1年分にもなろうかというお米をあちらこちらから頂く。
事実、佐渡での3年間で米を買ったのは1回だけだ。
すると、とりあえずご飯を食べておけばいいやとなってくる。
たまにはパンも食べたくなるが、小木にはパン屋がない。
服も都会のようにトレンドを気にする必要はなく、
みんな着たいものを着ている。見た目よりも機能性。
ワークマンで服を買う人が結構多い。
在宅ワークは都会ほど普及していない。
IT企業に勤めるなら別だが、佐渡は顔を合わせてなんぼの世界だ。
だんだんと顔が売れると、あちこちで声をかけられるようになってくる。
ここでは仕事場所と生活空間が一体となっているのだ。
これってある意味在宅ワークでは?と思ったりもする。
ここまで書いたように小木では必然的にライフスタイルが限定されてくる。
合う人には合うし、合わない人には合わないだろう。
そう、それが“選ばれる”ために必要なことなのだ。
全ての人が50点だと感じるような場所よりも、
Aにとっては80点、Bにとっては20点の場所の方が選ばれる可能性は高い。
小木は島の端にあって発展が遅れた分、
人々を惹き付けるだけのポテンシャルは備えている。
事実、小木には次々と民間投資が起きている。
ここ3年の間にできたお店を挙げてみよう。
寿司屋
フレンチ
カフェ2軒
焼き菓子屋
たい焼き&かき氷屋
ゲストハウス
一棟貸し
うち、4軒が地元の人、残り4軒が移住者とバランスもいい。
この動きはこれからもますます加速していくだろう。
商売の場所として“選ばれる町”になりつつある。
小木の魅力を移住者に尋ねるとこんな答えが返ってきた。
「歩いて回れる範囲で生活必需品が揃うのは大きいです。」
意識していなかったが確かにその通りだ。
スーパーは2軒あるし、昔ながらの薬局や本屋、服屋も頑張っている。
車はもちろん必須だが、毎日乗らなくても生きていける。
居酒屋だって何軒かあるから、呑兵衛も頭を抱えずに済む。
それに欲しいものはネット通販で翌日に届く時代だ。
大手サービスなら離島料金もかからない。
はっきり言って必要最低限だが、
その分できた余暇を好きなことに使える。
海も山もあって、実に様々な活動が繰り広げられている。
ちなみに筆者は滝を探すのが好きだ。夏は飛び込みも最高に楽しい。
小木には森林整備のボランティア団体や民謡のサークル、
ボードゲーム愛好家の集まりなんてのもある。
冬は天気が悪くて外に出るのが億劫になるから、
家で楽しめる趣味を持っているとなお良し。
なんだか移住指南みたいになってしまったが、
良い面も悪い面も知った上で小木を選んでほしいし、
我々はそのための情報を提供しなければならないと思う。
あわよくば小木にパン屋ができることを願って。
この記事を読んで小木に住みたくなって、
さらに地域に関わる仕事がしたいあなたに・・・
小木まちづくり協議会へのご応募お待ちしております。