familie/Mrs. GREEN APPLE
ファミリーじゃないよ。ファミーリエ。ドイツ語で「家族」という意味。
だけど多分、大森元貴のことだから、血の繋がった家族以外のつながりもこの言葉に含んでいるでしょう。
Hondaの新型FREEDという車のCMソングなのでそれに則した歌詞になってるんだけど、「楽しいドライブ♪素敵な家族♪」みたいな温かく楽しい雰囲気をちゃんと出しつつ、どこか寂しさや人生の複雑さも内包した、深い大森元貴ワールドも感じられるという。超天才的作詞になっているんですよ。
軽快なリズムで踊りたくなる感じではあるけど、単純ではなくて工夫がある捻ったメロディなのもまた天才。
五ヶ月連続リリースの最後にこんな名曲を出してくるなんて、もはや人間を超越しようとしていないか?
MVのビジュアルも良すぎる。若井滉斗(ギター)の青髪超似合っててかっこいいし、大森元貴(ボーカル)のパープルが入った髪も素敵。お肌トゥルントゥルンで美しすぎる。藤澤涼架(キーボード)の黄緑色の髪が明るくて可愛くてたまらん。この人は本当に、可愛い。
この3人が楽しそうにお互いに目線をやりながら表情豊かに「家族」の歌を歌う姿、これを無料で見せてもらえるなんて幸せすぎる。
大森元貴にとって、メンバーは仲間であり、友達であり、家族でもある。そんな気持ちを込めて作詞作曲したんじゃないかしら。
では順を追って歌詞を見ていきましょうか。
車の運転手目線で、助手席の大切な人や、後部座席の子供への想いを歌っているような歌詞。
軽やかに弾むピアノの音色がとっても好き。
「君に見せたい」「君にあげたい」の部分(太字部分)ちょっと難しくない?簡単には歌わせんぞという複雑な音階で、ぐぬぬ....ってなる。曲全体通して難しい。音域は他の曲より狭めで歌いやすいはずなのに、複雑なメロディ。
目を輝かせて窓の外の景色を見る子供。
ずっとその側にいたいと思う気持ち。温かいね。愛しいね。
身体は車に運ばれているんだけど、運転している自分が窓の景色を次々先へと運んでいくような。そんな新しい視点もある。
サビラストの「唯一のファミーリエ♪アーー↑」の「アーー↑」が好きすぎるんだけど、分かっていただけますでしょうか。こういうところが天才だって言ってるんですよ。
大森元貴は、天才。
あと、「どこまでがただ愛と呼べるんだろう」の「愛」のエッジボイスがめちゃくちゃ好き!好きなの!
サビの後の間奏でギターかき鳴らすのも好き。一瞬みんなが演奏一拍休んだ時にキーボードが「ティン♪」って印象的な一音を出すんだけど、これHondaのCMで使われる「ティン♪」って効果音に合わせてるよね。昔ロゴが出る時にこういう音が鳴ったと思う。
そういう細かい遊びを入れてくるの素敵。こうやって大森元貴は愛され信頼されてきたのよ。
はい。2番にいきます。
ほらもーこういうことする。2番のAメロでちょっと空気変わるの。
さっきまでは一緒にいる誰かへの愛情や祈りを歌っていたけど、今度は自分と向き合う感じ。
これね、解釈難しいね。
子供が成長するにつれ、ただ楽しく車に乗ってるだけだったのが、意義のある対話をしたり、逆に黙って考え込んだりっていう時間が増えていく。そんな中で、親も子も全部を共有出来るわけじゃなくなって、全部を肯定できるわけじゃなくなっていく。
家族でも譲れない部分はあるし、それが当然なんだけど、時にはうまくいかずに一人で車を走らせる時があるでしょう。
そんな瞬間にも寄り添おうとしてるのかな。
親から子へのエールのような。
自分で自分の人生を運転するようになって、あらゆることに直面して、恋をして。
親が運転していた未来への道路を、今度は自分の力で走っていくようになる。
「これからだ さぁ、人になりましょう」
という言葉がすごく印象的じゃない?
「大人になろう」ではなく、人になろう。
「もう子どもじゃないんだから」とか「もういい歳した大人なんだから」とよく言うけど、子どもと大人って明確に境界線があるわけじゃなくて、グラデーションになってるんだもんね。
なんていうか、お互いを尊重して関わり合える「人」になる必要があるというか、それが出来ている「人」になってほしいなと。年齢を重ねたから大人ってわけじゃなくて、まだ10代だから子どもってわけでもなくて、ただそういう優しい温かい「人」になっていく旅路にいるんだよって言われてるような。私はそんな受け止め方をしました。
世間で言うところの「大人」にならなきゃと焦る必要はなくて、自分のペースで「人」になっていけば良い。
挫折したり、同じ場所でぐるぐるしたり、衝突したり、落ち込むことがあっても忘れないで。
思い出の街、慣れ親しんだ人達、それこそがユーフォリア(多幸感)の在処なんだよ。
という感じでしょうか。
戻る場所がある安心感。思い出を一緒に築いてきた家族の温かさ。そんなものを伝えてくれようとしている気がします。
圧倒的な愛。愛だよこれは。
一番のサビで明るく爽やかな景色だった窓の外が二番だと夕景になってるのは、時間の移り変わり、人生が進んでいく様子をあらわしてるのかな。
「たらい回しってやつでしょう」のところで指くるくるしてる大森元貴が好き。歌い方も好き。
「言葉でいがみ合えど」のところのおてても超可愛い。歌い方もこれまた良い。
って歌いながらMVでは窓にがっつりカーテンが掛かっていて外が見えないのね。しかも遮光カーテンくらいしっかりしたやつね。
「見えた」って過去形なのね。
今見てる景色ではなく、自分の内側にある記憶を見ているという演出かな。
この間奏の伴奏も好き。リズムにのって身体を揺らしたくなるような。
きたよ、転調。キー上げてきたよ。
風に吹かれてひとりを噛み締める大森元貴。
孤独という意味よりは、自分一人の人生をしっかり自覚するという感じかな。
「終わらせ方は僕次第 泣けるエンドを」
ラストの大サビでこれを出してくるか。
コロンブスの「いつか僕が眠りにつく日まで」とか、Attitudeの「いつか僕の我儘が終わる日まで」「私のそう、遺言」とかもなんだけど、大森元貴は終わりを意識しがちなのよね。明るいメロディの中にも容赦なくぶち込んでくる。
いつか必ず命に終わりが来るということから逃げないというか、終わる日があるから今があるという意識。
「ここまでがただ、序章と呼べんだろう」の歌詞が好き。
長い長い人生、ここまでは序章だったと思うと、まだもうちょっと頑張れる。
親から子へのエールのようでもあり、これから一人で車を走らせていく子ども目線のようでもある。
居場所は違っても、遠く離れても、心が帰って来られる温かい場所でありたいという願い。
幼い頃の記憶に支えられ、家族を思い出して頑張れるという希望。
あるいは、家族ではなくて仲間かもしれない。
コミュニティかもしれない。
まるで家族のように心の深い部分で支えてくれるものが、familieなんだろう。
素敵すぎる〜〜!!
超超名曲でした。一生大事に聴きます。
そうそう、ラストサビのここの配色、雰囲気。ミセス復活ライブUtopiaっぽいよね。
インテリアもおしゃれでガン見しちゃう。
海の映像は昨年のライブAtlantisっぽい。
私がこれ流してると子供達(特に次男)が、「ジンベエザメだ!!」って大喜びして可愛い。
ぴょんぴょん飛び跳ねる若井(ギター)と、それを見てにっこりする大森元基が好きすぎる。なんなの?この可愛さ。
最後の「ラララ〜♪」が大好きで小躍りしながら歌ってスクワットしてたら次男にロックオンされちゃって、「ランララして!抱っこして!ママはこれやって!(スクワットの動き)」と毎晩強要されています。めちゃくちゃ笑うからやるけど。13kgの重り付きでスクワットしたらムキムキになっちゃうよ。
「ラララララ ランララ ランララウ〜♪」の「ウ〜」で変顔するとこれまためちゃくちゃ笑うので、強要されて何度もやらされています。
でもね、地味にここの音程も捻ってるのよ。
最後の最後の「ラララララ ランララ ランラララ〜」の太字部分で一瞬キー上がるの。意味わかんないよね。ここの音程が取れるまで何回も聴いたわ。それでも難しかった。ラララすら簡単に歌わせてくれない大森元基。好き。
〜おまけ〜
なんと公式Youtubeでfamilieのライブ映像を配信してくれています!!
ライブでおそらくアンコールでこの歌声はヤバくない?神じゃない??
泣いて喜んで手振ってる客席のみんなに完全同調。
良すぎて良すぎて良すぎる。
早くBlu-ray買いたいですよろしくお願いします。
ApplePencil購入資金、もしくは息子に酢だこさん太郎を買い与える資金になります。