A Thousand Miles/Vanessa Carlton
2000年にリリースされ、長年にわたって愛されている名曲。
ピアノを弾きながらピアノごと街中を疾走する独特のMV。クセになる。
イントロのメロディが大好きで、一時期弾けるようになりたくて練習していた。(そして断念した)
私は洋楽を聴くのが好きで、そのおかげでイディオムを覚えたり文法理解が進んだりしたんだけど、この曲は学生時代に「仮定法過去」を覚えるのにとっても有益だった。
仮定法過去っていうのは、「もし今〜だったらなぁ(99%無理だけど)」みたいな、実現しないと思いつつ口にする願望に使う文法。
「どこでもドアがあったら今すぐハワイ行くのに」とか「今日仕事休めるなら昼から呑みに行くんだけどな」とか。
これが英語になると、
"If I had a Dokodemo(anywhere) Door, I would go to Hawaii right now."
みたいに、なぜか過去形を使うことになる。
なんかね、「今実現不可能なこと=今から遠くかけ離れたこと=過去形を使おう」みたいな感じらしいよ。諸説あり?
「A Thousand Miles」の中では、サビの歌詞でこの仮定法過去が使われている。
〈もし私が空に落ちることができたら、時間は私を追い越して過ぎ去ってくれるかな?
だって知ってるでしょ。私は1000マイルだって歩いて行けるんだよ。もし今夜あなたに会えるならね。〉
正確な和訳は難しい!でも気持ちは分かる!
絶対会いに行けないところにいる大好きな人に、会いに行きたいんだよね。
ただあなたに会うためだけなら、時空を超えたいし、1000マイルだって歩ける。
でも、会えない。
実現不可能だって理解していることに使うのが仮定法過去だからね。
爽やかなメロディなのに、こんなに切ない歌詞だとは。泣ける。
〈あなたのことを考える時っていつもこんな感じ。あなたも私のことを想ってくれてたりしないかな。
だって何もかも全部間違ってて、私の居場所はどこにもないの。大切なあなたの記憶の中(だけ)に生きているんだよ〉
これはもう、どう受け止めていいやら。
会いたい人はもう絶対に会えない天国へ行ってしまったのかな。
失恋ソングだと捉えてる人もいるみたいで、解釈が難しい。
でも、“私”はまだあなたを想って記憶を反芻して会いたい気持ちを募らせているんだよ、というのは分かる。
あなたのいない世界なんて全部間違ってて、そこに私の居場所なんかなくて、あなたといた日々にまだ取り残されてる。という感じなのかな。あるよね、そういう気持ち。
〈あなたとの思い出に溺れてるなんて、知られたくない。でもその思い出を手放したくない。忘れたくないんだよ...〉
手放さなくていいよ!!私が許可する。
悲しい時は悲しもう。思い出したい時は思い出そう。
無理に忘れなくていい。会いたい気持ちを持ったままでいい。
まだ前を向いて現実に向き合うのは辛いから、もう会えない人へ想いを馳せる。思い出に浸る。
そんな時間もすごく大事だよね。
「悲しいけどあなたを忘れて前に進まなきゃ」じゃなくて、「あなたに会うためなら1000マイルだって歩けるのよ」と、募る想いを全開にしてくれる。やはり名曲だわ。
今はまだ前を向けない、という人に共感し、寄り添ってくれる歌なのかなと思います。
〜おまけ〜
ONE OK ROCKがライブでカバーした時の!
ここに和訳が載ってたわ。
私の和訳とちょっと違う部分がある。だいぶ違う。わぁ。
“And I don't belong Living in your precious memory”は「あなたの大切な記憶の中に私はいない」って訳すのか。それだとめっちゃ嫌われて失恋したみたいだな。
いや〜洋楽の紹介は私にはまだ早かったかもしれんな。ちょっと分からないのでとりあえず置いといて。
このカバーがめっっちゃ好きで、なんとこれが収録されてるライブDVDまで買ったんだ。
元々ワンオクも好きだったんだけどね。
このライブのセットリストが神で。
毎年夏の夜に一人でこのライブDVDを流してタオルぶん回して跳んでる。
いや〜〜何度聴いても良いわ〜〜
鉄琴可愛いし、ワイルドな上半身裸のキーボードも良い。そして何といってもTakaの声が良い。
私も歌えるようになりたいな。出来ればピアノも弾きたい。また練習してみよう。