ライブレポ|最高の東京初期衝動 (東京初期衝動御一行様全国忘年会新年会会場はこちら ツアーファイル 2/26)
2月26日
去年の12月から続いていたこのツアーも、とうとうァイナルまで来てしまった。3月も近づき、こうやって寒空の下、半袖で開場を待つのもこれでしばらくお別れになると思うとなんとなく寂しさを感じる。
そんなことを思いながら入場を待っていたが、なかなか列が進まない。ライブハウス自体が6階にあるためエレベーターで向かうのだが、そのエレベーターが1階に着いているのにドアが開かない。故障なのかなんなのか、アナウンスのないまま開演時間が刻一刻と迫ってくる。チケットの確認が終わっていたため、列を抜けようにも抜けることができなかった。
開演10分前の17時35分、ようやく列が進み始め、入場が再開された。あとから理由を聞くと、どうやら会場の準備が終わっていなかったらしく、お客さんを入れることができなかったようだ。。
開演時間から30分過ぎた18時15分、「皆さーん!你好(ニーハオ)!」という挨拶とともに青木さんが登場し、諸注意等のアナウンスが始まった。昨日台湾でライブをし、今朝日本に帰国、そしてそのままライブの準備(しかもトラブルのおまけ付き)というハードスケジュールにも関わらず、疲れた素振りを一切見せず、普段と変わらない様子で淡々と前説をしていた。そんな一 レーベルの代表とは思えない行動力を今回のツアーでより一層感じた。青木さんには本当に頭が上がらない。
前説が終わり数分、開場BGMのが音量が大きくなり、会場が暗転した。当初の開演時刻から遅れること40分、”東京初期衝動御一行様全国忘年会新年会会場はこちら ツアーファイナル 東京キネマ倶楽部” スタートだ。
お決まりの入場SE、"je t'aime ★ je t'aime"が流れ始めた。ファイナルということもあってか、心なしか手拍子も普段より大きいような気がした。サビに入りあさかちゃん、まれちゃん、なおちゃんが登場し、少し遅れて上のステージからしーなちゃんが登場した。先に記したように朝まで台湾にいたはずだが、そんなことを思わせない程の素敵な笑顔で、階段を降りていく姿がとても似合っていた。
ライブは"Becauseあいらぶゆー"から始まった今回のツアーから声出しなどの制限が解除されたため、ライブが始まったばかりにも関わらずフロアの前方はすし詰め状態になるほどに盛り上がっていた。そのまま"BABY DON'T CRY"、 "BAKAちんぽ"といきなり激しい曲が続いていった。ふとしーなちゃんのギターを見てみると、いつものリッケンバッカーではなく少し前にTwitterに上げていた赤いジャズマスターになっていた。弾いている姿を見るのは初めてなはずだが新鮮さや違和感などは感じず、むしろ初めて見たとは思えない程に溶け込んでいた。
振り付けパートのある"マァルイツキ"。若い女の子からおじさんまで全員同じ振り付けを踊っている光景は傍から見たら異様な光景だが、そんなことを忘れるくらい歌って踊る楽しい時間だった。
そしてここから"山田!恐ろしい男"、"梅毒"、"高円寺ブス集合"と激しい曲の3連発。まだライブが始まってから30分ほどしか経っていないが、もう畳み掛けるような曲が続くが、その勢いに負けじとお客さんも盛り上がる、まさにライブの醍醐味のようなものを感じた。
ライブは後半戦へと入り、しーなちゃんの弾き語りから始まる"中央線"。このツアーでさらに好きになった曲だ。この曲を歌うときだけはしーなちゃんも会場の雰囲気も変わり、歌っているしーなちゃんの眼や表情、歌声、一息つく瞬間は、音源や映像では決して伝わらない、”生”でしか得られないがあった。
"再生ボタン"、"STAND BY ME"、"春"と再びライブで盛り上がる曲が続き、お客さんの熱量も最高潮となり、"世界の終わりと夜明け前"ではダイブまで起こっていた。コロナ禍でモッシュは疎か、声出しも制限されていたが、今回のツアーから声出し等がOKとなり、コロナ前のライブがすぐそこまで来ていることを強く感じたツアーだった。
そして最後の曲の"ロックンロール"へ。その名の通り、ロックで疾走感溢れる曲だ。トキョショキの曲はキャッチーでポップな曲や振り付けのある曲も多いが、この曲のようなバンドサウンドの曲を演奏している4人の姿を見ると、”ガールズバンド”というよりかは”ロックバンド”という言葉がしっくりくるようなカッコ良さだった。
演奏が終わり、拍手に包まれながらメンバーが袖に捌けていった。そして照明が暗くなり、拍手は次第にアンコールの拍手へと変わっていった。ステージの方に注目すると、今回のツアーの横断幕が下ろされ、プロジェクターが降りてきた。会場は「何か発表があるのか?」などと少しざわめきながらも拍手は止めず、しばらくしてメンバーがステージへ戻ってきた。
しーなちゃんが「1年半前にかほちゃんが抜けて、新しくあさかが入ってきて、ようやくかほちゃんがいたときを越えれた気がしました。なのでこの曲を歌います。」そう言い、"SWEET MEMORIES"が始まった。いつかライブで聴きたかった曲だった。しーなちゃんが歌い出したと同時に後ろのプロジェクターにかほちゃんがいた頃の映像が流れ始めた。この曲をやっと聴けたことと、後ろの映像が相まって、涙が出そうになった。サビに入り、映像があさかちゃんが入ってからの映像と同時に、笑ってはいけないのエンディングの如く「○○が✕✕した回数 □□回」という映像が流れ始めた。そのせいと言えばいいのかおかげと言えばいいのか、涙が笑いに変わっていた。(これがトキョショキ流のしんみりさせない作戦だったのかもしれない…)
曲が終わり、間にMCを挟んだあと始まった"黒ギャルのケツは煮卵に似てる"。曲中、しーなちゃんが「モッシュしてー!」とあり、後ろを見るとサークルモッシュが行われていた。自分は前の方にいたが、気づいたらモッシュの中に飛び込んでいた。そして知らない兄ちゃんと肩を組んでモッシュしていた。顔も名前も知らない人とこうやって1つになって盛り上がることができ、まさしく”音”を”楽しむ”ということを実感した瞬間だった。
演奏が終わりメンバーが捌け、再びアンコールの拍手が始まった。そう、まだおみやげ曲をやっていないのだ。ただ、台湾から朝帰りしたということもあり無いかと思っていたが、少ししてしーなちゃん以外のメンバーが登場した。そして、あさかちゃんの掛け声によりしーなちゃんが上のステージから登場して始まったおみやげ曲の"再生ボタン"。ステージから身を乗り出して演奏し、歌っているあさかちゃんとしーなちゃん、それによって後ろでクールにギターを弾き、ドラムを叩く姿が引き立つ希ちゃんとなおちゃん、そこに曲が合わさり「これぞ東京初期衝動」という光景が広がっていた。曲の途中、しーなちゃんがフロアにダイブし、お客さんがドミノ倒しのようになってしまったとき、しーなちゃんが「大丈夫ー?」とフロアに声を掛けていて、しーなちゃんのファンへの愛を感じた。
終演後、物販とサイン会が行われ、列が2度折り返すほどのお客さんが並んでいた。自分は最後の方に並んでいたが最後まで疲れた表情を見せることはなく、丁寧なファンサービスをしていた。音楽性はもちろんのこと、ライブでのパフォーマンスやファンサービスなど、このツアー、ライブを通してバンドがさらにパワーアップしたことを感じ、東京初期衝動のことがもっと好きになったライブとなった。
1,Becauseあいらぶゆー
2,ベイビー・ドント・クライ
3,BAKAちんぽ
4,流星
5,マァルイツキ
6,山田!恐ろしい男
7,梅毒
8,高円寺ブス集合
9,愛うぉんちゅー(新曲)
10,トラブルメイカーガール
11,俺流サニーデイ・サービス
12,中央線
13,ボーイズデイドリーム - ~ドッカンver~
14,再生ボタン
15,ボーイフレンド
16,世界の終わりと夜明け前
17,STAND BY ME
18,春
19,ロックンロール
en.1,SWEET MEMORIES
en.2,黒ギャルのケツは煮卵に似てる
en.3エンドロール
en.4,再生ボタン(おみやげ曲)