ライブレポ|はじめて、そしてやっと (ノムライブ vol.6 1/14)
井の頭線を降りると冷たい風が吹いていて、モッズコートの中に入り込む。
1月14日
この日が今年のライブ初めだった。
バンドを好きになってから下北沢には来ることが多くなったが、いまだに目的地がどの出口から出ると近いのか迷う。
例によってこの日もGoogleマップとにらめっこしながら会場に着いた。
下北沢RAHAPSODY 今日の会場だ。
普段ライブを見るのはライブハウスばかりで、今回のようなライブバータイプのライブ会場に行くのは初めてで、さらに今回初めて見るアーティストということもあり、会場やお客さんの空気感がわからず、少しの不安感・緊張感を抱きながら会場に入った。
無事会場へと入り、ドリンクを引き換え、席に着いた。周りのお客さんは今日の出演者の方と話していたり、2人で来ていた方はその人同士で話しており、さらにに自分より明らかに年上という完全にアウェイな状態、不安感がさらに増していく中、ライブは始まった。
1組目 京子バラッド
こちらの方は昭和歌謡曲のカバーを中心に歌っている方だ。正直全然曲がわからなかったが、京子バラッドさんの歌声や伴奏のピアノが相まって、その世界観に魅了された。その中でも印象に残っているのが、京子バラッドさんによるピアノの弾き語りの曲だ。この曲は京子バラッドさんが去年からピアノをはじめ、初めて自分で作った曲だった。自分も去年からギターをはじめたということもあり、はじめたてのたどたどしさなど共感することが多く、より一層印象に残った曲だった。
2組目 極悪いちご団×のまど舎しょうへい
こちらの方々はは、演歌をギターとベース、そしてちんどん太鼓を使って演奏されるという一風変わったグループだった。これが思った以上にマッチしていて、演歌のかっこよさがさらに際立っていた。しかし、演奏以上に印象に残っていたのが間のMCだ。そのMCの内容としては、江戸や昭和の暴力団というものだった。ニッチかつ全然わからない内容、なのに聞いていて面白い、というとても不思議で楽しい時間だった。
3組目 のむらけん
この日の目当ての方だ。小さい頃、電車が好きでYouTubeでプラレールの動画をよく見ていて、その動画のOPとEDにこの方がやっていたバンド(ノムライズ)の曲が使われていた。そのバンドは現在は活動休止中なのだが、そのバンドのフロントマンだったのむらけんさんがソロで活動しており、先日買ったCDにこの日のライブのチラシが入っており、ノムライズではないもののやっと見ることができたのだ。
けんさんの魅力はなんといっても歌声だ。絶妙な声の高さから伝わる温かさはこの寒い時期にぴったりだった。
そして、最後には今日の出演者全員でけんさんが日本語詞をつけたオー・シャンゼリゼを歌い、さらに3月に行うライブでノムライズが一夜限りに復活することが発表され嬉しさと楽しさ包まれたライブとなった。
終演後、けんさんとお話することができた。YouTubeの動画で知ったことや、3月のライブにも行くことなど色々お話させていただいた。中でもけんさんの曲を自分もギターで練習していることをお話したら喜んでらっしゃって、「そのエピソードで1曲書けそう!」とけんさんがいってくださって、とても嬉しかった。
他の出演者の方にもあいさつをし、会場を後にし、夜の下北沢の街を歩く。ライブ前に感じていた不安感はいつしか消えていて、心なしかいつものライブ終わりの余韻より心地よかった。体は不思議とぽかぽかとしていて、外の寒さなど気にもならず、この日だけは世界で一番自分が幸せだと感じた一日だった。