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NZで居住権を取るまでの2年間を振り返る

はじめに

先日、家族全員分のニュージーランドの居住権が無事に発行された。ビザを申請したのは4月に入国してから1ヶ月後の5月で、ビザが認可されたのは6月だった。現在は渡航制限付きのビザだが、2年後にはPRという何の制限も無い永住権に切り替えることができるので、PR申請が次の目標だ。

ちなみに2年間のタイムラインはこんな感じである。

  • 2022年6月 海外移住先の決定

  • 2022年7月 英語学習を本格的に開始

  • 2022年9月 移住最終決意のためのニュージーランド旅行

  • 2023年2月 移民アドバイザーのコンサルティング申し込み

  • 2023年7月 居住権申請に必要なIELTSスコア 6.5を取得

  • 2024年1月 ビザ申請に必要な書類の準備完了

  • 2024年2月 日本から海外就活開始

  • 2024年3月 今の会社から内定承諾

  • 2024年4月 渡航、勤務開始

  • 2024年5月 家族合流、移民局に居住ビザを申請

  • 2024年6月 家族全員の居住ビザが認可

渡航からたった1~2ヶ月での居住権の取得について、そんなことが可能なのか?と聞かれることが何度かあったが、ここ、ニュージーランドでは特定の職種や要件を満たす場合にそれが可能である。ビザに関する情報は提供できないので、気になる人は移民アドバイザーへ相談や、自力で移民局の情報をチェックすることをおすすめしたい。

なぜ移住したのか

僕自身、今でも日本が大好きだ。日本食は安くて最高だし、街は綺麗、言葉にも困らない、日本を嫌いになることは不可能だ。ただそれは僕自身の場合だけにであって、子供がいると話が変わってくる。

今は問題ない、だが10年後、20年後、日本は同じような国で居続けられるだろうか? まだ小さい娘が将来幸せに暮らすことができるのだろうか?そんな先の話なんて誰にもわからないが、親として子供にできることは将来の選択肢を増やすこと、つまり娘が住める国を増やすことだった。ニュージーランドの永住権を一度取ってしまえば、日本が将来だめになっても娘はニュージーランドで働き住むことができるし、何なら市民権を取得してオーストラリアに永住することも可能だ。(その場合は日本国籍を捨てる必要があるが)

だからこそ居住権を取得できたときは、親として娘の将来の選択肢を増やせたことが嬉しかった。

移住先の決定について

遡ること約2年前、本格的に移住準備に移る前に家族と移住先を検討したことを思い出す。自分の中で移住を想像できる国は以下の3つだった。

  • ニュージーランド

  • オーストラリア

  • カナダ

どの国も移民が多い国であり、特にオーストラリアは妻が以前ワーキングホリデーで長期間滞在したことがある国だったので、オーストラリアが有力候補ではあった。しかし「ニュージーランドに移住」が妻の昔からの1つの夢だったので、家族としてそれを叶えるために移住先をニュージーランドに決定した。

しかし当時の僕は一度もニュージーランドに行ったことがなかったので、2022年9月に「本当にここに住めるか?」を確かめるために、家族全員でニュージーランドに旅行した。

クライストチャーチの壁画アートに圧倒される妻

振り返ってみると、この旅行がなければここまで頑張ることはできなかったと思う。

旅行中、オークランド行きの飛行機がすべて欠航になって途方に暮れていた僕らを、ニュージーランド航空のスタッフがクライストチャーチ行きのバスを緊急で手配してくれた。この国の人たちの温かさに触れるたびにどんどんニュージーランドを好きになっていった。(ただクイーンズタウン→クライストチャーチまでの7時間のバスは地獄だった)

バス先頭からの景色

0からの英語学習

ニュージーランドの居住権を申請要件の1つに、IELTS Overall 6.5を保持している必要が含まれる。TOEICで換算すると約800点台なのだが、Be動詞と一般動詞の区別がついてない自分にとって1からの英語学習はまぁまぁ鬼門だった。(2022年時点でのTOEICスコアは確か200~300点台だった)

英語学習に関してはとにかくいろんな勉強方法を試した。アプリで言えばElsa Speak, Duolingo, SpeakからYouTube、有名な英作文本、キクタンなど、5万円ぐらいは教材に投資した気がする。(加えてCamblyやネイティブキャンプなどのオンライン英会話サービスにも頼った)

結果的に一番効率が良かったのがIETLSの過去問題集を地道に解いていくこと、YouTubeでIELTS Speaking Sessionをひたすら見てシャドーイングしてみることだった。IELTSで高スコアを取るためにはIELTSに慣れるのが一番早いので、これからIELTSのスコアメイキングを狙っている人は、まずは過去問題集を一冊購入して解いてみることから勧めてみる。

結果的に初受験から9~10ヶ月ほどで目標スコアを達成

日本からの海外就活

まず初めに言えることは、海外就活はとても「運」が絡む要素だということ。そして忍耐強く耐え続けること。どんなにスキルがあって言語が堪能でも、ジョブオファーに恵まれない人を多く見かけたし、対してスキルや言語に自身がなくても、なにかのご縁でオファーを手に入れた人も多くいる。

僕の場合は日本からニュージーランドの現地企業に応募して、結果的に運良く正社員フルタイム(かつビザのスポンサーになってくれる)企業に出会えたが、それでも200~300社に応募して返事を返してくれた企業は5~6社、そこから内定を貰えた会社はたった1社だった。振り返ってみると、LinkedInの充実化やポートフォリオや履歴書、カバーレターの入念な準備が本当に役にたったので、そこの準備に時間をかけたことが一つの成功要因だったかもしれない。

日本と違って海外ポートフォリオではプロセスや定量的結果が重視される傾向になる

ニュージーランドはそもそも人口が少ないので、市場も小さく求人数も少ない。また基本的に人の繋がりを重視する国なのでLinkedInからの応募は可能性がとても低いと聞いた。いまもう一度海外就活をするならば、とにかく現地でコネクションを作り経験を積むこと。それが一番早い近道なのかなと思う。なぜなら自分がもし雇用主だったとして、リファレンスも無い、現地の職歴もない人を雇おうとは一切思えないからだ…(日本からの就活は正直だいぶ無理があったなと今でも思う)

もしあなたがまだワーキングホリデービザを使える年齢ならば、ワーホリで一度移住してみて、インターンシップやボランティアを通じ、そこからワークビザに繋げていくのが一番最短ルートかもしれない。

実際に住んでみて

ニュージーランドに住んでみた感想を一言で表すならば「おだやか」 。時間の流れも、人も、せかせかせず、ゆっくりと漂っているような印象を受ける。こっちに移住してから家族と過ごせる時間のありがたみを再実感できたし、愛犬との長時間の散歩や、仕事終わりに娘と近場の公園に遊びに行けることが何より幸せだ。

日常の一コマ

とくに、ニュージーランドの金曜日午後の雰囲気はたまらない笑 みんなが週末をすごく楽しみにしていることを感じられるし、仕事を早く切り上げよう!みたいな空気感が大好きだ。

一つ自分の中で驚きだったのが、ニュージーランドに移住してから、より日本を好きになった。日本のほうが良いなと思う場面も暮らしていて沢山ある。ただ完璧な国なんてどこにも存在しないので、結局は自分たちが納得して、自分たちらしい生活を送れる場所ならば、どこでも良いのだ。僕にとっては妻、娘、愛犬がしたいことをできて、のんびり穏やかで暮らせれば、それだけで充分だ。

まとめ

こっちに移住してから自分の英語力の低さに何度も落ち込んでいるので、当分は英語力を底上げしていくことが一つの目標。(IELTS 6.5はこちらで生活/仕事できる最低ラインのスコアかもしれない..笑)

そして2年後のPR申請、将来もしかしたらニュージーランドの市民権を取得して家族全員でオーストラリアに引越す未来や、やっぱ日本が住みやすいねってなり、日本に帰る未来もあり得るかもしれない。先のことはまだわからないけど、一言言えるのは、いまとても幸せに暮らせている、それだけ。

最後に

IT関係(エンジニアやデザイナー、PM)などの仕事をしていて、将来ニュージーランドに移住を検討している人がいたら、質問に答えたり相談を通じてお力になれると思います。ぜひ連絡ください〜。

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Mamoru (Mao) Kijima
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