第38回マイルチャンピオンシップ(G1)は、天皇賞の着順を見ればおのずとわかる。
今年のマイルCSを紐解くにあたってキーとなるのが天皇賞の着順である。
1着 エフフォーリア
2着 コントレイル
3着 グランアレグリア
ノーザンがG1レースにおいていわゆる「使い分け」をするのは周知の事。さらにそれは距離によっても行われる。
かつて歴代最強馬の名を欲しいままにしたアーモンドアイも、2019年の安田記念ではインディチャンプ、2020年の安田記念ではグランアレグリアの勝ちに花を添え、最強時のアーモンドアイに勝った事で、それぞれの「勝ちの価値」を上げた。
この時のアーモンドアイの仕事は、勝つ事ではなく、勝ち馬の株価を上げる事だったのだ。
マイルではその距離のスペシャリストに負けたが、2000m、2400mというカテゴリーでは最強馬の名をほしいままにしている。
今年もここまでの結果を見ると、私の中ではやはりノーザンの牙城と使い分けは同じように見える。
1600m グランアレグリア
2000m エフフォーリア
2400m コントレイル
グランアレグリアは、安田記念こそ連覇できなかったが、代わりに東京マイルのヴィクトリアMを勝っているし、阪神マイルでは、桜花賞とマイルCSを勝っており4戦3勝を誇っている。
マイルではグランアレグリアが、そしてチャンピオンディスタンスの国内最高峰である東京2000mのタイトルが欲しかったエフフォーリアが、グランアレグリアとコントレイルに勝った事でさらにその評価を上げている。
こうなれば必然的に、社台SS入りが決まり社台と「同じ財布」となったコントレイルが、クラシックディスタンスの最高峰である東京2400mのジャパンカップを勝てば、3頭を使ったそれぞれの距離での棚上げ合戦が終了することになる。
ゆえに、天皇賞でルメールのグランアレグリアに勝ったエフフォーリアの価値をさらに上げるためには、ここでグランアレグリアがベストパフォーマンスを見せなければならない。
逆に言うと、ここでグランアレグリアが強い競馬をすることによって、勝ったエフフォーリアは勿論、ジャパンカップを勝つであろうコントレイルの価値さえも上がる事になる。
【結論】
◉グランアレグリア
〇シュネルマイスター
▲インディチャンプ
相手は、来年を見据えた「世代交代」というテーマを考えると、当然3歳馬でないとならないだろう。
そうなるとやはりNHKマイルを勝ったシュネルマイスター。安田記念でもいい競馬をしているし、前走では古馬相手に毎日王冠を勝っている。
6歳になったインディチャンプは3着くらいがちょうどいい。