戸籍名改名審判記録と手続き①
インターネット上の性同一性障害当事者の方の話題として、戸籍の改名問題、及び性別変更問題がクローズアップされて来た1998年頃、既に私はある病院の善意でホルモン投与を受けていました。
オミズも辞めて精巣除去手術後も投与を続けていたものの、SRS(性別適合手術)はたぶん叶わぬ夢だろうなと思っていた頃です。まだインターネットは始めたばっかりでしたが、そんな議論をちらほらと眺めているうちに、
できるものな私も戸籍の名前を、「女の子らしい」名前に変えたいなと思い始めました。
でも、何をどうしたら良いのかわからなかった私は、ひとまず、そのホルモン投与をしてくれている婦人科の先生(女医)に相談しました。しかし、相談されたその先生もどうして良いか分からず(当たり前ですが)、出入りの製薬会社の方(私は面識なし)に相談したそうです。
それとほぼ同時に私は、インターネットで性同一性障害の治療をしていると公表している病院に通い始め、すぐに性同一性障害の診断書を書いて頂きました。
さて、私の全然知らないところで、製薬会社の方は家庭裁判所を訪ねたそうです。その時の家裁側の回答では、
「改名については前例はあるが、性別変更に関しては前例がない。但し、(性別変更で)申し立てをするなら、『性別変更』ではなく、『戸籍変更』としてください。」と言うものだったそうです。つまり、この時点で家裁側も、戸籍の性別変更についても多少は想定していたようですね。
そこで、性同一性障害の診断書も既に揃っていた私は、○○家庭裁判所にに申し立てをすることにしました。あくまで性同一性障害を理由にした改名審判を。
まず最初に、一度その家庭裁判所に行って手続きの話を聞き、とりあえず申立書をもらって来ました。製薬会社の人が家裁からもらって来ていたのですが、私がそれを一度なくしてしまったのと、一応、自分で費用とかも確認したかったので。(もちろん、電話でもインターネットでも確認できますが。)
同時に、両親に同意書を書いてもらおうと、実家に手紙を書いておきました。そもそももう未成年じゃあるまいし、同意書がいるって言うのも変だなと思いましたが、インターネット上の情報ではあった方が良いんだなと思えたので。