我は円天と共にある也
我、宇宙なり。
待ち受け動画に顕現。
映像をば見つめおるなら、恰も虚空へ突き進むが如き錯覚に陥るであろう。
さてこの男、初老の塾講師もまた、斯様なる幻想を抱きて感嘆す。
『ひゃあ～こりゃ宇宙飛行だぜ』
☆☆☆
こんにちは！
フジミドリです♡
今日の私物語は宇宙が主人公。
無限に広がる暗黒の空間……いえいえ実は私、宇宙がどんなものか存知ません。
なのに心惹かれます。
今回は、宇宙空間を進むような待ち受け画面に見入るうち、構想が浮かんで参りました。
では早速──
☆☆☆
『我、円天と友にあり……』
（ふむ。そは誰の言か）
『え。道術の師匠だけど』
（円天とは我のこと也）
『そうだね。オレは宇宙が親友だぜってとこかな。初めて聞いた時は驚いたけどさ』
（いと深き言なり）
『人間同士の仲間意識なんて、呆れるくらい脆いものだからね。すぐ反転しちゃうんだ。信頼できる人は滅多にいないよ』
（さもあろう。人心は移ろいゆく）
『あはは～だったら、大宇宙を友達にすればいんじゃね……そんな感じかな』
（うむ。然り。許諾）
☆☆☆
我は暗黒。何故に暗きであるか。
光をば映すため也。暗き闇ありてこそ、眩く輝けよう。闇なくば光あらず。
光は闇に支えられ、裏切りが愛を際立たす。別れこそ出逢いへ繋がらん。
☆☆☆
『うーん。それって逆説っていうか皮肉っていうかさぁ……たーしかに確かに。世の中、光だけだったら光って言わねーもんな』
（闇ありてこそ光なり）
『裏切りや憎しみがないと、愛は確認できないか。やれやれ。まぁね～世界中に愛しかなかったら、何が愛かわかんなーい』
（愛憎、表裏一体）
☆☆☆
この世は相対次元。
相反する概念ありてこそ、低き次元に映し出せる道理。実相界は自他なく一なり。
神・真・芯
シンなる言霊にて一を顕わす。
☆☆☆
『いやでも、改めて不思議だね～この待ち受け動画は平面でさ、宇宙って立体だろうに、なんかマジ本物っぽく見えるわけ』
（我は立体とな）
『え……違うの？』
（そは誰の言か）
『うーん。そりゃあ当たり前っていうかね……まぁ、宇宙を触ったことないけど』
（ふむ。触れば真実か）
『なるほど。脳の誤作動？』
（あるがままそのまま也）
☆☆☆
思い考えは使わず、見えるが如く観る、ただ周囲を観る。ならば在るは上下左右のみ。
奥行にあらず。
遠く離れて見ゆ、近くありて触れるは、この世に生まれて後に創り出せし幻想也。
奥行きこれ幻想なり。
☆☆☆
『どういうことだ……奥行がない……あるでしょう。手に取るマグカップ、窓の外に青空。どう考えたって遠近あるじゃん』
（考えず、あるがまま観よ）
『うーん。あれれ。なんじゃこりゃ。ヤバいよ。もしかして奥行きってない……一瞬、なんか平面に見えちゃったぞ』
（それ真実の姿なり）
『えぇぇぇ～ウソでしょ。じゃあ何、宇宙の果てに何光年と離れた星の光って、あれ全部真っ平ら……プラネタリウムかよ！』
（我ただ実相界にあり）
☆☆☆
我は無限大
輝きて永遠不滅
故に我が本質は体感する能わず。故に相対を現象せし。故に奥行き表出すなり。
左右反転
上下固定
神・真・芯より発し
永遠不滅なる無限大へ拡散す
☆☆☆
『あ。なんだっけ、それ。鏡に映る姿は左右逆だけど上下そのまま。ええっと……』
（奥行反転なり）
『そう、それだよ。鏡を境に体が反転する。手の甲が掌になっちまう。後頭部は顔になって……うーん。言ってて奇妙だぜ』
（真実は受け入れ難し）
『だよね～簡単にわかっちゃうんなら、わざわざ生まれてくる必要ないのさ』
（逆また真なり）
☆☆☆
目に映る耳で聞こゆ肌の触れるが外界とは……これ幻想なり。
外にありと惑わされてこそ実感す。
否
外にありと見ゆる景色これ我なり。耳で聞こゆ音こそ己、肌に感ずる触りは自然──
☆☆☆
『なんだって。イヤなものムカつくこと、全部オレかよ。苛立つ響きや不快な音、あれもこれもどれも自分……失望だぜ』
（気づけば消える幻想）
『なるほど。目は閉じたら見えないよ。耳を塞けば消える。触らぬ神に祟りなし……』
（佳きものまた自然）
『ああ。明媚な風景や香しい匂い、美味しく食べる味。これもオレなのか……うん。少しは救われるね』
（そのままでよし）
キショウブの花言葉に
友情がございます
☆☆☆
お読み頂き、ありがとうございます！
お蔭さまで私物語シーズン３も、残すところ２回となりました。
次回は６月４日午後３時、西遊記の創作談話が今週木曜お昼です。
是非、いらして下さい♡
ではまた💚
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