神出鬼没の白虎笑う②

困ったヤバいわ。白虎びゃっこって、玄武げんぶや青龍せいりゅうとは、また違ったやりにくさがあるの。今回は、本当マジに攻略ゲットできないって気がするわ──

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こんにちは。フジミドリです。

さて、RPGの物語ファンタジーも、第８回となりました。完結は１２月５日総集編です予定です。残り５回。うまく纏まとまって、くれますでしょうか。

今回は、サクヤ視点してんで進みます。

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でもなんだろう。不思議なぞね。あたしって、前ほど悲観してないの。楽観的おきらくになったかもよ。ドドンと来い。ケセラセラなるようになるって感じ。

楽観的になって気づくの。前は悲観してた。でも、初めからあたしって、こうだったかもな～んて気もするし──

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何が厄介やっかいって、案内人ガイドだわ。

可愛らしい妖精ようせいだから、すっごく期待したんだけどな。とんでもないのよ。玄武の時エルフや、青龍とは人魚大違いね。

あり得ない

みんなで言うことが、バラバラなの。どれを信じていいかわからない。なのに、ガイドの言うことにアドバイスしかヒントがない。困っちゃう。

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《ウソから、真実まことを見抜きましょう》

やだな。そういうのって、苦手なんだけど。あたしは、感覚でやっちゃう人。頭アタマを使って考えるのって面倒ウザいのよ。

そこは、ミツ君に任すわ。ミツ君って、結構わりと理屈っぽいから、いいんじゃないかしら。

「あ。白虎いたよ。すぐ近く」

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急いで駆け出す。森の中は、土が柔らかい。空気は涼しくてヒンヤリ澄んでる。もしかして、暮らすだけなら、此処ここっていい場所ところかも。

「うわ。でかっ。ヤバッ」

ミツ君が叫んだ。あたしは息を呑のむ。本物マジですか。これって絶対マジ、あり得ないでしょ。

見上げていたら、首が痛くなりそう。まるで高層ビルだわ。ネコみたくお座りしてるの。こんなの、どうやって攻略ゲットするわけ。

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周囲まわりの木を見てまた驚くビックリ。スカイツリーじゃないのって程ぐらい。巨木だわよ。これってもう、山よね。山だわ。一体マジどうなってんの。

「地球は昔古代、あんな巨木が沢山いっぱい、あったらしいよ。今は平らな山に見えるけど、切り株みたいな年輪もあって。まさか──」

『へぇ、そうなんだ。でも、あんな大きさじゃ、短剣も魔法も通用しないよ』

「大きいわ」「いや、小さいよ」「比較の問題だな」「相対性原理アインシュタイン」「だから何って感じなの」「やる前から諦めてるぜ」「確かに」

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あぁ、もう煩ウザいな。妖精がまた余計なムカつくことばかり言うから、混乱してきちゃうわ。でも、どうにかしなくちゃいけないの。

せめてもうちょっと、小さくなればいいのに──は。え。どうなってるの。私が思ったら瞬間すぐ、白虎は小さくなっちゃった。

「うわ。ど、どうしたんだ」

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シュルシュルと縮ちぢんでいく。白虎も周囲の巨木も。あっという間に、ネコちゃんよ。

子ネコが寝転ゴロリんで、前足は曲げたまま、お腹なかを出して、撫なでて～って感じ❓

超マジカワイイ～んですけど💖

思わずあたし、近づきかけた。ミツ君が手で制止とめたの。確かに。白虎は白虎だもんね。

そうしたら、スッと消えた。

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それからあたしたち、白虎に振り回された。ここと思えばいつの間に。あちらと思えばまたこちら。どこに顕あらわれるのか、まるで予測ができないのよ。これって、遊ばれてるわ。

妖精ガイドたちは、相変わらず言うことがバラバラで、頼りにならないの。ミツ君とあたしは、彼方あっちへ行ったり、此方こっちに来たり。

《イデアルーム休憩避難空間、推奨です》

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ホッとする。静かな音楽。暖あったかい室内へや。快適な雰囲気。安閑やすらぐ。ケーキと紅茶も嬉しいワーイ。

現実に、あればいいけど、こんな空間とこ。困った時とか逃げ込むの。誰か作ってよ。

《状況データを整理ととのえましょう》

あたしたちは、AI主導おまかせで戦略を練り直した。そう言えば、玄武と青龍のスキルって──

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《真奇力存しんきりきぞんです。真の奇跡が起こせます》

何ソレ。超マジスゴそうなんですけど。いいわ。二人で起こしちゃう。真の奇跡ってやつ。

《既にもう、５０％解放済みです》

あ。もしかして、さっきのアレ。白虎が小ちっちゃくなったのって。きゃあぁぁ。ステキ。いいねいいね。どんどん行っちゃおう。

《了解オッケーです。スキル解放１００％》

元の場所ゲーム空間へ戻ると、あたしたち、早速すぐスキルを使ったわ。真奇力存って、要はつまり何だって出来るの。思った通り叶っちゃう実現する。

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あたしの魔法、自分で放うって驚愕ビックリよ。凄すさまじい。大爆発ドッカーン。何もかもを吹っ飛んだの。

流石さすがに困るわ。だから元に戻ってお願い。そう思ったら、アッという間に復元もとどおり。何コレ──

こういうことなわけ

いつの間にかあたし、大人おんなっぽい。胸バストもお尻ヒップもバインバイン、腰は締ってキュッとね。セクシー。でも、恥ずかしハズいから戻しちゃう。

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次々と世界まわりが変わっていくの。何なんでも、思い通りね。あたしとミツ君、結婚して子供が生まれ、年取って死んじゃったチーン──

そして何度もやり直す

周囲森もどんどん変わる。開拓ひらかれて、文明が進んで、火山は噴火ふんか。地震や津波。氷河も来たのよねぇ。ふぅぅぅぅぅ。

「どーせ死ぬ」「何も残らない」「たった百年」「人生は一度」「何度でも」「幻想まぼろしさ」「意味ないね」「だから誤魔化す見ないフリ」

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うーん。確かに人生って、意味ないわ。何をやっても終わっちゃう。終わってまた始まるけど。何処どこまで行ってもキリがない──

《物語パターン的には、ここから反撃です》

１１月７日、午前１０時へ続くわお。今年も残り僅か２ヶ月ですね💖

イラストは朔川揺さん💞

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