自力の捉え方を考える



はじめに

少し前、「テトリスの自力についての考察と解釈、定義付け(下書き)」という記事を公開しました。これはまあ他人に説明するには最悪な考察の仕方だったのですが、この考察をどうにか他人に分かり易く説明しようと試みたのが本記事の目的です。
引用記事の悪かったところは、分類を二種類に区分けしたところ。そのくせ、分類の根拠もなく感性だけで割り当てたので人が理解するにはかなりゴミな内容が出来上がりました。

そこで一旦先入観を断ち切って自分の思想を根本から変える、ということをしました。
そしたらまあ不思議、自分でもかなりのものができたと自負してます。ぜひ最後まで付き合って頂ければ幸いです。

「自力」と「地力」の表記揺れに関してですが、本記事では「自力」で統一したいと思います。



自力の内訳を決める

自力にはどの様な種類があるのかを決めなければなりません。
まず自力関係なく、対戦中に必要な要素をリストアップしていきます。

知識
速度
火力

最適化
地形維持
凝視
相殺管理
判断力
妥協
安定性
ネクスト、ホールド把握
地形把握
メンタル
置きミスの回避
火力計算
段差計算
思考力
積みルートの探索
堀ルートの探索

この中で統合できそうな要素を見つけていきます。

最適化に置きミスの回避を統合します。これは目的がおなじ。

妥協と判断力を統合。判断力の中に妥協があると言う考え。

思考力、積みルートの探索、堀ルートの探索を統合。まとめて思考力にします。

これらにまず、段階番号を付けていきます。




自力の分類をする


段階番号

段階番号」は、自力の種類を分ける際にどうにか分かり易い分類がないかと考えた結果生まれた偶然の産物です。

ポイントは、数字が小さいものほど基礎的な力であり、それが土台となって次の段階の力が発揮されるということ。
つまり、0の力があるから1が使え、1の力があるから2が発揮できる――そうした積み重ねの考え方になっています。

また、通常なら「自力」として意識されにくい メンタルや安定性も、プレイに影響を与える要素として含める ことで、より包括的に自力の種類を整理しています。

段階を設定する

番号を付ける前にどんな段階があるかを決めなければなりませんよね。

筆者はまず、試合外に発生する要素と試合内で発生する要素に分け、そこから試合内で発生する要素を「認識段階」と「出力段階」の2つに分けました。
この「試合外」認識段階」「出力段階」の3つの段階を総合的に捉え、取捨選択をする最終段階を「総合運用」と定めました。

これで、合計4つの段階を設定することができましたね。

可視化したらこうなります↓↓↓

段階と番号をリンクさせる

設定した4つの段階それぞれに番号を振り分けます。

試合外=0
認識段階=1
出力段階=2
総合運用=3

さらに、対戦相手がいることで発生する要素には、段階の数字に「'」をつけます。これをすることで自分の盤面かそれ以外かをぱっと見でわかりやすくなります。「'」が付いていたらそれ以外ですね。


段階番号0は大前提の要素です。
・知識
・メンタル


段階番号1は「盤面把握」の能力全般です。以下を含みます。
・ネクストホールド
・地形の把握
・段差計算


段階番号1'は相手がいる状態で発生するスキル。要は自分以外の盤面把握能力です。
・凝視
・火力計算


段階番号2は以下の5つです。皆さんも馴染みがあると思います。
・速度
・火力
・堀
・最適化
・地形維持


段階番号2'は、段階番号1'が出来ると習得できます。
・相殺管理。


段階番号3は、0~2を前提として生まれる要素です。
・思考力
・判断力
・安定性


可視化するとこうなります↓↓↓

拡大して見てね




段階番号に名前をつける

段階番号0→これは試合外で習得や準備が必要なもの。例えば開幕テンプレは何を組むか、などの段階。学習、座学、試合外ルーティーン(ガムを噛むなど)で得られる。これらをスキル土台と呼ぶ。

段階番号1→自分の盤面を認識する力。自己盤面把握能力。そのままの意味。

段階番号1'→自己盤面外把握能力。上記のスキルを拡大して得られる情報を増やす。

段階番号2自己完結力。自分が発揮できる能力。自己が本来持っているスキル。

段階番号2'→対戦相手が存在することで発生するスキル。これを対面力と呼べる。

段階番号3→これらを総合的に保持したうえで、取捨選択をしたり、これらのバランスを決めること。スキルを総合的に捉える。これを総合管理力、略して管理力とする。

番号を日本語に直した画像↓↓↓


広義での自力と狭義での自力

これら0~3番をすべてを合わせて自力と呼ぶのが広義的自力

では狭義での自力とは何なのでしょうか?
分類した番号の中で選ぶとすると、番号が2と2'の自力狭義での自力と捉えるのが良いのでは無いでしょうか。出力段階を自力と捉えると数値で表し易かったりするので、無意識にそう判断して捉える人が多いのだと思います。




段階が変わる流れ

0=試合外
1=認識段階
2=出力段階
3=総合運用


読者「すげー分かり易いぞー。よーし、この区切りを頭に入れてテトリス上達するぞー。」

筆者「・・・」


筆者「このままで終わってたまるか!!!」



勿論ここでは終わらせません。
ただ区切っただけでは感覚的に理解できないからね。段階と段階の間には、それぞれ流れがあるのです。

どういうことか見ていきましょう。


1の段階で自分の脳内に情報をインプットした後に、一旦情報を思考し、整理します。そのあとに脳内で理想の行動がまとまったあとにそれをアウトプットする必要があります。

番号1で情報をインプット・・・①

脳内で思考整理・・・②

操作を入力・・・③

結果の出力(ここで初めて積みが発生)・・・④

補足:思考力について

②の部分で積みや堀のルートを探索する「思考力」が使われます。
思考力は番号3に割り振りましたが、これはそうした方が都合が良いからです。
思考力を別枠の種類として捉えると、すべての段階の間に、思考というプロセスが混じり、段階の数が二倍になります。そうするのは面倒くさいし、人目で分かりにくい。これは本記事の趣旨と反しています。


自分に足りてない部分を分析しよう

この流れの連続で我々は対戦してるわけなのですが、これらを完璧にこなせるわけではありません
上記の番号に照らし合わせて、どういう危険状況が想定できるかを大まかにまとめてみます。

情報が自分の思考リソースを超える・・・①
地形を脳内で整理できない、処理が追いつかない・・・②
置きミスをする・・・③、④

これを自分に当てはめることで、そもそもどの部分でミスをしているかを分析することができます。ぜひ皆さんも試してみてください。


参考動画↓↓↓ by Nilgiri 306 さん

この流れを可視化した動画です。これはパフェの思考ですが、今説明したことがわかりやすく動画にされてます。


この解釈の欠点

最初に要素を羅列したのですが、これはほぼすべて筆者で出したものです。つまり、自分が思いつかなかった要素は入ってません。残念。
それだけw



発展コラム:「知識」と「感覚」の境目

このコラムは本記事での目的をなんとなくで話しています。自分がどういう思考で「記事を書いてみよう!」と思い立ったかの課程です。

筆者がよく居るコミュニティでは度々話し合いをする機会があるのですが、そこで印象に残ったのが「ドネイト」は知識想像力かという議題です。
これはドネイトテンプレを知っているか知らないかで人によって違います。

STMB-caveなんかは形がパターンとして覚えやすいので「知識」ですが、上位勢は今ある地形から想像できないようなドネイトを行います。
これは頻出する地形で出来るドネイトがテンプレ化しやすく、あまり登場しない地形ではテンプレ化できるドネイトが少ないからですよね。
「想像力」を「知識」に昇華するには、場数を踏むほかありません

全く別の例ですが、よく最上位テトラーのコメント欄では「試合中に意識していることはありますか?」という疑問が投げられることがあります。
それに対して配信者は「立ち回り」だとか「ミスを減らす」など大雑把に返すことが多いです。
細かく返されたとしても、初心者が意識する段階に到達できてないと意味がありません。
これは個人によって「意識する点」と「意識せずとも感覚でできること」が違うからです。


テトリス上達に簡単な近道はない

では「意識する点」を「感覚」に落とし込む方法はどのような練習法なのでしょうか?

答えは「反復練習」です。
これがテトリスに上達の近道はないと言われる理由ですね。勿論人によっては感覚に落とし込む時間が長い人もいれば、短い人もいます。これがいわゆる才能というやつなんでしょうね。

目指せ一日10時間!!!!


感覚を言語化しよう

ここで視点を変えてみます。「意識する点」を「感覚」に落とし込めるのならば、「感覚」を「言語化」することも可能なのです。

これの代表的なものがパリティです。Tミノを積み込みに使うと地形が悪くなる、と感じることはありませんか?それをパリティを使えば説明できます。興味がある人は調べてみてください。

パリティ初心者におすすめのサイト↓↓↓ by dotTIZ さん

本記事も人によって解釈が違う「自力」という概念を筆者が独自で解釈し、そこに分かり易さを加えて出来上がったものです。これは感覚を言語化してると言えますよね。
「人によって自力の解釈が違うの何なんだよ!!!!!」という怒りが原動力でこの考察を始めるに至りました。他にも「自力と地力の違いってなんなんだよ!!!!!」みたいな気持ちもありました。

本記事を読んでくれた皆さんのなかの一人が、自分の感覚を言語化してくれる人が現れるのを祈ってます。



まとめ


筆者はテトリスにおける「自力」という曖昧な括りに対して、一つの答えを提示してみました。本記事を読んで、もし「この部分は違くないか?」「なんでこの解釈になったの?」という疑問が出てきたら本記事の目的は達成されることになります。

もしこの考えに賛同してくれるのであれば、是非内容を引用してみたり、自分自身に当てはめてみれば上達に一歩近づくかもしれません

宣伝:近々自力に関連する、記事か動画かは決まってませんが個人で行っている調査を発表します。興味がある人は是非チェックしてください。基本Twitterに屯しています。


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