外資系企業・海外での面接攻略の5つの心得【非帰国子女向け】
こんにちは。アメリカ東海岸在住、フリーランスの経営コンサルタントSacraです。
フランス・スイス・アメリカなど欧米生活15年以上、大手外資系コンサルティングファーム(旧Big5)や政府・国際機関の正規職員の職を経て、結婚・出産などを経て2016年よりフリーランスのコンサルタントをしています。
前回記事で、日系企業が人材を大事に育て、長期的な将来性やポテンシャルも踏まえた上で採用する傾向があるのに対し、外資系企業は即戦力と合理性で候補者を選別していくと示唆しました。
本日は、新卒大手外資系コンサル(旧 Big5)に始まり、15年の欧米生活で国際機関含め、5回海外転職をした経験から、外資系企業やグローバルな組織の面接攻略の5つの心得についてざっくりと共有します。
面接の言語が日本語でも英語でも、共通して役に立つ心得や基本的な想定質問を説明しています。
この記事が役に立ちそうな方は以下です。
非帰国子女としているのには、言語の問題だけではありません。
欧米での教育では、割と幼少期からプレゼンやスピーチをする機会を多く与えられ、日本の教育と比較して圧倒的に欧米的なプレゼンやコミュニケーション能力が鍛えられるからです。
私は日本の田舎で育ち、ハタチで初めて海外に出て、ゼロから試行錯誤を繰り返し、時に終わりの見えない茨の道や崖っぷちを突き進み、結果運良く海外でキャリアアップを重ねることができました。
今回の記事の中では、細かいテクニックというよりも、外資系企業・MBA・海外・国際機関での面接の準備においてどう臨むか、私が経験から学んだ5つの心得をご紹介しようと思います。
初の有料noteで、ご購入いただくメリットとしては、以下があります。
このnoteは、皆様のコメントや感想なども踏まえつつ、今後も更新予定です。(2020年9月現在、約9800字です。現時点で購入されても、今後の更新分もすべて閲覧可能です。)
便宜上、「外資系企業」としていますが、これに準じる企業文化を持つ日系企業、例えば、IT系ベンチャーや海外進出を積極的に行っているグローバル日系企業などでの面接にも、ご参考になるかと思います。
また、MBA面接については、各学校の傾向の分析が大前提になりますが、基本的なルールとして参考になるかと思います。
外資系企業の面接攻略の心得① Key Questionsに対し自分の軸・考え・ビジョンを持つ
外資系企業の面接攻略の心得の最も重要かつ全般的なポイントに、特に以下のようなKey Questionsに対し、自分の軸・考え・ビジョンをしっかり持つことが挙げられます。
私がこれまでによく経験したKey Questionsの例は以下です。
これらの質問について、自分の軸・考え・ビジョンをしっかり伝えつつ、具体例・過去の実績・それを裏付ける関連の努力などで説得力をアップさせます。
私が新卒入社した外資コンサル(Big 5)は、その年初めて新卒採用を行ったとのことで、一次の書類の段階で2万近い応募があったとのことでした。
それが、幾つかの筆記試験などで数百に絞り込まれ、最終的に確か50人弱が入社。実際の面接にたどり着くのも至難の技でした。
この面接で、ほぼ職務経験のなかった私はグループ面接で洗礼を受けます。(コンサル志望者は弁がたつ人ばかりで、ただただ圧倒されました。)
実績のある学生社長もいたりして、学生なのに皆いい意味で自己主張ができ、入社後やりたいことや自分が企業や社会にどのように役に立てるか、具体的なビジョンを持っていました。
正直、何故最終まで行ったのか謎でしたが、勝因をあげると、英国留学でそこそこ培われたビジネス英語力+ユニークでニッチなやりたいこと(政府・官公庁系プロジェクト)が、面接官の印象に残ったのかもしれません。
必ず、「この会社で何をやりたいですか?」と聞かれるので、ただ、「英語を生かせる仕事」「海外駐在や海外関連の仕事なら何でも」などと曖昧な回答は絶対に避けるべきです。
面接の段階で、とりあえず暫定的にでも、「営業をやりたい」「経理がやりたい」と、具体的な理由や熱量を持って論理的に語ることが大事です。
また、そのようなやりとりの中で、面接官は、その人材を会社でどのように活用できるか、適性判断をすることができるのです。
ちなみに、私が海外転職した時によく使っていた志望動機や自己アピールは、以下のような感じです。
(→ここで、必要に応じて、ポストに関連した、具体的なプロジェクトの実績や例について説明。)
正直、日本での典型的な面接とは一線を画し、「(この職務での成功を確信しているような)自信満々な感じ」が大事です。アメリカの教育では、特に皆褒められて育てられるので、皆この自然に「自信にあふれた感じ」がかもし出せます。
私も最初は面接が大の苦手でしたが、練習や本番での回数をこなしていくうちに慣れました。
何人かの面接対策のお手伝いをしましたが、練習で客観的にコメントやインプットをもらうことで、見違えるほど改善します。(面接官は一人とは限らないので、できれば、複数の人と模擬面接ができればベターです。)
自分が採用者側だったら、挙動不審で自信なさげな候補者よりも、堂々と過去の栄光や実績を語り、次のポストでも問題ありません、と言い切ってくれる候補者の方を採用したくなりますよね。
外資系企業の面接攻略の心得② 自分自身の想定問答集(Q&A)を作成
業界や企業の特色も十分考慮し、自分自身で想定問答集を作成し、面接の練習をすることは必須です。上記のKey Questionsは、よく聞かれはするものの一般的な例の一部にすぎません。
面接は、自分自身という人間の適性や価値を効果的にプレゼンする場です。
海外(フランスースイスーアメリカ)と転職しましたが、いずれもポストの要件をじっくり読み込み、自分が面接官だったら聞くであろう質問をざっと30個は用意して、ひたすら練習しました。(時にはネイティブの友人に面接官になってもらったり・笑)
準備のポイントは、以下です。
応募する会社のポストに近い部署の人に直接相談して生きた情報収集ができれば、それに越したことはありません。
新しい事業戦略や、トップマネジメントの方向性、現在の内部のプロジェクトの動向など、面接で絡めるべきトピックが判明することが多いです。(私も一度やりましたが、想定問題を考える上でも最強です。)
もしも知り合いが誰もいなくても、大企業の場合、Glassdoor(アメリカの場合)のような転職サイトで、口コミ情報を集めることも以前よりは容易になってきました。
逆に、友人が国際機関の面接を受ける際も、上記の面接官になってスカイプで英語面接指導を1ヶ月定期的にしたことがありますが、3-4回のセッションのあとはもはや別人で、やはり練習&準備が全てだなあと実感したものです。
できれば、外資系や外国人の友人や知人に、面接対策の面接官役になってもらい、2−3回は模擬面接をやってみましょう。
例えば、以下のような質問は、自己分析もかねて、練習しておいた方が良いでしょう。
[英語バージョン]
[日本語バージョン]
もし頼れる面接官役がいなければ、自分でこれら質問に対する様子を携帯などでビデオ録画して客観的に見返してみてください。(セルフジャッジです。)
大抵の場合、自分の話しぶりや表情など、改善点が色々あるはずです。
弟は、当時確かTOEIC400点位だったと思うのですが、私の方で対面模擬面接もWEB上で実施したのですが、あまりのダメさに私も焦りました。
数回のスカイプ全然練習が足りず、あらかじめ渡した質問リストの回答をビデオ録画してもらい、それについてアドバイスを重ねました。(日米の時差があったので、この方法がベストでした。)
弟は自分の専門領域に非常に強かったこともありますが、あの英語力でどうにかグローバル企業の英語面接も無事突破し、今でも世界中で名を聞く大手製造業で働いています。
同じ質問に対し、納得のいくまで練習しては撮り直し、自分で”これでよし”と思えるまで徹底的にやってみましょう。
それだけでも、自信と心の余裕が生まれ、挙動不審ではなくなるはずです。
外資系企業の面接攻略の心得③ 強調したい点は企業理念に沿ったコトバで繰り返しアピール
例えば、コンサル業界でよく使われるBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング )というコトバ。
厳密には定義が異なるものの、企業によっては、同じようなプロジェクトを、プロセス改善やビジネスプロセス管理と言ってみたり、企業ごとに「企業言語」があります。
企業言語は、その会社の求人情報やホームページ(理念や業務内容・部署紹介)をみれば頻出で出てくるので、察知するのは比較的簡単です。
例えば、アップルのミッションの場合、CEOなどの発言から、“ to bringing the best user experience to its customers through its innovative hardware, software, and services. ”(革新的なハードウェア、ソフトウェア、サービスを通じて最高のユーザーエクスペリエンスをお客様に提供)という企業理念が挙げられています。
つまり、例えば以下のような企業言語を使用しつつ、あなた自身の経験や付加価値を加えて面接に望めば、面接官の印象に残りやすいのではないでしょうか?
面接官の頭にすっと入ってくる、同じ企業言語で、強調すべき資格や長所は繰り返し述べていきましょう。
外資系企業の面接攻略の心得④ 弱みや欠点は言わない。聞かれたら、長所につながるような弱みをいう。
このような「あなたの長所と短所は?」という質問は、パーソナリティや適性判断に使われる典型的な質問です。
海外で採用面接などに関わることもあり、気づいたことがあります。
日本人は書類も面接もとても正直で謙虚な方が多いですが、海外勢は自分を売り込むことに徹し、弱みや欠点は死んでも言わないのです。
いい短所の例として、「時々週末でも寝食を忘れて仕事や勉強に没頭しすぎてしまい、ワークライフバランスがとれなくなることです」などがありますが、これを聞いた面接官の心象は悪くなると思いますか?
逆に「この人は情熱を持って業務をこなしてくれそうな雰囲気だなあ」となるでしょう。
私の場合、具体的には、よく以下のような感じで答えていました。
いずれも、ハードワーカーだということを暗に褒めのかしつつ、時間管理の努力もしていると示唆しています。(実際その通りなので、説得力が出たのだと思います。)
どうしても、長所につながる短所が見つからない場合は、それを改善するためにどのような解決策を持って、日々取り組んで成果をあげているか、それを説明できれば評価されるでしょう。
例えば、「今は英語が苦手だけど、TOEIC800点を目指して、週に3回英会話学校に通い、前回の試験では100点も点数が上がった。年内(半年以内など)にはこの数字を達成する計画である。」とかですね。
外資系企業の面接攻略の心得⑤ 面接官への質問を2−3つほどあらかじめ準備しておく。
最後に必ず聞かれる、「何か質問はありますか?(Any Questions?)」の一言。
必要に応じて、事前に面接中にメモをとってもいいか聞き(私はいつもとりますが問題ありません)、メモの内容とあらかじめ用意していた質問を融合させて、最後の質問をします。
この最後のやりとりで、その企業の仕事に対する動機・意欲・向上心・情熱・適応能力などが伝わることもあるので、「特に質問はありません。」というもったいない回答は避けましょう。
例えば、以下のような質問などができるかもしれません。
これらの質問は、面接最後のやり取りの中で、最後のロスタイム的な自己アピールの機会を生み出してくれます。
ちなみに、私がよく使った質問には、例えば、以下になります。
入社後、そのポストで期待されることや、実際に何をもって成果とするのかを具体的に聞いたことで、仕事に対して情熱的・実践的でかつ成果重視な人材だと思われたようです。
まとめ
初の有料noteをご購入いただきありがとうございました。
今回は、新卒・大手外資系コンサルに始まり、欧米生活15年で様々な海外転職をした経験から、外資系企業の面接攻略の4つの心得についてざっくりと共有しました。
個人的な経験ベースですが、面接準備の参考になれば嬉しいです。
具体的な質問などがあれば、以下よりお気軽にご連絡くださいね。
あなたの活躍を心から応援しています。