ばっしー応援記③ Mリーグ第2期(レギュラーシーズン後半)
今回はこちらの記事の続きを書きたい思います。特に断りが無い限りは画像に直接リンクを貼りつけております。(Mリーグ実況アカさんから多くの画像を利用しております。)
第11章 2020年1月14日
2020年が始まってからのMリーグの試合。パイレーツの試合が無い日はパイレーツが棚ぼたで順位を上げていたが、肝心の試合日であまり宝を持ち帰れずにいた。1月13日の試合ではアッキーナがかなり優位になっていたが、惜しくも寿人に負け、2着でフィニッシュ。状況を打破したい中で2戦目、船長が舵をとったが、まむたんとのツモ勝負でことごく負け、まさかの最下位。
そんな中で1月14日の試合がやってきた。先発はばっしー。
序盤はそれほど悪い展開でもなかった。しかし、この2本場の親番のときに黒沢さんに12000を放銃してから一気に空気がおかしくなってしまった。黒沢さんが得点を伸ばし続け、ばっしーが高打点の手に放銃し、気づいてみたらこんな状況に。
最後は満貫和了することができたが、先ほどの写真の状況からすると地獄でしかなかった。チームとしてマイナスがかなり大きくなったのはもちろんだが、ばっしー個人としてもダメージがかなり大きかった。年をまたいで3連続ラスを引いた事実も痛いが、東場の親番でいい位置につけていたことも考えるとどう見ても最低でも2着はGetしないと今後まずくなりそうな場面だった。しかし結果はラス。これはどう見ても放牧案件だ。この第1試合の後、残り33試合を残して結果的には四選手の登板は船長13、あさぴん14、ばっしー3、アッキーナ3という偏った采配になったが、ばっしー党の自分としても「ばっしーに飢えてるから、ばっしーをもっと出してくれ」と声を大にして言えるような気持ちにはならなかった。
船長のまさかのラス、そしてばっしーの個人3連続めのラスで一気にパイレーツ号はピンチに!
そんな状況の中、あさぴんは静かに闘志を燃やして試合前の対戦選手の控室に入っていた。
あさぴんが北家となり、4番目に対局の麻雀卓へ入場していく。
今シーズン序盤の不安定だったころの彼の表情とは見違えるほどだった。理不尽なゲーム展開でケガをした船長とばっしー。「絶対に許さねぇー」そういう心の中の声が言っているように感じた。
どうしてもこの半荘はトップをとって、上位チームとさらに引き離されないように食らいついていきたい状況だった。結果は…
トップをとることができた! この試合でトップをとることの意味。それが非常に大事だったことは、思わず目頭を押さえたこの写真を見てもよくわかるだろう。大きなものを背負って出場したこの第2試合。トップを持ち帰れて極限の緊張から解放された彼の心情がよく表れた瞬間だった。
この第2試合で一気に僕はあさぴん沼に引き込まれることになった。それと同時にMリーグ自体の沼にもさらに深くはまってしまった。
去年の年末ごろまでは基本的にじっくりの観戦は見逃し視聴がメインで、しかもパイレーツのメンバーが連対以上の成績をとったときのものを中心に見ると自分の中で線引きができていたほうだった。だが、この日を境に、あさぴんの試合は全部見たい! そしてできればリアルタイムでサポーターのみんなと感情を共有したい! そういう気持ちにどんどん流されるようになっていった。
かなり長くなってしまったが、それだけ僕にとって2020年1月14日という日は強く印象が残った1日のうちの一つだったのだ。
第12章 1月後半のあさぴん
ここでは1月後半のあさぴんの試合のうち、僕が印象に残った試合を2試合ピックアップしようと思う。
まず1つめは1月17日の第2試合。次のオーダーが発表された。
昭和60年代生まれの3名が激突するかなりの好カードだ。前の登板でトップを勝ち取り、直前の試合で船長が風林火山をかわして6位に浮上したとはいえ、まだまだ予断を許さない状況だ。当然力みが出るものだ。
今夜もすごくいい表情をしている。勝負師の顔だ。
ゆーみんと翔ちゃんとあさぴんに亜樹さんが迎え撃つこのカード。案の定試合は小場の展開になった。南1局で亜樹さんに満貫を放銃して三つ巴になりそうな様相だったが、ラス前でアガリをとり、なんとかくらいついていく。
トップからラスまで2000点もない熱戦だ。こういうときの親番は不利に働く可能性を十分秘めている。翔ちゃんとあさぴんのリーチ、亜樹さんの押しに大長考に沈むゆーみんの表情もこの試合は印象深かった。
結果は亜樹さんが翔ちゃんに満貫を直撃し、亜樹さんの勝利。
手に汗握る一戦とはまさにこのことだ。セミファイナルの結果によりパイレーツともにフェニックスとABEMASもファイナルステージに進出となった。つまり、またこのゆーみん、翔ちゃん、あさぴんが激突するカードがファイナルステージで実現するかもしれないということだ。この記事を執筆している最中に週刊誌の記事が発表されたが、週刊誌の記事とは無関係でこの直接対決の再来は個人的には期待している。ぜひ実現したらこの日の忘れ物を取り返してほしいところだ。
2つめは名勝負と語り継がれるべきであろう、1月30日の第2試合。この日はパイレーツのPV開催日でもあった。
直前の第1試合で自身でラスをひいてしまい、この半荘で逆連対を引いてしまうと-200圏を下回り、ドリブンズに捲られることがかなり現実的になってしまった風林火山のタッキー。ここは何が何でもトップが欲しいところだ。
この日のタッキーは明らかに普段の平静なタッキーではなかった。
なりふり構わず仕掛けるスタイル、そして感情を抑えきれず時おり涙目になるタッキー。
その気持ちも当然だ。風林火山の予選敗退の原因にはいろいろな原因があると思うが、12月16日の歴史的な大敗を喫してからずるずるとここまできてしまっている状況。タッキーだけに責任があるわけでは決してないが、この大敗がその後の風林火山の状況をなかなか打開できなかった根源のひとつで有る可能性は高いわけで、何としてもトップを持って帰りたかった。
トップを取りたい気持ちはあさぴんも同じだ。なかなかマイナス圏から安定して脱出できずに悶々とした日々。二年連続の予選落ちだけは絶対に避けなればならない。
この日はタッキーに加えてずんたんも同卓していたので、あさぴんも加わって感情むき出しで勝負する男性3名に、冷静に勝負する茅森さんという構図となった。
この日も比較的小場で進んでいった。小場になると一局一局の打牌選択の重みがいちだんと重くなってくる。
南3局1本場でテンパイが入り、立直に踏み切るべきか悩むあさぴんの様子。前を出たいけど放銃はしたくないという思いなのだろうか。表情をゆがめながら長考する姿に僕は涙していた。この局は流局に終わったものの、続く2本場でアガリをものにし、またまたしびれるオーラスの親番が回ってきた。
なんとしてもひとあがりしていったんトップにあがっておきたい!
しかし、結果はずんたんに劇的なハイテイチンイツツモで3着にダウン。
悔しい着順落ちになってしまった。2試合続けての着順落ちで不穏なムードが漂っていたが、この日のあさぴんの試合後の表情は勝負に負けた者として美しかった。
そして画像こそはあげていないが、茅森さんの意思がある麻雀もとてもよかった。この試合が終わってからTwitterのTL上は「ベストバウト」だという絶賛の声が駆け巡った。僕もこれには賛同する。四者が四者ともそれぞれの麻雀をそれぞれの熱いハートで闘牌していた。誰一人欠けてはいけない対局だったと思う。時がしばらくたって今シーズンの対局を見直そうと思い立ったときには、この試合が選ばれる可能性は大いにあるだろう。それくらいに試合後も興奮と涙が止まらなかった。
第13章 暗黒の2月期①
望んでいた結果が得られない夜もあったが、船長とあさぴんが中心となって登板し、1月期は若干のプラスで終えることができた。しかし、あさぴんが1月の時点で常に150%くらいのエネルギーを使って試合に臨んでいてまだレギュラーシーズン22試合も残っている。必死になって耐えているあさぴんの姿に何とかばっしーやアッキーナがこたえてあげたいところだ。
2月初日の試合。PV開催日のこの日に放牧明けのばっしーがコールされた。このようなツイートとともに。
この日は序盤からばっしーらしさが出ていて、大きなリードではないもののばっしーが主導権を握る展開だった。
しかし、オーラスあと一歩のところでまむたんの立直につかまってしまった。しかもウラウラで。
ウラウラをみて「げっ」という心の声が聞こえてきそうなばっしー。
待ちはよくないが、オリるにも十分オリきれない手牌。状況がよろしくないときはこういうものだったりする。まだまだチームポイント的には悲観するような点数ではないが、ばっしー個人でレギュラーシーズン、プラス圏で終えられるかどうかに黄信号が灯った試合だった。
日吉さんをUNEXT本社に幽閉してのPV開催となった2月15日、まむたんとの殴り合いを制してトップをとったあさぴんからアッキーナにバトンがまわってきた。
四戦ぶりにパイレーツ号がプラス圏に回復して、安定圏に入りたいところだったが、
しかしオーラスの親番でおかぴーにアガリを決められ、ラスでフィニッシュ。あさぴんに続くことはできなかった。この日アッキーナはPV会場で明るくふるまう一方、控室ではかなり落ち込んでいたようだ。
第14章 暗黒の2月期② ~ついに歯車が狂うとき
ついにレギュラーシーズンも残りあと10試合。時は2月24日。
そう、ここまで暫定5位~8位の4チームの対戦カードで、結果によっては残りの試合に大きな影響が出そうな対戦カードなのだ。
予告先発によりコールされたあさぴんからこのようなツイートがなされた。
このツイートを見た時、自分は街中の地下街にいたが、これを見て僕は「燃え尽きてしまわないか」不安に感じざるを得なかった。
とはいえここまで1か月以上、先陣切ってパイレーツ号の舵をきってきたあさぴん。パイレーツ号の幸運を祈った。
しかし結果は連続でラス。この日はあさぴんの粘りに行く麻雀のスタイルが裏目に出てしまう日であった。
とはいえ、まだまだドリブンズよりも上位だ。何とかレギュラーシーズン突破を! 次の2月27日の試合ではばっしーがコールされた。
しかし出だしよーいドンから国士無双の親被り。ばっしー自身は悪くないが明らかにこれは持ってない。
そして、前のめりにならざるをえなかったところからの12000放銃。開始四局であらかたの勝負が決まってしまった。
呆然とした表情のばっしー。残り試合数やチームの状況的にも残りあと2試合以上ばっしーが登板する可能性は限りなく低く、このラスにより今シーズンもレギュラーシーズンをマイナスで終えることがかなり濃厚となった。
できるなら、直近の試合で連続ラスをひいた満身創痍のあさぴんに辛い思いはさせたくなかった。
でもチーム状況がそれを許さなかった。2月28日と3月3日もラスとなり個人四連続ラス。特に3月3日の試合はラス親のオーラスにハコラスを受け入れて多井さんに差し込むという辛い選択をせざるを得ない状況だった。
ここへきて、ばっしーとアッキーナが年明けて以降、納得の結果が得られてずにここまで来てしまったという事実がじわじわと効いてきている。メンタルに一番左右されるべきでないチームカラーのパイレーツが、メンタルで負けている。
僕も正直なことをいうと、3月3日から3月5日くらいにかけてはかなり心が病んでいた。もしレギュラーシーズンで万が一敗退してしまったら僕はばっしーになんて声を掛ければいいのだろうか。そういうことをけっこう真剣に考えたりもしていた。とにかくレギュラーシーズン最終盤は船長の幸運をただただ祈るしかなかった。
第15章 剛さんはパイレーツ号の最後の砦です!
そしてついに訪れた決戦の金曜日。予告先発は当然の船長だ。
思えば2月は、ばっしーがトップ目前でまむたんに親満放銃してパイレーツ号が失意に沈んだ夜も
ゆーみんに東発から国士無双を上がられて親被りしてラスを引いた夜も、第2試合に船長が出陣して待望のトップの宝箱を持ち帰ってきてくれた。
そして、敬礼ポーズがみられる勝利者インタビューでは日に日に船長のお言葉の重みがサポーターにとっても他の3選手にとっても大きなものになっていった。
最初は「自分がいちばん最年長だから仕方なくリーダー」みたいな感じだったけど、もはや剛さんは名実ともにパイレーツ号の船長(リーダー)だ。あさぴんとばっしーがダウンしている今、一番頼りになるのは船長だ。
いつもよりも少し気合の入った表情で試合が始まった。
しかし、東発から瀬戸熊さんが倍満ツモで先行される展開に。
ひなたんも順調にアガリを重ね、東場では得点を減らしてしまっていた。このままでは連対すら怪しい状況だ。南一局でようやくアガリを手にして迎えた南場の親番。
うっちーから立直の声がかかり、現状ノーテンの船長がもってきたのは8m。うっちーには通っていない危険牌だ。安全に行くのであれば現物の3mをきって七対子で聴牌を目指すという手段もあるが、船長はここで8mをツモ切った。
たしかに、この親番が流れるとトップが少し厳しくなる状況だったが、8mをツモ切った船長に覚悟を感じた。そして、8mを切った直後にカメラがとらえた船長の表情が実によかった。
何とか聴牌が間に合って迎えた次の南2局1本場もすごかった。清一色なのか混一色なのかという手で、この赤5sをかなり悩んで切った図もかっこよかった。僕みたいなド素人目線だと8mとか切りたくなってしまう。しかも結果的にこの赤5s切りが瀬戸熊さんに2sを打たせない効果をもたらして結果的に親が流れるのを阻止しているのだからまたすごい。
今夜の船長は明らかに温度が高い。こんなに温度が高い船長を見るのは初めてだ。普段は寡黙で冷静で感情を表に出すことがあまり多くない船長。ただこの日の夜は違った。「どうしてもセミファイナルに進みたいんだ!」そんな船長の強い思いが隠しきれていない。そういう気持ちを想像していたら勝手に僕の目には涙がたまっていた。
流局の後の次の南2局2本場をあがり、南2局3本場に向かおうとしているときの図。南場が始まる前までは2着とも2万点近く離れていった点数だったが、そこから4局連続で加点に成功し、じわじわとトップに追いつく船長。このアングルの船長の背中が実にかっこいい。画面には見えないすっごく大きなものを今船長が背中に背負っているのだ。
そして南2局3本場もあがり、ついにトップにたった船長。小刻みにジリジリとトップと点数を詰めて終いにはトップにたつのが実に船長らしくていい。トップにたった時の船長の背中はさっきよりも何倍も輝いているように僕には見えた。(もちろんこの試合はリアルタイムで見ていたが、もうこのあたりはずっと涙腺崩壊していた記憶しかない)
その後は無事に局が終わり、値千金のトップを勝ち取った船長。
選手によっては感極まっては泣き出しそうな選手もいそうだが、船長に至ってはそんなことあるまい(逆にそんなことがあったら逆に船長が心配になってしまう。) でも、やはりトップの価値が限りなく大きかった一局。そのことをこの船長の満面の笑みが物語っている。
第2試合も船長が連闘。第2試合もあまり恵まれない展開だったが、ラスはひかずにパイレーツ号の2019年期レギュラーシーズンが終了した。
レギュラーシーズン最終戦となった3月9日。第2試合でオーラス、ずんたんがツモすれば逆転でドリブンズが通過となったが、和久津さんが勝又先生に放銃で試合終了。パイレーツが首の皮一枚つないでセミファイナルへ進めることとなった。
第16章 ドリブンズを襲った圧力
2月24日から3月3日までのパイレーツの状況はお世辞にもいい状況とは言えず、-200p超での着地となったが、それでも最終的にセミファイナルへ進めたのは、やはりドリブンズを襲った他からの圧力があった。
まず3月3日の第2試合。
前巡で6pを選択して打牌したソノケンは白をツモり、あがり逃しをしてしまう。白が他家にもたれている場合には、3pと白のシャボは出あがりが期待できない状況であるので、25p待ちにするのが自然だと思うが、このツモ白は痛い。
そしてゆーみんが四暗刻をツモって、ソノケンは親被りとなってしまった。決してゆーみんはソノケンを陥れる目的で打牌をしたわけではないが、この点棒のやりとりは結果として痛かった(防ぐことは難しかったと思われるが)
次に3月9日の試合。
この日は風林火山が勝又先生が連闘となった。おそらくこの日が2019シーズン最終戦になるであろう風林火山にとって、タッキーも亜樹さんも出場せずというのは明らかにチームとしてドライだった。勝又先生は残飯処理係なのか。そういう辛い気持ちになった。
しかし、この日の勝又先生は自分の美学を貫いて最後まで参加する麻雀、あがりに向かう麻雀を打ち続けた。リーグ戦の終盤でボーダーライン通過がほぼ目無しになってしまったときの打牌のあるべき考え方は麻雀というゲームの永遠のテーマだ。
勝又先生も決してずんたんを陥れる目的で打牌をしたわけではないが、パイレーツにとっては結果として勝又先生の最後まであがりに向かう麻雀に助けられることとなった。
そして最大の圧力がこれだ。
おそらく誰もが印象に残っている2月25日に発生した「うっちースッタン放銃事件」だ。まさに「うっちーの乱」だ。
南4局0本場で勝又先生に聴牌を入れさせるような牌を終盤選んで切ったという背景があってからのこのスッタン放銃。この事件により雷電はだいぶポイントに余裕ができ、そしてスッタンを放銃したサクラナイツ自身も敗退ラインが放銃しないときよりも遠のいたという珍現象が発生した。
ドリブンズと風林火山にとっては悪夢でしかなく、非常に大きな分岐点だったと思う。
第17章 セミファイナル進出が決まって思ったこと
確かに3月6日の船長はかっこよすぎたが、完全に実力でセミファイナルへの切符を勝ち取ったとは言い難い状況であった。うっちーの写真をつけて、うっちーのタグ付きで所感をツイートしたら、サクラナイツのサポーターと思わしき方々からいいねや足跡を大量にもらって驚いた記憶がある(最終的にインプレッションが20500くらいまでいった)
ばっしーもいろいろと思うところがあったのか、セミファイナルへ向けて、こちらの決意表明。まさかここから本当に「俺たちの怒涛のばっしータイム」が始まるとはこのときは全然想像できていなかった。
レギュラーシーズンの応援記はここまでになります。長文ここまで読んでいただきありがとうございます。できればセミファイナル編もファイナルステージが始まるまでに完成させたい。何せセミファイナルこそが「俺たちのばっしー」の一番かっこいいところだったから。
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