メリー・クリスマス・サンタ・ガールズ #パルプアドベントカレンダー2024
BEEP!BEEP!赤い非常用サイレンが回り、警告音が鳴り響く。
「ハァーッ!ハァーッ!」
非常事態と思わしき施設の廊下を、ひとりの男が駆けて行く。整えられた頭髪と口髭、質の良いスーツと身なりからは男がそれなりの立場の人間だという事が推測出来る。そんな男が無様に両腕をじたばたと振って、脂汗をかきながら走っている。
「ハァーッ!ハァーッ!チクショウ!なんだと言うんだ……!」
ロックされているらしい扉の前までどうにか辿り着き、震える手でコンソールを叩く。何度かミスをしたものの、回数制限でシャットアウトされる前に何とか正解の番号を入力する事に成功する。
扉が開くと、そこは何かしらの作業室の様だった。男はどたどたと室内へと入り、『解析中』というホログラムが投影されている機械の前へと走っていく。ホログラムに構わず機械を操作してそこから1枚のディスクを取り出した。
「よ、よし。これさえあれば……!」
「あの」
「ヒッ!?」
男がディスクを懐に仕舞おうとしたその瞬間、背後から声。男は肩をびくりと震わせて恐怖しているようだが……いや、しかし?今の声は明らかにか細い少女の声だ。……にも関わらず、男の方はまるで腕利きの殺し屋にでも背後に立たれているかのような反応だ。
「き、貴様ッ……ど、どうやってここまで……!?こんなに早く……!」
「それは……あまり、言いたくありません。それで、私の目的は分かりますよね?」
「クゥッ……!」
背後に立つ少女から静かな圧力を感じ、男は奥歯を食いしばる。少女の目的は十中八九このディスクだ。だが、このディスクを渡してしまえば上層部から見限られ、出世コースから外れる事になるだろう。そうなってしまえば……目も当てられない。辿り着く場所と言えば、良くてエビ剥き工場か野良ハッカー……最悪、ホームレスになりかねない。それだけは何としてでも防がなければ!
「…………わ、わかった!渡す!」
「ほっ……話の通じる方で良かったです。では——」
「ああ……渡す、渡すよ……。コイツをなァ!」
男は振り向き様に懐から銃を取り出し、背後の少女を——……撃つ事は出来なかった。何故なら、男の前腕は綺麗に斬り飛ばされていたからだ。男がそれを自覚したのは、その斬り飛ばされた腕が彼の背後に落下してきた後の事だった。
「ば、ばばバカなーーーッ!?これはダイレクトリンク型の最新モデルだぞ……!剣なんぞに後れを取るワケが……!」
「関係ありませんよ。私にはそれは通用しないです。それに……残念です。折角“こんなコト”しなくて済むと思ったのに」
「ハッ!?」
腕を押さえて蹲る男に、冷ややかな少女の声が降り注ぐ。それから、金属が空を切る音。男はこれから何が起こるのかを察して慌てて顔を上げるが——。
シャン!
遅かった。彼の首が腕と同じく綺麗な切り口で身体から滑り落ちる。涙と鼻水、涎で塗れた汚らしい……身なりの整えられたその頭を見ないようにしながら、少女はその主を失くした手からディスクを取り上げた。
「ハァ……結局今回も穏便にはいかなかったな……」
『無理でしょ、どう考えたって。良いから帰るよ!急がないと増援が来る!』
「はぁい」
少女の脳内に仲間らしき女の声が響き、その声に従い少女は部屋の出口目がけて駆け出した。そして、先程振るったカタナを一番手近な窓へと突き立て、いとも容易く割り砕き、飛び出した!
時刻は夜だが、トーキョーは眠らない街だ。眼下に見えるのは全てが寝静まった静寂ではなく、喧騒とネオン光。少女は銀髪をはためかせながら壁を蹴り渡り、その音と光の中へと消えて行った。
◆◆◆
「………………」
ボロを纏った子どもがひとり歩いている。ボロを纏っている事からも分かる通り、恐らくは豊かな生活とは縁遠いのだろう。道行く人々は子どもに見向きもせずに通り過ぎていく。それがこの街の普通だからだ。この子どもとて、それは分かっているし、それについて恨めしいと思う事すら無い。
「…………」
子どもの瞳は、とても子どものそれではなかった。油断ならない、狩人の瞳。それが、獲物を捕らえた。
「うう……」
「この状況でよく食えるよな……何本目だよ、そのミタラシ」
「落ち込んだ時こそいっぱい食べちゃうんだもん……」
獲物は甘味処らしき場所で食事をしているふたりの女。銀髪と金髪の目立つふたり組だ。目標は、銀髪の女が腰に下げているカタナ。見たところ、今時珍しい実刃のカタナだ。きっと高く売れる。子どもはゆらゆらと女に近付いて行き、擦れ違い様にその腰に携えられたカタナをするりと抜き取る、と同時に脱兎の如く駆け出した!
「あッ!?」
「ん?」
背後で女が素っ頓狂な声を上げたのが聞こえたが、子どもは止まらない。姿勢を低くして、往来の人々の膝くらいの高さをするすると抜けていく。目にも止まらぬ早業だ。一瞬で喧騒の中へとその身を溶け込ませた子どもは、十分に距離を取ったと思ったところで人混みから抜け出して路地へと入り、戦利品をよく見ようと取り出した。
「へへ……これを売ったら、きっと……!」
「売られたら、すっごく困っちゃうからやめてほしいな?」
「エッ!?」
子どもがギョッとして顔を上げると、そこには先程のふたり組の内のひとり——銀髪の女が立っていた。そんなバカな!?まさかピッタリとついてきたとでも言うのか!?確かに不意を突いたハズなのに!
「それね、お姉ちゃんの商売道具なんだ。だから、持って行かれちゃうと困るの」
「…………!」
しゃがみこんで子どもに目線を合わせながら諭すように話す女に対し、子どもは驚愕とそこに付随する恐怖のあまり口をぱくぱくと開け閉めする事しか出来ずにいた。髪に隠れていて気付かなかったが、よく見れば女は隻眼であり眼帯を付けていた。そんな非現実的な彼女の見た目が、また子どもの驚愕と恐怖を助長していた。そこへ、また別の声が割り込んでくる。
「キズナー!ッとと……あ゛~……やっと追いついた~……!」
「あっ、リンちゃん」
キズナ、と呼ばれた銀髪女が新たにやって来た金髪の女——どうやらリンという名前らしい——に振り向いて応ずる。相手が後ろを向いた今が逃げるチャンス、と言いたいところだが……背後は行き止まり、往来へ戻ろうにも相手がふたりに増えてしまってはそれも叶わないだろう。子どもは最早観念するしかなかった。
子どもは護身用と言うには長すぎる得物を女に渡す。こんなものを持ち歩いている人物がまともとは思えない。断れば何をされるか……いや、素直に従ったこの状況ですら、全く安全とは言えない。この後、無事に解放してくれるかどうか……。
「こンのクソガキ!余計な時間使わせやがって!」
「まぁまぁリンちゃん……こうして返してくれたんだから」
「アンタは甘すぎンの!そもそも人様のモンを奪るってコト自体がだなぁ……」
「それに関しては私達もあんまりどうこう言えないような……あはは」
リンが、子どもをボカッと殴り説教をし、キズナがそれを宥める。すると、今度はキズナに飛び火した上でさらにくどくどと説教が続く……かと思われたその時——。
「オイ!見つけたぞクソガキ!!」
「えっ?わっ……」
人混みから現れたのは数人の男達。全員が似たようなスーツを着込んでおり、その襟には特徴的な「鮫」の字があしらわれたバッジを付けている。ヤクザだ。
「テメェ、ウチのモンからスッたディスクはどこにやりやがった!?」
「う、し、知らねェ……」
「口を割らねえつもりか?だが関係ねェ……テメェを捕まえて……あン?なんだ女?」
子どもを捕えようと手を伸ばす男の前に、キズナが立ちはだかった。彼女よりも数十センチ高い男相手に、一歩も引かずに。
「何のつもりだ?人助けか?それとも、コイツの身内かなんかか……?」
「さっき知り合っただけですよ。でも、詳しく話を聞きたいなと思いまして」
「あァ?」
ヤクザとやり取りしながら、キズナはちらりとリンに目配せする。リンは視線だけで全てを理解したとでも言うように頷くと、子どもの近くへと自然に移動する。
「ディスク……って言ってましたね。さっき」
「だからなんだ?テメェに何か関係あるッてのか?」
「そのディスクって、タケミ・インダストリから回収を命令された物だったり?」
「……なんだ?何者だテメェ」
「タケミ・インダストリ」の名を聞いた途端、イラついていた男の表情に警戒の色が混ざった。タケミ・インダストリはトーキョーでもかなりの力を持つ超巨大企業だ。その企業が、ディスクを欲しがっている。キズナはその事を知っていた。なぜならば、何を隠そうタケミ・インダストリからディスクを奪い返してほしいという依頼を受け、それを先程達成したばかりだったからだ。……もっとも、依頼完了前にディスクを落としてしまい、それを探している最中だったのだが。
「ゴチャゴチャと鬱陶しい女だな……おい、さっさとコイツをどかせ!」
「ヘイ……アニキィ……!」
男の背後から2m程の巨体を持つ男が現れた。明らかにサイバネ改造を施された巨体だ。それも、最新鋭の正規品……というスマートな感じもしない。そこかしこから配線やパイプが飛び出し、時折蒸気を放出している。粗悪な手術でとりあえず装着したのだろう。
「あ、あわわ……!に、逃げないと……!」
「は?ヘーキだよ。それより、ディスクって何?どれ?ちょっと見せな」
「へっ?い、いいけど……ッて、それどころじゃ……!ああッ!?」
子どもは大男を見て震えあがるが、リンは全く動じていなかった。それどころか、キズナの心配すらしていない。あまつさえ、彼が盗んだというディスクに興味津々と言った様子だ。子どもはそんな彼女の落ち着きっぷりに感化され、一瞬落ち着きを取り戻したが、その大男が腕を振り上げるのを見て、再び声を上げる。屈強なそのサイバネアームで、非力な少女は成す術無く叩き潰されてしまうのか!?
「は?」
「えッ?」
だが、そうはならなかった。一瞬の間の後、ヤクザの後ろに倒れ込む大男と着地する少女。そこに至りようやくヤクザと子どもは理解した。この大男をこの銀髪の少女が殴り倒したという事実を。
「ばッ、バカなッ!?」
「すみませんけど」
「ひッ!?」
「ちょっと寝ていてくださいね」
それから数十秒とかからずに、キズナはその場にいたヤクザ全員をのしてしまった。あっという間の早業に、子どももただポカンと口を開けてその様を見ている事しか出来なかった。
「ふぅん。確かにこれ、アタシらが探してるディスクだ。ほら、キズナ」
「私達、このディスクをさっき落としちゃったんだ。それで、今探してるところだったの」
その間にディスクを調べていたリンがそう言うと、ヤクザ達を倒したキズナも戻ってきて、リンが放って寄越したディスクをキャッチしながらそう説明した。彼女には傷ひとつ、呼吸の乱れひとつも無く、とてもヤクザ数人を倒してきたようには見えなかった。ちょっとゴミ捨てをしてきた……程度の雰囲気だ。
「それで、どうして君はこんな危なそうな相手からスリなんてしてたの?」
「う、それは……」
私達はともかく……とキズナが聞くと、子どもはバツが悪そうに口籠る。優しく子どもに問うキズナの背後で、リンが溜め息混じりに眉をひそめる。
「キズナ……またそうやって厄介事を引き寄せそうなコトを……」
「だ、だって気になっちゃったんだもん……。大丈夫!ちゃんとお仕事もするよ!」
「ハァ……ま、イイケド」
リンはいつもの事、とでも言いたげに手をヒラヒラと振って諦めた様に話を終わらせる。そして、キズナは再び子どもに向き合うと、彼は意を決したようにボロのフードを脱いで素顔を見せた。
「お、オレ、ショウタロウッて言うんだ!おふくろが病気で……金がいるんだよ!だからッ、その……」
「お母さん、何の病気なの?」
「わ、わかんね……でも、医者に見せるのにも金がいるから、それで……」
「そっか、わかった」
ショウタロウの頭を優しく撫でるキズナと片手を額に当てて溜め息をつくリン。リンには彼女がこの後何をしようとしているのかが手に取るように分かる。分かるから、溜め息をつきたくなるのだ。
「わ、わかった……ッて……?」
「私達に任せて。ショウタロウくん」
「ちょっと、キズナ」
リンがキズナに声をかける。彼女の視線を追えば、路地の前に黒塗りの車が何台か集まってきているのが見えた。恐らく、先程のヤクザの仲間達だろう。キズナはリンに目配せする。
「リンちゃん。ショウタロウくんのコト、お願い」
「ハァ……ハイハイ、お願いされてやるからさっさと済ませてよね」
「え、あの……」
「また後でね、ショウタロウくん」
ショウタロウが困惑している間に、キズナは腰のカタナに手をかけ勢いよく路地から飛び出した!
「なッ!?」「コイツだ!撃て撃て!」「死ねーーーーッ!!」
BRATATATATA!!ヤクザ達が飛び出してきたキズナに集中砲火を浴びせるが、ジグザグに回避しながら接近するキズナにはかすりもしない!
「たァッ!」
「~~~ッ……!!」
キズナは手近なヤクザに向かってカタナを鞘ごと叩きつけた。脇腹に硬質の鞘を叩きつけられたヤクザは吹き飛び気絶!だがしかし、いくら勢いをつけた一撃と言えど、少女に男を吹き飛ばす程の力が出せるだろうか?
そう、先程大男を倒した時と言い、彼女の膂力は異常だった。まさか、彼女もサイバネによる改造を?否!そのようには見えない。だが、これは?この異常な力の出所はいったい!?
「な、なんなんだコイツは!?」「力だけじゃねェ!速さも異常だ!」「まさかエクステンド(サイバネ拡張者)か!?」
ヤクザ達も彼女の異常さに気付き始めたらしく、徐々に及び腰になっていく。だが、退いて行くヤクザ達の中からひとりのヤクザが前へと歩み出る。
「お前ら下がれェ。俺がどうにかしてやる」
「アニキ!」「サメジマのアニキ!」「ヤッチマッテクダサイ!」
そのヤクザはまるで鮫の様な顔をしていた。それは比喩ではない。本当に人間と鮫を掛け合わせた様な顔をしているのだ。現代ではバイオ手術により、動物と人間の特徴を掛け合わせた姿と力を得る者がいる。サメジマもそのような人間のひとりだ。彼は鮫の特徴を持つ。それは凶暴性、筋力……そういったものだ。
「女の肉は柔くてなァ。近頃はご無沙汰だったんだよォ……なァ……?」
「…………私、多分美味しくないですよ?」
「どっちでもいいんだよォ!そんなこたァ!」
キズナの言葉に激高したサメジマは勢いよく彼女に掴みかかってきた!キズナはひらりと空中に身を躱し、すれ違いざまにサメジマの延髄に足刀蹴りを叩き込む。……だが、手応えがおかしい。キズナは訝しんだ。まるで固いゴムの塊を蹴ったような……。
「捕まえたァ」
「!」
気付いた時には既に足刀蹴りを放った脚をサメジマに掴まれていた。サメジマはそのままキズナの身体をぐるぐると軽々と振り回し、その勢いのまま彼女を持っているのとは逆の拳を叩き込んだ!およそ人体が発する音とは思えない重い衝撃音と共にキズナが吹き飛ばされる。
「ウオオーッ!」「流石サメジマのアニキ!」「サメガワラ組の若頭は伊達じゃねェッス!」
「…………チッ」
今まで自分らが手も足も出なかった相手が、逆に吹き飛ばされる姿に興奮したヤクザ達が口々にサメジマを称賛するが、当のサメジマは不満そうに舌打ちをする。彼の視線の先、キズナは膝立ちで着地していた。いかにして彼女はサメジマの強烈な一撃を凌いだのか?
サメジマの拳が撃ち込まれる瞬間、キズナは拳と自分の身体の間に鞘を滑り込ませ、間一髪のところで受け止めたのだ。そのまま吹き飛ばされながら空中で回転して勢いを殺し、何とか着地したのだ。鞘で受け止め、空中で回転したものの、それでも勢いを完全に殺すには至らず、着地してからもかなり後方に滑ってしまった。
「……フー」
痺れる両手から相手の力量を感じ、キズナは小さく息を吐いて立ち上がる。強い。他のヤクザとは格が違う相手だ。打撃ではあの強靭な筋肉に阻まれて有効打には成り難い。キズナはカタナを腰に添え、左手で鞘を、右手で柄を持つ。居合いめいた構えだ。
「イアイかァ?サムライかァ?ハハハハッ!良いぜェ、やってみろ。俺の鮫肌はそう簡単に斬れやしねェ……俺の間合いに入ったら、次こそは逃がさねェ……!」
「私の方こそ、次は容赦しません」
キズナの言葉に、サメジマの表情が一瞬キョトンと呆けたものに変わる。それから徐々にその眼に怒りの色が滲んでいき、獰猛な牙を何度もガチガチと鳴らし始める。腕の筋肉は膨張し、次こそは確実にキズナを破壊するという意思が露わになっていく。
(こんな女が?俺に?容赦しないだと?)
女にナメられた。キズナにそのような意図は無かったが(むしろサメジマを強敵だと評価したからこその発言なのだが……)、サメジマはそのように受け取った。そして、それは彼の怒りのボルテージを一気に最高潮まで引き上げたのだ。吹き飛ばした分、サメジマとキズナの間にはかなりの距離がある。どんなに速い踏み込みだろうと見逃すハズが無い。
キズナの足に力が入る。来る!サメジマは身構える。その瞬間を必ず捉える。彼の焦点が目の前の敵に集中し、引き裂き殺すのだと両腕の筋肉がはち切れんばかりに膨れ上がる。やがてキズナは地を蹴り、弾丸の様に飛び出した!
「!?」
次の瞬間、サメジマは血を噴き上げている自分を自覚する。バカな!?サメジマは驚愕する。一瞬たりとも目を離してはいなかった。にも関わらずだ。一瞬であの距離を詰め、自分を斬ったと言うのか!?サメジマの主観時間が引き延ばされ、あの一瞬に起きた出来事がフラッシュバックする。
キズナが地を蹴るその瞬間、彼女の両足に揺らめく青い何かが纏わりつく。そして次の瞬間には、まさにただの一歩でサメジマとの距離を詰め、斬り裂いたのだ!
「あ、有り得ねェ……!何なんだ、テメェ……!」
「すみません。でも、ちょっとトクベツなんですよ。私」
キン。カタナを鞘に戻すその音と共に、サメジマの意識は暗闇の中へと途絶えた。先程まで興奮に沸いていたヤクザ達も静まり返り、静寂がその場を支配していた。遠くで鳴る喧しい企業広告や車の音や人の声が、まるで別世界の音の様だ。
「それじゃ、皆さんにも寝て頂きますね」
「ひ、ひィッ!?」「か、勘弁してくれ!」「俺達じゃ敵わねェ!」
「うーん……ダメです」
「ま、まっ……ギャアアアーッ!」
戦意喪失したヤクザ達をひとりずつ気絶させ、キズナはようやく「ふぅっ」と息をつく。見逃して、後で厄介な事になっても困る。リンがよく言っているリスクマネジメント、というヤツだ。
「リンちゃん?サメガワラ組の事務所の住所、私に送ってくれる?」
ようやく一息ついたキズナは、通信でリンに呼びかけた。
◆◆◆
「何ィ!?サメジマがしくじったァ!?」
「は、はいィ……」
サメガワラ組組長「サメガワラ・ホオジ」は咥えていた葉巻を取り落としそうになりながら、組員からの報告に吠えた。サメガワラもまた、鮫の特徴をその身に取り込んだバイオ手術施術者だ。彼の鮫めいた鋭い瞳に射竦められた組員は、自分に落ち度は無いというのに体を縮めて震えている。
「サメジマの野郎ォ……ガキ1匹捕まえるのに何をしくじる事があるッてンだ……!?」
「そ、その、それがァ……」
「あァ!?」
「ヒッ!?そ、それがですね、何やらガキを守る連中が現れたとかで……」
「その用心棒にやられてたッてか!?どこのどいつだそりゃあ!」
「私ですよ」
サメガワラが組員に詰め寄ろうとしたその時、事務所の入り口から若い女の声が割り込んできた。サメガワラも、組員も、その場に似合わないその声の主の方へと顔を向ける。果たして、そこには件の用心棒——キズナが立っていた。
「ば、バカな!さっきガキを見つけたって報告を受けたところからこの事務所までどんだけあると……」
「頑張って走りました。結構大変だったんですよ?」
「……ガキが」
組員が声を上げた通り、キズナがサメジマと戦った場所からこの事務所までは、車で40分ほどかかる。だが、まだ報告が上がって来てから5分程度。こんなに短時間でこの事務所まで辿り着くなんて、人間業ではない。
サメガワラが威嚇するように牙を剥く。だが、キズナは動じる様子は無い。いたって自然体だ。その自然体のまま、ツカツカと入口から事務所の中央辺りまで歩を進める。
「あなたが組長さんですか?」
「そうだ。まさかテメェみてェなガキにサメジマの野郎がヤラれちまうとはなァ……。何が目的だ?」
「ディスクです」
「何ィ?」
キズナは取り返したディスクを取り出し、サメガワラに見せる。確かにそれはサメガワラがタケミ・インダストリから探すよう依頼された物に相違無かった。何より、この依頼は外部には漏れていない極秘事項だ。無関係の人間が知っているハズは無い。
「テメェ……何故そいつを……」
「私の要求はふたつです。このディスクをもう追わないでほしいということ。もうひとつは、このディスクを盗んだ子どもにもう関わらないこと」
「ハッ……何故俺がテメェの要求を聞いてやる必要があるんだ……?」
サメガワラは懐から拳銃を取り出し、ゆったりとした余裕のある動きでキズナに銃口を向ける。組員も組長の動きにハッと我に返り、同様に拳銃を構える。二方向から同時に狙われる形だ。
「テメェを始末してディスクは手に入れる。盗んだガキも始末する。当然だ。あんなガキに依頼品を盗まれたとあっちゃあ、ヤクザのメンツ丸潰れだからなァ……」
「そうですか……どうしても、ダメですか?」
「当たり前ェだ!!死ねやァ!!」
BRAM!BRAM!BRAM!サメガワラが吠えると同時に、拳銃から弾丸が放たれる!組員も同時に引き金を引き、合計4発の弾丸がキズナに向けて放たれた!……が、それらが彼女に当たる事は無かった。
サメガワラが吠えた瞬間、キズナは既に床を蹴っていた。そのまま事務所の壁と天井を使いトライアングルリープを決め、組員の首に足刀蹴りをお見舞いしていた。「ギャッ」という短い悲鳴と共に、組員は意識を失いその場に崩れ落ちる。
「ば、バカな……人間じゃねェ……」
「き、傷つくコト言わないでください。ちゃんと人間ですよ」
驚愕と恐怖に冷や汗を流すサメガワラに、キズナは口を尖らせて抗議する。目の前の人物の見た目や言動と戦闘能力との差異に、サメガワラは混乱していた。狂気すら感じていた。この女が、サメジマを倒したというのか。話に聞いた時には何かの冗談だと思っていたが、いざ目の前にすると、そこには確かな説得力の様なものがあった。この女ならやりかねない。
「クッ……クソがァ……!」
「…………」
銃口を向けたままサメガワラは悪態をつく。ドン、と背中に固い物体がぶつかるのを感じた。どうやら無意識の内に後退っていたらしく、気付けば壁に背中が当たっていた。これ以上下がる事は出来ない。ジリジリと近付いてくるキズナを相手に、サメガワラはどうする事も出来なかった。まさか自分のヤクザ人生が、こんな女によって幕を引かれるとでも言うのか!?
RING!RING!RING!
その時、彼の通信端末が着信を告げる。当然脳と直結型の端末を使用している彼は、脳内でその着信に応答する。すると、見る見る内にサメガワラの顔に色濃くあった焦りが消え、それが獰猛な笑みへと上書きされていった。サメガワラの変貌に、キズナも気が付く。いつでもカタナを抜けるよう右手を柄に添えた。
「……どうかしました?随分嬉しそうですけど……」
「あァ……良い報告があってなァ……。おい、入れェ!」
サメガワラの声と共に事務所のドアが開かれ、男と金髪の女、そして少年が入って来る。男に見覚えは無いが、金髪の女と少年はリンとショウタロウだ。間違い無い。ふたりを連れたサイバーゴーグルの男が口を開いた。
「おい、言われた通りに連れてきたぞ。だが、わざわざ生かしたまま連れてくる必要があったのか?」
「リンちゃん!ショウタロウくん!」
「あー……ごめん、キズナ。コイツ多分、企業の雇われだ……しかも、ちょっと腕前良いヤツ……」
リンもショウタロウも、捕まった際にこっぴどくやられたのだろう。ふたりとも見て分かる程に傷だらけだ。キズナはふたりに対して申し訳ないという気持ちになるものの、決して表情には出さない。出せば、付け込まれる。
「“ちょっと”ではない」
「いづッ!?ど、どっちでもいいでしょうが……」
「ククク……形成逆転だ、女……。ウィザード!この女を始末しろォ!」
「いいだろう」
“ウィザード”と呼ばれたその男がショウタロウの首筋に手を翳すと、一瞬閃光と電光が走り、呻き声を上げてショウタロウが気絶する。そのまま、その手を今度はキズナへと向ける。ウィザードの掌には電光が迸っており、明らかにサイバネティクスの類だ。先程の大男ヤクザとは違う、最新鋭のものだろう。
「貴様らに恨みは無いが、これも仕事だ」
「…………良いお仕事してますね、ウィザードさん」
「……フン」
ウィザードの構える手が両側から展開し、内側から銃口が現れる。電光迸る銃口……恐らくアークガンだ。弾丸の様に回避する事は困難だろう。それが、キズナの身体に向けられている。
「う……ご、ごめん……!オレのせいで……!」
「気にしないでいい。というか、キズナは——……」
「終わりだ」
倒れたまま、曖昧な意識の中で謝るショウタロウにリンが声をかける。ふたりの目の前で、ウィザードはアークガンを……放った!ZAAAAAAAAAAAAP!!迸る電光がキズナに向かっていく。
「キズナは、ヘーキだから」
薄れゆく意識の中で、ショウタロウは確かにリンのその言葉を聞いた。自らを強いて其方へ顔を向ける。するとそこには——。
「な、何が……起き、やがッ……」
「えっ……?」
腹をアークガンで撃ち抜かれ、黒焦げの穴が身体に空いたサメガワラがいた。ではキズナは?アークガンの威力に消し炭と化してしまったのか?否!彼女は今まさに!天井を蹴り、ウィザードへと斬りかかるその瞬間だ!
キズナのカタナを間一髪で回避したウィザードは、ふたりの人質に固執せずにキズナと位置を入れ替えるようにゴロゴロと転がって移動する。そして再びアークガンを構えるが、既にそこにキズナの姿は無い。ウィザードのサイバーゴーグルに警告音。左だ!ZAAAAAAAAAAP!!
だが、またしてもアークガンは虚しく空を灼くに留まった。当たらない。再び警告音。今度は上からくる!ウィザードは辛くも頭上からの唐竹割りを横っ飛びで回避する。窓際に追い詰められたウィザードは、目の前に立つ強敵を見据えてアークガンを格納する。当たらない得物を撃ち続けても、エネルギーの無駄だ。
「……貴様、なるほど。ただの人間ではないとは思ったが」
「…………ちょっとトクベツなだけですよ」
キズナの特徴的な銀髪が、下から風を受けているかのようにふわりと浮き上がる。見れば髪で隠されてた右目の眼帯が展開しており、そこには爬虫類を思わせる細長い瞳孔、そしてそれに重なるように三つの正方形が回転する……翡翠色をした、異形の瞳があった。ただの瞳ではないという事は一目で分かる。だがそれ以上に、まるでその瞳自体が別の生き物かの様な、得も言われぬ恐怖を感じる異様な瞳だった。
「形はどうあれ、貴様もエクステンドというワケだ……」
「リンちゃんとショウタロウくんを傷つけたコトは許せません。でも、これ以上敵対しないというのなら……」
「フフ……俺はプロだ。勝てない勝負はしない……だが、そのディスクは頂いて行く!」
ウィザードが腕を伸ばすと、それに反応するようにショウタロウの身体が彼の手元へと引き寄せられていく。あっという間の事で、キズナもリンも反応が間に合わなかった。そのままウィザードは窓を蹴破り、キズナを振り返る。
「このガキを返して欲しければ、ディスクを持って屋上まで来い。いいな」
「……ッ!このッ……!」
キズナが何か答える前に、ウィザードは外へ飛び降りてから屋上にフックロープを仕掛け、それで一気に昇って行ってしまった。
キズナは一瞬リンを気遣って彼女の方を見るが、リンはリンで「早く行け」とジェスチャーで示す。キズナは頷くと、ウィザードを追って窓から飛び出した。それと同時に、窓の僅かな淵に手をかける。キズナの異形の右目から青い炎が溢れると、その炎は窓の淵にかけた手へと移り、彼女は一気に力を解放してひと跳びに屋上まで飛び上がった!
「フゥー……割りに合わん仕事だ。戻ったら報酬を上乗せしてもらわないといかんな……」
「それには及びませんよ」
「きたか……」
ショウタロウを小脇に抱えて愚痴るウィザードに水の様に透き通った声が投げられる。右目から青い炎を迸らせながら、キズナはそこに立っていた。
「フン……ディスクを渡す気になったか?」
「まさか。ショウタロウくんも返してもらいます。貴方なら分かっているんじゃないですか?私に人質なんて意味が無いって」
「フ……」
確かにそうだ。人質をどうこうする前に、この女は俺を打ち倒すかもしれない。切れるカードは多いに越した事は無いと思って連れてきたが……どうやら使い道は無いらしい。観念した、とでも言う様にウィザードはバチバチと微かに放電する両手を構える。キズナもそれに応える様に、青い炎をまとうカタナを構える。
相対する、青い電光と青い炎。ふたつの青はそれぞれの得物を構え、対峙する。空からはトーキョーでは珍しい白い雪がちらちらと降り始めていた。雪がショウタロウの顔に落ち、彼が小さく呻った瞬間——それを合図にしたかの様に、ふたつの青は同時に飛び出した!
「ハァッ!」
「グッ……!だが、捉えた!死ねッ!」
キズナのカタナがウィザードの電光を纏うサイバネアームで受け止められ、もう片方の腕で掴まれる。このまま放電されれば即決着がつく!ウィザードは一切の躊躇無く、両腕から放電した!
BZZZZZZZZZZZT!!
しかし、キズナは一瞬早くカタナから手を離し、距離を取っていた。バックステップの勢いをそのままに、左手、両足を地面につけて着地。身体をバネめいて縮め、両足に力を溜める。放電の電光に視界を阻まれて、ウィザードは今無防備になっているハズ。狙うなら今しかない。キズナの両足を青い炎が覆い、一気に地を蹴った!
「視えているぞッ!!」
だが、ウィザードは視界不良になどなってはいなかった。彼はしっかりとキズナの動きを注視している!一直線に突っ込んでくる彼女を悠々と迎え撃つ構えだ!どんなスピードだろうと、来る場所が分かってしまえば対処のしようはあるだろう。彼女はこのままでは飛んで火にいる夏の虫だ!
「来てッ!」
「!?」
だが、キズナはウィザードに自身が到達する前に、ウィザードが先程投げ捨てたキズナのカタナに向けて手を伸ばしていた。そして確かに「来て」と言ったのだ。引き寄せる?というのか?そんな疑念がウィザードの脳裏に過ぎったその次の瞬間には、カタナはキズナの手元へと飛び戻っていた。
「ッ……!?だ、か、ら!何だと言うのだァーッ!!」
「貴方の負け、です」
一閃。閃いたその青い炎を纏った刃は、魔術師の身体に自身の爪痕を刻みつけていた。繰り出された鋼鉄の腕すらも両断して。装着していたサイバーゴーグルも破壊され、ウィザードは膝から崩れ落ち、うつ伏せに倒れた。
放電による熱か、はたまた青い炎の影響か、彼の周りに落ちる雪達はすぐさま湯気を上げながら蒸発してしまい、彼の周囲一帯は温泉でもあるかのようだ。キズナは「ふぅ」と一息つくと、カタナを振って血振るいしてから鞘に納める。それからショウタロウの元へと駆け寄って、彼を背負った。
「ショウタロウくん、大丈夫?」
「う、うう……ねえ、ちゃん?」
「うん。全部終わったから、帰ろうね。おうちの場所わかる?」
「う、うん……でも、その……」
「お金とかなら大丈夫!私に任せて。だから、ね?」
「……あり、がと」
少年の遠慮がちな謝意に、キズナは何だかこそばゆく、だが暖かい何かを感じてニコリと笑った。だが、それきり少年からは応答が無くなり、代わりに聞こえてきたのは静かで一定のリズムを伴った呼吸……。
「あ、あれ?ショウタロウくん?ショウタロウくーん……?ど、どうしよう!寝ちゃった?お、起こすのも可哀想だし、り、リンちゃあん!」
雪の中、凄惨な殺し合いがあったヤクザの事務所の、その屋上で困り果てた少女の声だけが、聞こえていた。
◆◆◆
「う、ううん……」
「ショウタロウ……?起きたのかい?」
「あ、母ちゃん!って、ここは……?」
「それが、なんだかねえ……女の子ふたりがアンタを担いでウチまで来て……それで、医者に診てもらえって、そのままお医者さんのトコまで連れて行ってくれたのさ」
「えっ!?」
確かに、周りを見ればそこはどうやら病院の個室の様だった。そこもかしこも白、白、白。ベッドも、シーツも、毛布も、床も天井も壁も、窓の外も……窓の外?どうやら昨晩降った雪が積もったらしく、外は一面真っ白だった。いや、企業広告や店の看板は相変わらずギラギラとしたネオン光を放っており、とても真っ白とは呼べなかったが。それでも、室内も屋外も白一色と言っていい程だった。
「そっ、か……へへへ」
「変なふたり組だったねぇ……名前を聞いても答えてくれなくて。銀髪の子が『サンタさんです!』とか何とか言ってたっけ……」
「さ、サンタさん……?もしかして昨日って、クリスマスだったのか?」
「そういえばそうだねぇ。こりゃとんだクリスマスプレゼントを貰っちまったね」
「……へへへ!サンタさんに、お礼の手紙書かなくちゃ!」
「そうだねぇ。ふたりで書くとしようか」
親子は真っ白な病室で、ふたりにこやかに言葉を紡いでいく。ショウタロウにとって、母とこんな風に会話するのは数年振りだった事だろう。彼にとって昨晩の出来事は夢の様であっただろうか。だがしかし、確かにそこにあのふたりはいた。あのふたりはそこにいて、少なからず彼の為に戦ったのだ。
◆◆◆
「ハァーッ!?依頼の報酬額だけじゃなくて、アタシらの貯金まであげちゃった!?」
「う、だ、だってぇ……思ったよりあの子のお母さんの手術とか、入院費とか、結構かかっちゃって……」
「だからってなんでこう……!ああもう!今までの頑張りがパァじゃん!!」
ふたりのアジトにリンの怒号が響く。薄暗い室内ではリンのPCだけが七色の光を放っており、彼女はふかふかのPC用チェアに座っている。そして、そんなリンの前ではキズナがしょんぼりとした様子で正座している。首から「私は依頼報酬と貯金を見ず知らずの親子の為に使いました」という看板をかけている……様な気がするくらいには、しょんぼりとしているのだ。
「折角大口の依頼が入ってこの極貧生活ともオサラバ出来ると思ったッてのに……こンのお人好し!」
「いたッ!うぅ~、ごめんねリンちゃん~……」
「謝ったってお金が戻ってくるワケじゃないし、もういいよ……また新しい依頼探すしかないね」
「わ、私も頑張るからね!」
「へいへい。じゃ、早速今着てた依頼、やってくれる?」
「も、勿論だよ!どんな依頼?」
リンはタバコに火を点け、一度吹かしてからニヤッと笑って見せた。リンがこういう笑い方をする時は、そんなに悪い時じゃない。口では色々と言っていたり、さっきもキズナの頭にゲンコツを喰らわせたりしてはいたが……彼女自身もまた、あの少年を助けたいと思っていたのだろう。キズナはそんなリンの不器用な優しさがとても好ましかった。
やがて、リンはその笑顔のまま「ほれ」とキズナに通信端末を放って寄越した。その画面には依頼文が表示されており……その文面を見たキズナは、顔を綻ばせて(彼女にしては珍しく)元気よく「依頼、やってくる!」と言ってアジトから出て行った。
いつもよりも一面が白で覆われた街をパルクールめいた動きで、屋根や壁、看板を利用して駆けながら、キズナはもう一度端末の画面を見る。依頼文には、こう表示されていた。
『依頼:サンタさんへの感謝の手紙を届けて欲しい』
了
~参加させて頂いた超面白企画~
今回は飛び込みで参加させて頂きました!書けるかどうか分からなかったので……ひとまず無事に満足いくヤツが書けたので良かった!
内容はもう本当に好き勝手書きました。こういうのが書きたい!を突っ走りました。設定が甘くても、1話だけなら何とか乗り切れるんじゃないかという甘い考えで諸々決めきらずに書いています。それにしても15,000字って意外と短いですね!多分文字制限無いと20,000字は余裕で超えちゃいそうな感じでした!(まとめるのがヘタクソ)
宣伝とかそういうものは特に無いんですけれど、普段はPixivにアイマス二次創作を書いておりますので、ご興味ある方は是非覗いて、読んで頂ければ幸いです。感想も貰えたらメチャウレシ!です。以上!楽しかったー!