うちのヤバいだんな68話更新されました
先週の土曜日にcakes連載更新されました。残り少ないcakesでの更新ですが、やっぱり話は特に進まなくて自分でもびっくりです。
もともと計画していた金沢旅行に来ました。私達は偶然にも金沢の大学に行っていたのです(イケメンは微妙な大学に行っていました)。昔は金沢駅の周辺はあまり楽しくない所だったのですが、いつの間にやら開発が進んでいて、圧巻の景色が広がる駅前に大変身を遂げていたのです。金沢、すごい。
あわよくば、この旅行で私たちの仲も以前のように燃え上がれば、と暗に期待をしていたのですが、(ちょっと無理かも)と道中で悟り、それはほぼ的中したまま時間が過ぎます。なにしろ『俺はとにかく食うぜ』という荒々しいまでの気迫しか感じることができないのです。
近江町市場がある武蔵が辻は、大学時代に週5くらいで通っていた場所。習い事も買い物もバイトも武蔵が辻で、早朝のバイトに入っていたため、周辺で働く常連さんも多く、勝手知ったる懐かしい場所。
バイトしまくっていたミスタードーナツは、位置が少しズレて新しい建物に変わっていましたが、やっぱりそのまま武蔵が辻に堂々たる風格で存在していて、「村本さーん」(大学当時の店長)と声をあげて入って行きたくなりましたが、『とにかく何か食うぜ』という飢えた獣みたいな人が横にいるので、控えました。
ミスドのすぐ横には近江町市場があり、私はほんのちょっとだけそこにあるイカの姿焼きの『イカ焼き源ちゃん』という店でもバイトをしていました。源ちゃんのご主人が運転する大きなトラックに乗り、サービスエリアに出張販売に行く道すがら、色々な話を伺いました。その時は若かったから「へぇー」くらいにしか思わなかったけど、ご主人が「30代が一番楽しかったなー」とおっしゃっていた事は後年(なるほどね)と納得したし、「スピードを出さないで法定速度で走っていれば事故は起こさない」という言葉は、いつも自転車に乗っている時に思い出しています(私は車の免許がないのです)。ミスドではエンゼルクリーム(砂糖をまぶしたまん丸の中に、ホイップクリームが入っているもの)をよく買ってくれた源ちゃん、元気かなあ。
近江町市場では、本当は海鮮丼の店に行こうと思っていたのですが、確かまだ開店前で、近江町食堂に入りました。勿論美味しかったですよ。
学生時代はあまり行く事はなかったのですが、金沢旅行では武家屋敷、忍者寺、ひがし茶屋街の置屋跡などに行くと旅情も高まります。武蔵が辻からだと ひがし茶屋街は徒歩でも遠くなく、周辺のお店を見ながら歩くのも楽しいです。
武家屋敷跡は、周辺も風情たっぷりに整備されているので、散策におススメ。
ちなみに、足軽の資料館もあります。
かなり詳しく足軽の仕事、暮らしぶりが説明されているので、感受性が豊かな人は胸がキューっとなるかも。仕事内容がハードすぎます。
簡素で美しい武家屋敷の情緒にやられたイケメンは、ふいに「俺の写真を撮ってくれ」と言い出しました。さすがに普段はそんな事を言わないので、何かビビっと来るものがあったのでしょう、どうかしています。
カメラ目線ではない、『自然な俺』の写真にこだわります。なんのための写真なのでしょうか。写真は私のカメラロールを占領するばかりで、特段の用途を与えられないのです。
ほの暗い屋敷内、物憂げにうつむくイケメンの顔には、武士の苦悩を思わせる影が落ちます。(なんなんだ、なかなかカッコいいじゃないか)。Iphoneのシャッターを押す私の指も軽快です。イケメンがあと20歳若かったら、私はこの写真をとりあえずジャニーズ事務所か、ジュノンボーイのコンテストに送ったのに・・・、悔やまれます。
私たちがノリノリで武士写真を撮っていたところ、普通のカップルから普通に「写真を撮ってください」、と声をかけられました。私は全く、二人で記念写真を撮ろうとも思っていなかったので、いくぶん驚きながらも、笑顔で並ぶ二人を写真におさめました。(やっぱりこういうのも素敵だな)なんて思いながら。
正直な所、私たちが二人で並ぶと顔の陰影が違い過ぎる、というのも苦慮している点ではあります。昭和と平成の写真を合成したように、なんだかチグハグな感じになるのです(私が平成です)。
よって、今に至るまで二人で撮った写真は殆ど無いし、たまにFACEBOOKが
【思い出】なんて言ってイケメンの武士の写真を私の目の前に叩き付けて来るたびに、(一体なんなんだ)と、少なからず憤慨します。
一泊目と2泊目の宿は、なんとなく違う場所にしました。犀川が見える所に泊まりたいな、と思っていたので1泊目は川沿いのちょっと高いホテル、2泊目はひがし茶屋街の近くです。1泊目の宿は無感動だったのに、2泊目の民宿の看板の光が路地の暗闇に浮かび上がっているのを見つけると、「おお、すげえ」と突然イケメンが走り出しました。(え!なんか喜んでる、民宿なのに)と驚いたあの晩の情景は、まだまだ記憶に新しいです。
看板は(誇大広告の一種なのでは?)と私を案じさせるほどに風情があるのですが、中はいたって普通の民宿です。畳の部屋には大きな炬燵があって、まるで実家みたい、イケメンは大喜びでした。
(やっぱりこっちかー、2泊ともこっちにすればよかったのかー)、なんて軽く後悔しながらも、炬燵に埋もれてゴロゴロするのはなかなか良かったです。
☆☆☆☆
今回も漫画を読んでくださってありがとうございます。
さて、次のネームを描かないと。
おやすみなさーい。