うちのヤバいだんな67話公開されています。
cakesの更新が7月末で終了、サイトは8月末で閉鎖という衝撃ニュースを聞いてもなお、特に私の漫画は進展がないです。(おおお、それではcakesがあるうちにラストまで描きたい)って思ったはずなのに、全然進まない‥‥。
私は夢にうなされます。何年も恋人がいなかった友達に、「夫」を紹介される、という悪夢。私は人の幸せなんて喜ぶ余裕はちっともありません。
往々にして、年を重ねた人の結婚は、トントンとスピーディーに物事が進む、と言われています。そう、私自身もそうなるはず、と信じていました。
それなのに私ときたら、進むどころが後退しています。悔しくて、私の笑顔もひきつります。ま、夢の話ですけど。
夢の中でも、人の結婚式とかパーティーとか、行きたくない気持ちが満々です。困難を乗り越えてやっと結婚に辿り着いた、みたいな人は祝いたいですが、トントンいっちゃっている人は、そんなに祝いたくありません、悔しいから。
ああああっ 悪夢だ!
と汗ばんで起きてみると、それは悪夢でもなんでもなくて、私は夢の中でも現実でも普通に独身でした。普通の夢です。
今はこんな夢、やっぱり見ないし、よほど焦っていたんでしょうか、焦っていましたね。
不穏な空気が漂っていた私達ですが、この旅行に出る時は、もはや色んないざこざは日常にかき消され、ほとんど忘れてしまっていました。人って何なんでしょうか、あんなにピリピリして「出てけ」とか言ったのに、全部無駄だったみたい。
でも、二人で実家以外のどこかに泊まりで行くのは初めてだったので、私はイケメンに、【この旅行で私の良さに気が付き、私が唯一無二の素晴らしいパートナーであり、なんとしても即結婚すべき事に気が付く事】を望んでいます。実際私はそんなに素晴らしくもないし、ぜんぜん気が利かないのに、どうか僅かな美点を過大評価して欲しい、そんな願いは止みません。
だって、付き合い初めの頃は、夕方に自転車のライトを点灯しただけで「可愛いじゃねーか」って言われていた私ですよ。自転車のライトくらいでそんなだったんだから、思わぬところで愛が再び蘇らないとも言えません。
ここで私は、(愛よ、よみがえれ)と念じています。案の定切符を無くしたイケメンを助ける私、これはまさに愛。
私のこの愛を、100倍にして返せよ、オイ。
窓口に行き、「確かに一緒に切符を買ったんですが‥‥」と、とても残念だし、私の連れがバカですみません、という顔をして説明して、なんとか事なきを得ました。
「私、お母さんじゃないんだからさぁ」
とちょっと文句を言ってみますが、
「母ちゃんじゃねえよ」
と答えます。
当たり前です。
愛も蘇らないし、母ちゃんでもない。
何なんだよ、私は。
とにかく俺は食べたい、
この旅行で俺は食いまくりたい、
そんな気迫は感じます。
「腹をマックスに持っていくぜ」
乗り換えの越後湯沢で発せられた謎の宣言に、私の存在も揺らぎます。
私は越後湯沢の駅構内の蕎麦屋に、嫉妬に似た感情を持ちます。
切符紛失をリカバーした私の功績は称えられることもなく、蕎麦にすべてを持っていかれました。
ああ、この旅行でも無理かもしれない、
私は、蕎麦屋へ猛進するイケメンの後ろ姿を、寂しく目で追うのです。
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次は目的地である金沢編です。私たちが住んでいた所なので、結構色々描きたくなっちゃいますね。
連載のこれからですが、cakesの連載は7月末までなので、8月中に今までの過去記事はnoteの方で何話かずつまとめて販売していくのかな?と思っています。更新も同じペースでやっていくつもりです。
この先何年もcakesで読んでいただける、と信じていただけに青天の霹靂ではありますが、自分の勉強にもなるので、この流れに乗ってコツコツと自分でやっていけるように頑張ります。
cakesさんには漫画を描くきっかけと場を頂き、感謝しかありません。今年の11月で連載も丸3年になるところでした。まさかこんなに漫画を描くなんて!私の人生に『漫画の連載をする』なんてミラクルが起きたのは、cakesさんのおかげです。辛くて大変で、でも楽しい時間でした。
7月末まで、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。