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2017年8月の記事一覧
札束イグザミネーション【掌編小説】
栄えある我がW大学探検部に入部するにはひとつの試験がある。
その年の活動費、すなわち探検部総勢30余名が身を粉にして働き、貯めた、探検の支度金。およそ600万を学内の部室から部長宅まで運び届けるのである。
その役には入部希望の新入生(探検の「た」の字も知らない18、9の青瓢箪達)が当てられる。
無論、かつてこの私もその試験をくぐり抜けてきた者だ。
小さな頃から怖い物知らずで通して来た私は、60
栄えある我がW大学探検部に入部するにはひとつの試験がある。
その年の活動費、すなわち探検部総勢30余名が身を粉にして働き、貯めた、探検の支度金。およそ600万を学内の部室から部長宅まで運び届けるのである。
その役には入部希望の新入生(探検の「た」の字も知らない18、9の青瓢箪達)が当てられる。
無論、かつてこの私もその試験をくぐり抜けてきた者だ。
小さな頃から怖い物知らずで通して来た私は、60