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涙の雫を落とす場所〜SHIZUKU品川大井町

7月12日
グランドオープンからちょうど1年のこの日、smart stay SHIZUKU 品川大井町店に行ってまいりました。初訪問。

私とSHIZUKUの太いパイプについて、ザッとお伝えしましょう。もう何度もあちこちで吹聴してるので、ご存じの方は飛ばして読んでも構いませんが。

その① きっかけ


インスタとTwitterで、SHIZUKUに品川大井町店が出来たことを知りました。
お店の投稿を見て知ったのではありません。SHIZUKUさんが私の投稿やツイートに、何度も「いいね」を押してくださったので知ったのです。

温浴施設の方はフォローはしてくださっても、その後はその施設の投稿をしない限り「いいね」など付けてくださらないのが普通です。また、Twitterとインスタの両方に「いいね」を付けてくださる温浴施設は、滅多にありません。私の場合「ふろ国」と「なにけん」(呼び捨て)くらい。なぜ私に?。私の知名度が相当上がったのかと思いました。でも違ってました。SHIZUKU(そろそろ呼び捨て)は、他の方の投稿にも、「いいね」を付けていらっしゃいました。もちろんその投稿にSHIZUKUのことが書かれていなくても。


その② 発展 


湯のウラチャンネルというYouTubeで、SHIZUKU品川大井町店が取り上げられているのをみました。


まず照井支配人がご自身で「撮っても何も面白くないと思う」と仰っていることが気になりました。最後まで見たけれど、ほんとに面白いこと言おうとしない(笑)。


オープン直前に大きな手術をされていること。オープンが一年も後ろ倒しになって、せっかく入った方たちが辞めていってしまったこと。そうした背景があることも気になりましたが、私が一番気になったのは後半の支配人の言葉でした。

「可もなく不可もなく。飯食って風呂入って寝て起きて。そんな感じで使ってもらいたい」「SNSでよく見かけるホームという言葉。うちをそのホームだと言ってくれるお客様がいることが嬉しい。まだ少しだけれど」

確か女性をターゲットにした、女性に優しいをコンセプトにしているSHIZUKU。清潔感と高級感のある大人の女性がくつろげる場所。それなのに「可もなく不可もなく。飯食って風呂入って寝て起きて」というこの言葉。古い銭湯サウナじゃないんだから。ココはSHIZUKUですよと私がツッコミたくなる。

でも

そのSHIZUKUだからこそ、この言葉がとてもいいと私は思いました。


その③ 転機

Twitterでのキャラクター名前募集。

SHIZUKU大井町といえばイルカのイメージですが、なぜかペンギンの名前を募集していたんです。ま、水繋がりではあるけれど。Twitterでそのペンギン(手を入れて遊ぶぬいぐるみ的なもの)をぼんやり眺めていたら、降りてきたんですね。名前が。

『ポトリ』

SHIZUKU(雫)が一粒落ちる音と、ペンギン(鳥)をかけて『ポトリ』
もうこれしかなくね? 自分天才かと思いながら速攻で応募しました。
そして見事に『ポトリ』に決まりました。抽選だったことはこの際どうでもよくて、とにかく私はここで、SHIZUKU品川大井町店との強くて太いパイプ、じゃなくて縁を感じました。勝手に。

そして勝手に縁を感じた私は、勝手にポトリの粘土を作り、勝手に呼ばれてもいないのにグランドオープン1周年の記念日に訪問することにしました。

長いね、前置き。


2022年7月12日(火)


仕事を終えて、SHIZUKUに向かいました。
京浜東北線大井町駅東口から1分。1分なら超方向音痴の私でも、迷いようがないと思いました。地図を見ながら位置を確認。つまり改札出て左手に歩いてローソンを左に曲がればいいんだなと思い、歩き出します。

ローソン曲がってすぐのはずだけど、見えてこない。
途中で良さげなバルがあって、帰りにここで飲もうかなーと思ったら飛び込んできた建物、それがSHIZUKUでした。ちょっと!見逃すところだったよ!

でもなんというか、路地を入るこの感じがすごくいい。

周りに誰もいないのを確認して、粘土を取り出します。
いつものように正面玄関で写真を撮りたいから。
ゴソゴソやってると次々にお客さんが出てきたり入ったり。人気店だと分かります。なんとか看板までいれたくてようやく決まった撮影場所が、誰かの自転車の上という...

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しかもブレてる。
撮り直す余裕もなく(人に見られるから)そのまま入店しました。

1階で靴をしまい、エレベーターで2階のフロントへ。上野のSHIZUKUには行ったことがあるので、同じシステムだしスムーズに事が運びます。嘘です。3階の脱衣所でロッカーを開けたらタオルがないわーと思い、また2階へ。フロントに声をかけると、お客様のキー番号と同じ番号のロッカーにタオルが入っていますと言われ、また3階へ。やれやれ。上野の記憶はどうした。最初にフロントで「上野に行った事がありますから(説明は要りません)」て、マウント取ったりするからこうなる。


火曜日はレディースデイ。
通常60分800円ですが、この日は90分で800円。
夜には嵐になるという予報だったし、ここは90分勝負でいこうと決めました。

まず思ったのは、お客さんが若い。
そして慣れている。常連さんが多いのだと思いました。


早速サウナへ。

若い女性2人と私、3人です。
一人が去るともう一人の女性がいきなり、上段で寝転び始めました。この若さでヌシか。若いヌシと新入りのオバさんがいるサウナ。でもオバさんは全然不快じゃないよ。彼女のルーティンを見てたら、この子心底サウナを楽しんでるなって思ったので(あくまで上から)。

私が浴室にある、白いととのい椅子でぼんやりしてると、若い子たちがバスタオルを巻いて外に出て行くのが見えます。そのあとをついていってみると、なんと外気浴スペースがあるとわかりました。私も慌ててバスタオルを巻いて外へ。

そこはほんとに外。
簾でしっかり覆われてはいるけど、もし簾がなかったら近所から丸見えスペース。おばさんでも羞恥心はあるので、バスタオルをしっかり巻き直して、椅子に座ります。


何だこれ。

人の声、車の音、湿度の高い夏の風。たとえるなら東京の自宅。それもマンションの3階で、風呂上がりにベランダに出てみた感じ。妙な懐かしさがこみ上げてきます。埼玉県民のくせに。やっぱりマンションじゃなくてアパートくらいにしておこう。

風鈴の音。見るとイルカの風鈴が風に揺れてます。やっぱりここのキャラクターってイルカじゃね?と思いながら静かに目を閉じる私。気持ちいい。なんならバスタオル外してもいいくらい。それくらい不思議な解放感があります。あの子たちはこれを楽しんでいたのか。新入りにも教えてよね。

SHIZUKUのコンセプト通り、女性が手ぶらで来れるようにアメニティは充実しています。カランの前にはシャンプーやコンディショナーだけでなく、オイルクレンジングや洗顔ミルクもあります。洗面台に行けば化粧水や乳液、ヘアオイルも揃っています。ブラシ、コットン綿棒、ヘアゴム、歯ブラシ(綺麗なブルー)はそれぞれ個包装です。電源もあるからヘアアイロン常備の私にはとてもありがたい。
洗面台の丸い鏡の前に立つと、自分の瞳の中にも丸い輪ができるって、女性の皆さん知ってました? 写真撮りたくなっても我慢ですよ。携帯禁止区域ですから。

本当に女性に優しい。でも女性に優しいって、こうしたアメニティの充実だけを言っているわけではないんです。

男性サ室とおそらく遜色ないサウナの熱さ、水風呂の冷たさ、お風呂の熱さ、外気浴の作り方。そして大切な清潔感。これって女性にだけ優しいわけじゃない。男だろうが女だろうが、大人が一人で来て楽しめるようになっています。女性に優しいとは、大人に優しいということ。ワイワイみんなで楽しむところじゃない。誰かに気を遣うところじゃない。一人きりの時間を楽しめるサウナが、女性であることの様々な不自由さから解放してくれるのだと思います。それこそ優しさ。


サ室で一人きりになった時間がありました。ぼんやりと昨年、上野のSHIZUKUに行ったことを思い出していました。インスタで知り合った女性と二人で行ったんです。私のnoteの「上野SHIZUKU」の記事を読んでくれた彼女の希望です。彼女は遠く、沖縄からわざわざ来てくれました。

あれから1年半経って、お互いいろんな事があって、それでもまだやりとりが続いています。いつも私の体と心を気遣ってくれる彼女の笑顔が、あの時と同じようにそっと隣にある気がしました。

大人になると泣きたくなるような日があっても、それを全部誰かに打ち明けるのは違うと思い、飲みこんでしまうことが多いものです。特に彼女は明るくて前向きだから、私なんかよりもっと飲みこんで生きているだろうなと思います。しばらくサウナに行っていないと言ってたけれど、今はどうかな。LINEの文章は明るいけど、泣いてはいないだろうか。余計なお世話ですが。

額から汗が落ちるのを感じながら、今一人なんだから、誰も見ていないんだから、汗と一緒に涙も出てくれたらいいのにと思いました。


身支度を整え、フロントに戻ります。

粘土が入ったスタバの紙袋を手にさげながら、これをどのタイミングで出すべきか、迷い続けていました。サウナのサチコと名乗ったところで、「は?」てなるのが一番怖い。このまま持ち帰ってしまおうか。どんどん腰がひけていきます。

フロントの横にインスタで見たMOKUタオル、SHIZUKUバージョンを見つけました。

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綺麗な色。ほしい。

思わず手に取りそのままフロントへ。確か「アクアブルーの小さいサイズの方のタオルですね」と女性スタッフさんに言われました。記憶が定かでないのは、その方がとても可愛かったから。笑顔も優しい。今だ!と思いました。「あの、ポトリの写真を撮ってもいいですか」とスマホを出しながら、そのついでみたいな感じで「今日は支配人はいらっしゃいますか?」とフランクに尋ねました。私、誰設定なんだよと自分で自分に突っ込みながら。

「呼んできます」と奥に入っていかれるところを、どさくさに紛れて「あのサウナのサチコです」と言ってみました。「は?」って言われるかもしれないとドキドキしながら。ところが同じ「は」でも、「ハッ!」と言われました。驚いたって感じ。この人サチコを知っている!と私は確信しました。よかった。さらに奥から現れたのはYouTubeで見たよりも、イケメンの照井支配人。その後ろから若いイケメンも出てきた。広報のKさんです。ここはイケメンとイケ女しか働けない決まりでもあるのか。ぜひ雇ってほしい。

もうそこからは舞い上がって、何しゃべったかろくに覚えていません。とにかく粘土を押し付けて(自分で勝手にポトリの横に飾って)きました。「可愛い〜」という粘土に対する賞賛の声だけは聞き逃しませんでしたが。

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こんなに歓迎されて喜ばれて、いいんかな私。エレベーターに乗るまで皆さんで見送ってくださって、なんか、なんか、こういう時は胸だけが熱くなって、何も気の利いたことが言えない自分が嫌。

嬉しくてふわふわしながら外に出ると、雨。そうだった、これから嵐になるんだった。雫(SHIZUKU)を出ると雨って、まるでドラマみたい。私はどうしていつもこうなんだろう。縁と運と人に恵まれている。何やっても中途半端な人間なのに、サウナとサウナに関わる人にいつもドラマみたいな1日をもらってしまう。雨も嵐も、今日だけは全部味方に感じることができました。


最後になってしまいましたが、1周年おめでとうございます。

失礼なことたくさん書きました。このnoteでしか書けない、サウナーである私の本音です。お許しください。万が一、照井支配人がこれを読んでくださった時のために謝っておこう。


大人が安心して涙の雫を落とす場所。おしゃれなサウナなのに、おしゃれなことは一切言わない照井支配人のいる、smart stay SHIZUKU 品川大井町。

またお邪魔します。

ありがとうございました。


サウナのサチコ


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