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第21話 サウナのサチコ、埼玉の草加健康センターでもととのう

こんにちは。サウナのサチコです。

2020年1月26日から始まりました、「埼玉で私とあなたが整うまで」シリーズ。今日はその完結編です。ワタクシ、ようやく「埼玉でも」ととのうことができましたーーー!

先に大阪でととのってしまったばっかりに、新鮮味に欠けますけど。

私がととのった場所は、第1話にも登場した「草加健康センター」です。つまり私はシリーズ最初に訪れた場所で、結局ととのったわけでして・・・。もっと言えば第18話でもここに訪れていますので、なんだかんだで3回目の正直だったという・・・。いやいや、私にとっては前の2回と今回とでは意味が違います。だって私が初めて埼玉でととのうことができたのは、

五塔熱子さんの、ロウリュのおかげなのですから!


草加健康センターは木曜日がレディースデイ。有名な熱波師、五塔熱子さんのロウリュがあります。コロナで8月まで休止していましたが、9月から復活しました。毎回12名限定。特に夕方17時の回が混雑すると聞いていましたが、その回になんとか滑り込むことができました。もうこの日は「ととのう」ことなんて頭からすっぽり抜けていて、とにかく熱子さんのロウリュに耐えられるのかどうか、そればかりが気になっていました。

というのも私がロウリュを体験したのはもう何年も前。まだサウナに興味などなかった頃です。ものすごい熱波に面食らったことを覚えています。それだけでなく、隣に座っていたおばちゃん軍団が揃って深々と頭を下げ、両手を差し出して熱波師の風を受けているのを見て、ドン引きした思い出さえあります。

もちろん今はそのおばちゃんたちの気持ち、よくわかりますけど(笑)。

お久しぶりの上にまだ不安の残る身体で、ロウリュなんて大丈夫かな。ましてSKC。普通のサ室でも痛いくらい熱いのに、その風を送られたら焦げて倒れてしまうのではないかと心配で、草加駅でラッコバスを待つ間も私は落ち着きません。

どうしよう。やめた方がいいかな。もう少し先の方が・・・。

「人はやらない理由や言い訳ばかり考える生き物だ。やると決めた時が今なのだ」と、林修さんが言ってました(ちょっと旬は過ぎましたが)。「人は死ぬときに、挑戦しなかったことを一番悔やむもの」というデータもあるとか(挑戦して死ぬのも嫌だけど)。

色々言い訳しては避けてきた木曜日。でも今日は行くぞ!

ラッコバスから降りた私は、人気がないのを確認して、小池百合子粘土人形をバッグから取り出しました。そしてSKC入口にある熱子さんのポスターの前で、コソコソ記念撮影しました。

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そしてその写真をすぐにインスタにあげました。これでもう逃げられない。自分を追い込んだのです。フロントで計った体温も36度3分。絶好調じゃないの! 脱衣所で服をポンポンと脱ぎ、私は颯爽とお風呂へ。

結構混んでいます。カランの前に一つおきに置かれた椅子。迷った末に一番奥の椅子に座り、鏡をまっすぐに見つめました。そこには決意の顔が、

はっ・・・!!!

私、マスクをつけたままでした。

裸にマスク姿で、脱衣所からずっとウロウロしてたのか・・・。恥ずかしい。でもここは「お風呂にマスクつけて入っても別にいいんじゃない?」という自然な顔を装って、急いで脱衣所に戻りました。

気を取り直して髪と身体を洗い終えた私は、ロウリュが始まる前に一度くらいサ室に入って身体を慣らしておこうと考えました。するとサ室のドアがすでに開いているではありませんか。中でスタッフの方がマットを交換しています。まずい。時間的にもこのままロウリュの流れになってしまうじゃないの。私は踵を返し、身体を少しでも温めておこうと炭酸風呂に入りました。

ぬるい。

ここの炭酸風呂は温度が低かったんだと思い、41度の白湯に入り直しました。するとじわじわ額から汗が出てきます。いかんここで疲れてしまっては元も子もないと慌てて立ち上がりました。とにかく落ち着かない私。水分をとってみたり、髪を濡らし直してみたり、ととのい椅子に座ってみたりと、ウロウロウロウロ。そのうち17時からのロウリュを待つサウナーたちが、サ室の前に集まり始めました。なんかみんな若いぞ。目が本気だぞ。挨拶しあったりして常連か? どんどん腰が引けて行く私。

そこへ五塔熱子さんが登場しました。いえ、すでに登場していたのですが私がしばらく気がつかなかったのです。このかわいらしい人が熱子さん? サウナーなら誰もが知ってる、あの熱波師なの? ポスターの写真より実物の方がさらに若い・・・。ぼんやり見つめる私をよそに、他の皆さんは次々とサ室に入っていきます。そうだ、入り口近くの素人席を早く取らなければと焦る私。しかしそこはすでに謙虚なサウナーさんが座っていました。下段と最上段がどんどん埋まって行く中、私は満員電車のおばちゃんのように滑り込んで、ど真ん中の席をゲット。座ってから、なんでこんな目立つ席を取ってしまったのかと後悔しました。これでは熱子さんとガチに目が合ってしまう。ワタシ素人なのに、素人なのに・・・。

熱子さんの挨拶に皆が拍手。「今日は白樺です」とサウナストーンにアロマ水をかける熱子さん。ジュワーという音とともに蒸気が上がりますが、あまり白樺の匂いはしません。が、熱子さんがタオルを振り始めると、途端に少し甘い、森の香りが辺り一面に。ドラマ「サ道」のSauna Songに合わせて右から左から、熱子さんの送りだす風が、私の体を撫でて行きます。

なんて、やさしい・・・

そうなんです。私が以前体験したロウリュは、強く荒々しいものでした。風が来ると思わず顔を背けてしまいたくなるような。でも熱子さんの風は熱いんだけれどやさしい。しなやかなタオルさばきとともに、熱い風の渦の真ん中に自分が入って行くような感覚に陥ります。深く息を吸い込みたくなる。まるで白樺の林の中に座っているような気分です。

満席の中、熱子さんが一人ひとりを仰ぎ始めました。溢れてくる風さえも全て拾いたい(笑)熱子さんが全身で送ってくれる風を、私も全身で受け止めました。身体のどこも曲げたくない。真っ直ぐ受けたい。そういう風です。

「休憩しましょう」

熱子さんの言葉に、私は驚きました。え? 休憩? 私を除く皆さんは、慣れた感じで水風呂に移動し始めます。そしてその場で外気浴。果物の香りがする水をいただきながら、熱子さんがここでも仰いでくれます。ロウリュだけで終わりではなく、ロウリュ、水風呂、外気浴のセットを2回繰り返してくれるのだとわかって、俄然テンションが上がりました。なんて初心者に優しいシステムなの!

2セット目。サ室に戻ると今度は「主よ、人の望みの喜びを」が流れます。緑色のタオルが熱子さんの指先からクルクルと翻るさまを、皆がうっとりと見つめます。ここは大人のアトラクション。あるいはテーマパーク(フォロワーのひでさんも言ってたけど)です。いつかオリエンタルランドも熱子さんをスカウトに来るかもしれません。今、経営が苦しそうなので来年あたりでしょうけど。

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↑菅さんにも風を送る熱子さん。



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↑それを見つめる百合子。


2回目のロウリュが終了し、拍手喝采。サ室をでた私は、キンキンの水風呂で多少密になりながら体を冷やし、ととのい椅子に座りました。やがてふわふわとした気持ちになって、目の前の景色が少しだけ歪み、外の音が聞こえなくなり・・・

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ととのいました。(粘土使い回し)

スタッフの方に話しかけられても、ぼんやりしていて聞こえなかったほど。過去2回の草加健康センターでの私は、全身に赤紫色のあまみと、貧血かと思うくらいの頭痛に襲われていましたが、今回はピンク色のあまみがほんのり出るくらいで頭痛もなく、なんとも言えない幸福感をいつまでも抱きしめておりました。

ロウリュはサ室で始まりサ室で終わるのだという私の固定観念を打ち破る、熱子さんのロウリュ。サ室はもちろんのこと、外に出てからもお客さんとまるで対話をするように、一人ひとりに丁寧な風を送っています。お話ししなくても、その誠実なお人柄は十分伝わってきました。熱子さんありがとう。

熱子さんに会ってみたい。熱子さんのロウリュを体験したい。サウナーになってからの願いが叶いました。

熱子さんの背に一礼した私は、食堂に向かいました。レディースデイの特典に「サワー半額」があるからです。いつもなら最初は絶対ビールですが、今日は女子らしくサワーにしよう。つまみも女子らしく餃子にしよう(?)。食堂の席もだいぶ埋まっています。食堂から見えるフロントにも長蛇の列。すっかりSKCは以前の混雑を取り戻し始めています。

一杯目 赤玉パンチ ↓

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2杯目 レモネードサワー ↓

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2杯目が来た時には餃子があと一つという、計画性のない食べ方。梅ごのみサワーが気になりながら、2杯でベロベロのため終了。

千鳥足で階段を上り、休憩室へ。実は今回、リクライニングスペースも予約していたのです。贅沢ぅ。倒れこむように豪華なシートに横たわる私。サウナもお風呂も脱衣所もあんなに混んでいたのに、ここにはほとんど人がいません。一人一台ついているテレビ。音はちゃんと頭の後ろの方から聴こえます。プロ野球をぼんやり見ながら、何もしなくていい贅沢な時間を満喫しました。

滞在時間 4時間半

入館料 1500円(リクライニングスペース、タオル、館内着込み)

熱子さん熱波 200円(これは安すぎるわ)

ジャンボ餃子 616円

赤玉パンチ 248円

レモネードサワー 248円

合計 2942円(消費税256円)←SKCに来ると大体このくらいになってしまう・・・。


前回も言ったかもしれませんが、ととのうことを知って、さらに私はサウナが好きになりました。でも、今日のようにととのうことを目的とせずに訪れても、サウナはやっぱり楽しい。もっと言えば、ととのえなかった以前もサウナは楽しくて、気持ちが良かったのです。

癒されに行く。疲れを取りに行く。一人になりに行く。ととのいに行く。いろんな目的を持って人はサウナに向かいますが、結局サ室に入ればそんなことすべて忘れてしまう。ただ気持ちがいいだけ。

「サウナを信じるな」

蒸しZの言葉の意味を、埼玉シリーズ21話目にしてようやく体感、体得できたサチコでした。


埼玉ととのいシリーズはこれで完結です。

これからは埼玉に限定せず東京にも行きたいし、他の県にも足を伸ばしてみたいな。バイトの身だし、時間はあってもお金がないからそう頻繁には行けないけれど、一回一回のサウナを大切にして、私しか書かない記事をこれからも書いて行きます。つまり、何の役にも立たない情報のことです(笑)ただ、何の役にも立たないけど、いつも皆さんに楽しんで頂ける記事を書くように、これからも心がけます。プロのシナリオライターを目指していた時には、なかった感情です。

私は粗忽者で、外出すると失敗ばかり。なぜかトラブルに巻き込まれることも多いです。これまではそんな自分を「運がない」「ダメな人間」と否定していましたが、最近では失敗するたび「これは記事に書ける!」と楽しめるようになりました(笑)

新シリーズもこんな調子で、どうぞよろしくお願いいたします。

今日も最後まで読んでくださって、ありがとうございました。それではまた埼玉で、いえ、どこかのサウナでお待ちしています。

サウナのサチコより。

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