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モザンビークの学生たちへ~食品加工の知恵~

 「農業従事者が農薬依存から脱却し、健康被害を心配せずに農業を営み、自立できるようにしたい」そんな想いで始まったThien Sinh Farmですが、実際にThien Sinh Farmの濱さんは世界各国で農業支援をされています。本日は、アフリカのモザンビークを訪れた際の様子を紹介させていただきます。

 2024年7月、濱さんはモザンビーク中部のManica州の都市Chimoioを訪れました。公立マニカ職業訓練学校の学生を招き、食品加工体験講習会を開くためです。職業訓練学校とは言え、公立の学校は資金に乏しく、日頃は実習など費用がかかる教育がなく、座学ばかりとのこと。就職率は極めて低く、かと言って座学を受けただけで自分でビジネスを始めることも容易でなく、卒業後に安定した職を得ることが難しい状況です。濱さんは「停滞している社会にとって、新たな生産活動をするには勇気が必要です。その自信をもってもらうためには、やはり”やったことがある”という経験をもたせることがとても大切です。」と話します。そこで、地元で生産できる原料を使った「食品加工」を体験することで、将来一歩を踏み出す力、自分で工夫して売る力となればとの想いで、講習内容を設計されました。

職業訓練学校での座学

 当日はThien Sinh Farmとビデオ通話で繋ぎ、豚の餌作りを紹介したほか、トレーナーがデモンストレーションを担当し、職業訓練学校の教授が理論的な説明を加えて
1) 塩の精製と、ハーブソルト作り
2) キャッサバ粉からクッキー作り
3) オレンジの皮からオレンジピール作り
を実施しました。 塩を除き、すべて地元で生産できる原料です。こういった実習は、少しの原料と台所器具で実施できますし、化学や生物の理解を深めることも出来ます。今後もモザンビークの関係者だけで継続できるように、研修で作成した製品を参加者が購入し、材料代負担を軽減する等、更なる工夫も伝授していく予定です。 

実習には70人以上の学生が自主的に集まった

 モザンビークと聞いて、どんなイメージがあったでしょうか。濱さんのお話を伺ううちに、「何故アフリカは貧困に陥っているのか?」「豊富な天然資源は誰の利益になっているのか?」多くの課題を抱えていることが見えてきました。彼らが自分たちの資源を自分たちで活用できるように、自立できるように。農作物をそのまま売るだけでなく、加工することで長持ちさせたり、付加価値を高めたりすることが、どれ程重要か。私たちの選択、行動が、どう繋がっているのか考えるきっかけとなりました。

著者:Sachiko

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