免許や資格じゃなくて「手に職をつける」
私はカナダで2人のホームスクールをしています。
ホームスクールを始めてから、子どもたちへの教育・学びについてもっと考えるようになりました。
この考え方はもうそろそろ現実的ではなくなってきているように感じます。
それでも、政治・金融・医療・マスコミ関係の業界は、これから先もしばらくは良い学歴や資格が求められるかもしれません。
ただ、私たち夫婦はコロナをきっかけにして、上記のような業界には大きな不信感を持つようになりました。(私たちと同じように感じる人が増えているように思います。)
そのため、自分の子どもたちには、それらの業界とは別の領域で、自分に合った特技を生かしてできることに注力してほしいと思っています。
今では古い言い方かもしれませんが、机に向かってする勉強よりも、実際に手を使って、手に職をつけることが、実はこれから先にもっと必要になってくると考えています。
職種だけでなく業界自体がなくなる可能性はゼロではない
AIなどを筆頭にテクノロジーの発展が加速しています。
その影響で、安定していると今思える職種もしくは業界であっても、この先もずっと続くと断定できない世の中になっていると思います。
例えば、私がフリーランス活動をしているWEBデザイン制作という職種・業界は、私の両親が20代の頃(インターネットが一般家庭に普及する前)はなかったと思います。
ちなみに、グラフィックデザインやソフトウェア開発のプログラミングとは別です。
そして、そのWEBデザイン制作の業界はすでに拡大のピークを終え、早くも縮小しているように感じます。
汎用的なプラットフォームをつくる企業や特定の強みがある企業だけが残っていく傾向にあると思います。
WEBデザイン制作のように、新しくできては消えてゆく(大幅に縮小する)職種もしくは業界がこれからも出てくる可能性は大きくあります。
新しい職種や業界ができると、それによって既存の職種や業界が縮小していくことも多いに起こりえるでしょう。
私の子どもたちが大人になる頃には、
今は存在していない、新しい仕事ができているかもしれない
今存在している仕事がなくなっているかもしれない
ということです。
手に職があるといいこと
こんな風に変化が早い環境で生きていくには、何を持っていたらいいのか。
そこで、やっぱり「手に職をつける」だと考えました。
自分に身についた技術と経験は誰とも交換できません。
そして、さらに手に職があることでいいことは、
自分の持っている技術や経験が、
「稀」なら稀でもいいですし、
「ざら」ならざらでもいい
のです。
自分の持っている技術や経験が「稀」であるなら、なかなかない技術ということで喜ばれるでしょう。
希少なものは貴重で価値があります。
自分の持っている技術や経験が「ざら」であるなら、汎用率が高いということでどこでも使えて便利でしょう。
いわゆる「Transferable Skills(トランスファラブルスキル)」です。
それは、さまざまな分野で活用できるはずです。
体験から得る知識や技術は自分だけのもの
特に子どものうち(10代前半くらいまで)は、机に向かってやる勉強はほどほどでいいと思います。
私が考える「手に職」は、勉強して取得する認定証、免許、資格ではありません。
実際に、
手を動かして
頭を動かして
身体を動かして
心を動かして
職(技術・技能)を体得することに着目してほしいです。
若いときは吸収力が半端ないし、まだ無意識のうちに影響を受ける世間の価値観が根付いていません。〜 とても良いことです。
何かを習得するのには、時間がかかります。
パパッとすぐできるような魔法はなくて、結局はコツコツ継続することで経験と技術が身についてくるのです。
だからこそ、早い時点から始めた方が良いと思います。
間違っても、失敗しても、やり直す時間はたくさんあるのです。
とはいえ、歳をとってから新しいことを始めて学ぶのは遅いということでは決してありません。
ただ若いときの方が、体力も勢いもあるのだから、それらを活かした挑戦をしないで、机に向かって勉強だけしているのはもったいない気がします。
本などから学ぶ知識もいいですが、実際の体験から学ぶ知識・技術はもっと価値あるものだと思います。
それは、体験した本人でないと知り得ない知識だからです。
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