水面に透ける色|エッセイ #ひと色展
もみじが好き。
特に、新緑のもみじ。
川沿いにもみじの木が並ぶ。
この道が好き。
川面をのぞきこむように
せり出しているもみじの木に
春、若葉が芽吹く。
水面をのぞくと若葉が透けて見える。
儚く消えてしまいそうな透明な緑。
けれど、やわらかく生命力に満ちた緑。
それがちょうどこんな色。
パーマネントグリーンNo.1
一番好きな色。一番好きな木。
飽きるまでのぞいていた川縁での記憶。
🌱 🌱 🌱
昔、近くのお寺の生垣から入って
境内でよく遊んだ。
ある日、外国からお客様が見えて
父と一緒にそのお寺をご案内したところ
父はいつもとは違う方へ歩いて行き…
そこには受付門があった。
父が受付でお金を払ったのを見て
とても驚いた。
そのお寺が十円玉の表に載っているのを
知ったのは、小4の頃。
そのお寺の近くを流れる川の
川縁にあったもみじの木。
子どもの頃、初めて色を意識した瞬間。
「若葉って透けるんだ。」
この透け感が
この色を好きになった理由。
春先の陽射しで
キラキラと水面が光る。
そのきらめきの上に
透けて水面が映りそうな、もみじの若葉。
この世で一番美しいもの。
宝物のような記憶。
🌱 🌱 🌱
イシノアサミさんのひと色展。
「色・・・。」
と思った時に、この色を探していました。
色んな緑があって
何度も何度も見比べたけど…
やっぱり、この色が一番近い!
初めて《いろ》を意識した日。
《いろ》との初恋ですね💕
アサミさん
懐かしい思い出がよみがえりました。
素敵な企画、ありがとうございました✨
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