見出し画像

バイクツーリング 〜静岡 富士山〜 その1



朝、寝坊した。


こんな感じ。


娘のお弁当。
今日のおかずは、ナマズ。

息子がさばいて、フライにしてくれた。

とっても謎な入り方だけど
なぜか?は今度書くとして・・・

みなさんも、ちょっとひと月前に記憶を巻き戻してみてくださいね。


  🏍                  🏍                  🏍


10/4。今日は寒くなさそう。
タートルの長袖にウィンドブレーカー程度の上着を着る。


富士山は寒いって言ってたな。


Tシャツを丸めてリュックに押し込む。
寒くなったら長袖の上から着て、寒さを防ごう。


弁当を作り終えた頃、娘が起きてきた。

「いってらっしゃーい!」

娘に送り出してもらって、家を出た。


富士山を探す。
少し歩くと、見える場所がある。


いない・・・


富士山は見えない。



今思えば、一昨日。
初日が一番よく見えた。

薄く霞んでいたんだけど。


早起きだってしてたのに。

(このnoteにその時の様子が書いてある)


でも、動画を投稿した達成感と満足感から、走りに行く気持ちが湧かなくて、行かなかった。
10/3、4と、あと2日空けてあったから。


でも、翌日も行けなくて。


空けてある最終日。
もう次はない。

富士山が見えなくても行こう。

近くに行っても見えなかったら、また来よう。


朝、家の近くから富士山が見えなかった時点で、腹を括ったような気持ちになった。

欲が消えた。

無心になった。



バイクを出し、出発する。

緊張している。


なぜか?


初めて走る道だから。



横浜町田インターに向かう。
今までとはちがう道。

車がそれなりにいる。

そっか。
今日は月曜日。平日だ。


通勤ラッシュに巻き込まれないように、早く出るはずだったのに。

今、まさに通勤ラッシュ。

周りは、車だらけだ。


自分が小さなちっぽけな物体に思えてくる。


こんな小さい物がちゃんと見えるんだろうか。


周りによく見えるように、背中を立てて大きく見せる。

車はわたしが見えなくて、今にも寄って来そうだ。


怖い・・・


不安が募る。

こんなにたくさんの車が色んな方向を目指して走っている中、事故に遭わずに無事に走り抜けられるんだろうか。


寝坊したことを後悔する。


済んだことは仕方ないけど・・・

そう。
済んだことは仕方ない。

今の最善を尽くそう。
事故なくここを通り抜けよう。


気持ちを切り替えて、グッと心を引き締めて、周りの状況を見ることだけに意識を集中した。



渋滞を過ぎ、少し車の流れが速くなる。

空が目に入った。


いい天気だ。


風も心地よい。


10月にしては暖かい今日の天気。

走りやすい気候だ。


富士山はどのくらい寒いのかな。


富士山に逢えると思うと、ワクワクする。

富士山はわたしの心の友。


ふだん、一人でも平気だけど、寂しくなる時がある。

そんな時、富士山を見に行く。


ずっと、近くまで行けなかったから、家の近くから遠く小さい富士山を見てきた。


富士山は、いつもあそこにいる。

見えると嬉しくなって、気持ちが上を向いたし、雲に隠れていても、そこにいるはずの富士山を想った。


心のよりどころなんだろうなぁ。


今日は、その富士山に逢いに行く。

今は、雲に隠れて見えなくても…だ。



インターが近づいてきた。

いよいよ高速だ。


ETCの機械はついているのに、まだカードを作っていない。

だから、ゲートは一般。

これが結構怖い。


ETCと一般が通れるゲートがある。

ここで止まって通行券を取っているところに、ETCの車が来たらどうなるか?


突っ込まれるよね。

それが怖い。


だから、なるべく一般と書いた緑のゲートを探すんだけど、端っこのことが多くて、ゲート前でみんなの前を斜めに横切らないといけない。

これがまた怖い。


車も自分の状況に応じてゲートを選択する。

結果、ゲート前は色んな車の行き先がクロスするのだ。


車も必死だから、周りが見えてなかったりする。

お互い真横は死角だから、近いほど見えてなかったりする。


そろそろホントにETCカード作ろう。


自分の腰の重さにため息をつきながら、心からそう思った。



ゲートをくぐった。

横の車が、わたしの前に入ってハザードをつけてくれた。


ありがとうの合図だ。

なんだか嬉しい。


ぐるっと回り込むカーブが楽しい。
車が続くのでスピードは上げられないけど。

バイクを傾けてぐるぐる周りながら、走る楽しさでワクワクしながら、ようやく東名に合流した。



東名。
ここからは混むポイント。


まだここまでは渋滞が延びてないんだな。


それなりに流れる車の流れに乗りながら、どこでどの車線を走るか考えた。


わたしは、高速は基本右車線を走る。
一番、車速が速いから。


でも、渋滞の時は、左車線を走る。
流れが一定だからだ。


渋滞の時の右車線は、車の流れがギクシャクすることが多い。

前が空くとアクセルを踏み、詰まるとブレーキを踏む。

この度合いが大きい気がする。

結果、流れがギクシャクするのだ。


左は合流地点があると、出て行く車で流れが速くなり、入ってくる車で流れが遅くなり…とはなるけど、全体的に流れがスムーズだし、何より何か起こったら路肩に逃げられるという心理的な安心感が大きい。

だから、前が混んでくると車線を変更して、右→左と移るのだ。


いつ混み始めるのかな?


ドキドキしながら右車線を走る。

なかなか混まない。


「いつかな。どこからかな。」と思いながら走っていたら、なんとなく渋滞ポイントを過ぎてしまった。


あれ?


おかしいなと思いながら、周りを見る。

歩道橋に目が入った。
面白いことが書いてある。

(覚えておこうと思ったのに…
 すっかり忘れて思い出せない。)


歩道橋からおじいさんと柴犬がのぞいていた。


さんぽかな。


じっと高速を見つめている二人(一人と1匹)

毎日こうやってのぞいているのかなと思った。



休憩しよう。


海老名サービスエリアで休むことにした。


車線を左に移動する。

看板を見ながら左ウィンカーを出し、海老名サービスエリアに入っていった。


ベンチが見えた。

目の前に停めよう。


バイクを路肩に停める。

ヘルメットを脱いだ。


前方の山を見る。

画像1


富士山は見えない。


いいんだ。富士山が見えなくても。
近くに行けるだけで。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?