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バイクツーリング 〜神奈川 箱根〜 後編 その1
着いた! 頂上だ。
大観山。
こんなにバイクがいるのは初めてかも。
いつも平日に来ていたんだな。
じゃまにならない位置にバイクを停めた。
ヘルメットを脱ぐ。実は恥ずかしい。
ヘルメットを脱ぐ時に人がいるのが苦手。
見られてる気がするから。
気にしすぎならいいんだけど。
女性が一人でバイクに乗っているのは珍しい。
昔はもっと珍しかった。
バイクに乗ってる子なんてあまりいなかった。
今は増えたなと思う。
というわけで、人が多い駐車場で子リスのように小さくなりながら、ヘルメットを脱ぎ、人を避けて、上のラウンジに向かった。
ここが開いてるのは初めてかもしれない。
平日の早朝だから、いつも開いてなかったのかな?
中に入る。
バイクが置いてある。
中央は食べるところ。
ヘルメットや雑貨も置いてある。
左のお店に行ってみた。
ホットドッグなら食べられるかな。
室内は気になるから、外で食べたい。
カレーライスは辛いから絶対食べられない。
プレーンで600円もして驚いた。
待っている間に、窓から外を見た。
芦ノ湖だ!
だいぶ待ったけど…
受け取ったら、パンがホカホカしてる。
嬉しいかも!
奥のガラス扉を開けて、外に出た。
歩道橋で、さっきバイクで通った道を渡る。
空を見上げる。
青空がまぶしい。
視界をさえぎるものがない。
空が広い。
風が涼しい。
山のてっぺんは心地よい温度で気持ちいい。
風が吹く。
深呼吸する。
やっと来られた。
ここに来たことをしみじみ感じた。
歩道橋から、景色を見渡す。
向こう側に降りた。
ベンチに腰かけた。
目の前の景色。
今買ったホットドッグ。
美味しい!!
これは、また食べたい美味しさ。
また来るきっかけができた。
食べながら、景色を見る。
どうしよっかなぁ。
ここまで来て、今、お昼。
ここでUターンするかこの先に行くか・・・
時間的にも距離的にもここで帰り始めた方がいい気がするけど…
空が呼んでるんだよね。
もっと走ればって。
今日はまた夏空で。
まだ疲れてないよって身体も言うんだよね。
そんなことを思っていたら…
あっ!富士山!!
もう少し行ってみようかな。
とりあえず、芦ノ湖まで。
ブランコもあって、乗ったらハイジになれそうだったけど、酔っちゃうのでやめといた。
もう一度、歩道橋を渡ってラウンジに入る。
2階にストリートピアノがあるのを発見!
ここで弾けたらカッコいいけど、覚えてる曲がない・・・
やっぱり一曲は、楽譜なくても弾けるようにしよ!
そう心に誓った。
さぁ。出発しよう。
芦ノ湖は右折。
今、遠くに見えていた芦ノ湖まで一気に降りる。
アクセルを開け、下る。
カーブに近づくとブレーキをかけながらバイクを寝かせていく。
体が前に行っちゃうので、腰をずらして太ももで体を支える。
右に曲がる時は右に腰をずらして左ももで。
両手に力がかからないようにフリーに。
スピードの落ちが足りない時は、リアブレーキを踏み足す。
体を少し、カーブのイン側に投げ出す。
(わたしはハングオンという乗り方が好き)
外足だったり内足だったり、時と場合でステップに乗っている足に力を入れる。
バイクは、色んな方法で地面に食いついて安定させることができるから。
カーブの中心で一番イン側につき、アクセルを開け始める。
加速に合わせて、傾いていたバイクは起きてくる。または、カーブに合わせて意識して起こす。
バイクの角度とカーブのRが合うと、アクセルを開けるとカーブの外側に向かって気持ちよく加速する。
路肩に寄りすぎないように。
寄りすぎそうなら車体を起こす。
直線で加速。また次のカーブに備える。
下って、右。また下って、左。
どんどん標高が下がるのがわかる。
遠くに見えていた芦ノ湖が、ちらりと見えたらとても大きくなっていた。
車がいたりいなかったりしたけど、けっこう細かいくねくね道をどんどん下っていった。
楽しい!
ターンパイクより楽しいかもしれない。
4ストのエンジンブレーキって、下りもこんなに安全に走れるんだね。
そう思うと、今までどんだけリスキーなバイクに乗っていたのかなと思う。
と同時に、やっぱり物足りない気もする。
大好きだった2ストバイク。
また乗りたいなぁ。
芦ノ湖に着いた。
芦ノ湖はこのイメージ。
後ろを向いたら、知らない建物があった。
ここは、箱根駅伝の往路ゴール地点でもあり、復路スタート地点でもある。
こんな建物ができたんだなぁ。
中に入ろうかな?とのぞく。
でも、入館料が必要なので諦める。
さて、芦ノ湖まで来たけれど。
ここまで来たら行くでしょ!
行くよね!
もう1箇所。
走りたかった『芦ノ湖スカイライン』
芦ノ湖からスカイラインまでの道のりは、さっき大観山でよぉく地図を見ておいたから大丈夫。
心地よい疲労感はあるんだけど。
行こう。
せっかくだから。
せっかくここまで来られたんだから。
右手はまだ大丈夫そうだから。
自分を励まし、夏空に背中を押されて、芦ノ湖スカイラインに向かった。