見出し画像

がんを伝える // キセキ37

こんにちは。
幸紗チサ(さちさちさ)です。ご訪問ありがとうございます!

この記事は、こちらのマガジンの記事です。

👈前の記事 / 次の記事👉


お盆も過ぎて、気づけば早朝や夜には秋の虫の鳴き声も聞こえるようになりました。まだまだ暑い日は続きますが、秋の気配が見えてくると、私は少し心が安らぐのです。

それは、厳しい暑さが和らいでくることだけでなく、今年もなんとかここまで生きて来れたなぁ😊としみじみ思えるからです。皆さまは、いかがお過ごしでしょうか?

さて、今回はがんについて周囲へ「伝える」ことについて、自身の経験とも照らし合わせて考えていきたいと思います。あなたは、ご自身が大きな病気の告知を受けたとき、どう伝えるか、または伝えないか。これは正解のない課題ですが、私自身の経験が誰かのお役に立てれば、と思っています😊

この記事の内容は、個人の経験と学習に基づく記事です。そのため、全てのケースに当てはまるものではありませんので、ご了承ください。

では、どうぞ!


誰に伝えたか?そのタイミングは?

私の場合、がんの告知を受けたとき、伝えたのは身近かつ最低限の人たちだけでした。それは、夫、両親、職場の上司と同僚です。最低限に絞った理由は、不要な心配をさせたくなかったことと、たとえ私の病気を知ったところで、お互いに何かメリットがあるだろうか?と考えたからです。

身近な家族に対しては、既に私の身体の異変には気づいていて、受診を促されていたこともありました。私自身も、伝えないことのほうが、却って不安にさせてしまうという思いもあり、病名は告知を受けたその日のうちに伝えました。

さて、当時の状況をもう少し掘り下げて振り返ってみましょう。

家族

夫・両親

夫と両親には、告知を受けたその日のうちに、メールで伝えました。前述の通り、どちらも私の身体の異変には既に気づいており、一刻も早い精査を求められていたためです。当然、結果も分かり次第伝えるよう言われていました。夫に当時のことを振り返り、なぜ知らせて欲しかったのか改めて聞いてみました。

「僕は知らないと困る。家族には健康でいてほしいし、病気だとしたら助けたい。入院、手術、薬とか、病気になったことで、家族を助ける必要があったとしても、知らなかったら助けられない。なので、僕にとって知らないということはあり得ない」

一緒に暮らしている以上、相手の変化には何かしら気づくものです。それを知らないままでいるのは、却って不安が強まってしまうのは私も同感です。また、何か困りごとがあったら助けたいと思ってくれる気持ちは、大変ありがたいことだと改めて感じました。

きょうだい

私は、きょうだいには自分からは伝えませんでした。相手は私の身体の異変を知らなかったことや、私自身が不要な心配をかけたくない思いもあり、落ち着いてからでもいいかな?とも考えていました。しかし、親が伝えてくれたので、入院の時にはお見舞いに来てくれました。


義両親

義理の両親には、夫から伝えてもらいました。大変心配してくれて、治療中も本当にいろいろとお世話になりました。遠方のためお見舞いは遠慮しましたが、元気になったら顔を見せに行きました😊また、病気をきっかけに、ますます家族としての絆が深まったな、と思っています。


親戚など

当時、片方の祖母は存命でしたが、かなりの高齢ということもあり、残りの時間は穏やかに過ごして欲しかったです。その為、最後まで伝えずこれまで通り会っていました。また、その他の親戚にも、特に伝えることはありませんでした。

このように、家族や親族との関係性やタイミングによっても、伝える必要性は変わってくるのだな、と思いました。


職場

一方、職場に対しては業務上の配慮なども発生するので、伝えることは必要だと私は考えていました。

上司

今後、治療のために休業なども発生すると思われたので、上司には次の出勤のタイミングで伝えました。初めは驚いていましたが、可能な限り力になってくれる、と言ってくれたのは大変心強かったです。自身の病気について職場に伝えることは、今後も安心して働く上では必要なことかな、と私自身は考えています。

同僚

私は、入院・手術のために現場を異動するため、いつも一緒にランチに行っていた別部署の同僚にも伝えました。やはり初めは驚いていましたが、いつの間にか、いつもの話題になっていました🤣

転職先

既にがん治療は落ち着いた後ですが、異業種から医療を目指した動機として、がんの経験は必要でした。履歴書には「病院でのボランティア活動がきっかけで、医療に関する興味が深まりました」とは書きましたが、その時点ではまだがんのことについては触れていません。面接に呼ばれた際に「では、なぜ病院でボランティアを始めたのですか?」と必ず聞かれましたので、ここでがん経験について説明する必要があったのです。初めは少し驚かれましたが、それなりの説得力はあったものと思われます。

職場の先輩方も私のがんは知っていますが、だからといって特別扱いをされたことはないです。むしろ、がんではないけど辛い病気で長いこと苦労されている方もおり、皆さん何かしら抱えているものだな、と思っています。


伝えられた側の立場から

さて、次に伝えられた側の立場から、「伝える」ことについて振り返ってみたいと思います。

パートナーとして

私は、パートナー(現夫)のがん告知に立ち会ったこともあります。既に体調に明らかな異変があったので、「まさか?」と思っていた矢先のことです。ある程度の覚悟はあったものの、やはり告知を受けたときは「やはりそうか……😔」という深い衝撃を受けたものです。しかしながら、病名も知らずに不安を抱え続けることは、もっと辛かったと思います。

病名を知らないと、その病気の特性を知ることができないですし、今後起こり得ることも想像できません。仮に余命が短いとしたら、なおのことです。私は「あの時、知っていたら!」というのはできるだけ避けたいと考えています。そのため、少しでも今の状況をクリアにしておきたいと考えているのです。

私は、相手の意向も尊重したいとは思いますが、きっと今後も夫など身近な家族に対しては、まず私にも病名は伝えるように希望すると思います。

孫として

私のもう片方の祖母は、がんで早く亡くなりました。病名は、親を通して聞きました。抗がん剤治療も行っており、髪の毛が全部抜けてしまうことも事前に聞いており、お見舞いに行ったときに「あんまり反応しないであげて!」と事前に親から言われていました。当時の私は小学生でしたが、子どもなりに状況を察したのでしょう。お見舞いに行ったとき、髪の毛のない祖母を見てもあまりに無反応だったため、祖母が拍子抜けてしまったくらいです😅

ちなみに、祖母は私が怖がってしまうことを心配していたようです。しかし、私としては、たとえ髪がなく骨と皮だけの姿になってしまっても、その姿さえ愛おしかったくらいなのです。これも、予め心の準備ができていたので、現状を冷静に見つめるゆとりがあったのかもしれません。

当時はがんの予後は今ほど良くなく、みるみる祖母がやせ細っていってしまった記憶が鮮明です。それでも、私のピアノの発表会には来てくれたなぁ……😢お見舞いのときには、一緒に病院のベッドで寝たものです。お互い少しでも良い時間を過ごすためにも、伝えてもらったことはあらゆる意味で良かったのかな、と今では思います。


伝えても伝えなくてもいい!

いかがだったでしょうか?

今回は、がんなど重大な病気がわかったとき、誰にどう伝えるか?という内容を私自身の経験を交えて書かせていただきました。

伝える、伝えないはご本人の意向や、相手との関係性、またそのときの状況によって、絶えず変化し続けるものだと思います。やはり、まずはご自身がストレスにならない方法が一番良いのかな、と思います。

今回の記事も、私個人の経験ではありますが、お役に立てたら嬉しく思います。

今回も、最後までお付き合いいただき、ありがとうございます😊💕


👈前の記事 / 次の記事👉

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?