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AYA がんをきっかけにキャリアチェンジ // キセキ26
こんにちは。
幸紗チサ(さちさちさ)です。ご訪問ありがとうございます!
この記事は、こちらのマガジンの記事です。
気づいたら10月も末日ですね!今月はイベントが目白押しであわあわしていました😅
さて、10月29日に開催された第19回がん患者大集会。今回は「ピアサポートのこれから」をテーマに語り合いました。
今回は、私の発表したスライドと原稿をそのままUPします👍✨
(文中の名前は、ブログ用ハンドルネームに変換させていただきました)
この記事の掲載は、当団体の理事長からも快諾をいただいています。本当にありがとうございました。
では、どうぞ!!🥰
最初の挨拶
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こんにちは。私は、がん患者団体支援機構 ピアサポーターの幸紗チサと申します。よろしくお願いいたします。
私からは、「AYA がんをきっかけにキャリアチェンジ」というテーマを用いて、私自身の経験を踏まえピアサポート活動のこれからを考えてみたいと思います。
自己紹介
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まず最初に、私についてお話させて頂きます。
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私は、1979年 東京都生まれで、現在は43歳です。5年前に38歳で右乳がんになりました。ステージ1で、部分切除と放射線治療、ホルモン治療を受け、現在に至ります。がんに罹った年代としては、「AYA世代」に該当します。
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私は現在、当機構のピアサポーターとして、おもに東京医科歯科大学病院、東京都立駒込病院、武蔵野赤十字病院で活動しています。患者サロンでは、司会進行役として、対面相談では直接お話を伺ったり、電話でのご相談も行っております。
ピアサポートとの出逢い
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次に、私とピアサポートとの出逢いについてです。
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私は、がんの治療を通して人生観が変わり、お世話になった駒込病院でのボランティア活動中に、ピアサポートに出逢いました。
私ががんに罹った当初、その病名はあまりに重く感じました。先の見えない不安に悩まされ、自分の生きる意味も疑う日々でした。
しかし、病院の皆さまには、私に寄り添った手厚い医療を提供していただき、幸いにも元の生活に戻れました。これは、今後の私の価値観が大きく変わるほど感動的な出来事でした。
これを機に、治療でお世話になった駒込病院の皆様へ感謝の気持ちを込め、ボランティア活動をはじめました。そこでの活動中にピアサポートを知り、興味をもったのです。
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私は、現在も駒込病院で外来ボランティア活動を行っています。これまで人と接することが苦手でしたが、そんな私の手助けでも、「ありがとう」と喜んでくれる方がたくさんいらっしゃいました。それは、これまで味わったことのない感動でした。
これを機に私は、自らのがん罹患経験が誰かのお役に立てないだろうか、と考えるようになりました。そんなある日、意を決してその日来られていたピアサポーターへお声がけし、とても歓迎いただいたことを覚えています。その後、私も研修を受け、ピアサポーターになりました。
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ピアサポーターは、がんの経験者やその家族本人が、患者さんと同じ仲間としてお話を伺うものです。最初は私がどこまでお役にたてるのかわかりませんでした。
しかし、実際にピアサポートを始めてみると、お話を伺うにつれ笑顔を見せてくれたり、患者サロンでリピートしていただくこともありました。これは、他では味わうことのできない嬉しい経験であり、新たな活躍の場になるのでは、と感じました。
特に、AYA世代でがんの経験をされた方はそう多くはないと思います。そのような方々を含め、皆さまへ少しでも寄り添うことができるようになりたいと思いました。
また、さまざまながん経験者の方と出会い、これまでとは違う新しい関係もできました。私は、ピアサポーター仲間の皆さまから「ひとりじゃない!」と気づかせていただきました。もし、今後何かあったときでも、皆さまと一緒ならば、きっと乗り越えられると信じています。
私は、そんなピアサポートの世界について、もっと知りたいと思うようになりました。
会社員から医療業界へ
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では、次に私が会社員から医療業界へキャリアチェンジするまでのお話です。
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私は活動を続けるうち、引き出しをもっと増やし、さらなる成長を目指せないかと考えるようになりました。そして、たどり着いたひとつの資格が、社会福祉士です。医療の世界でも大勢活躍しており、医療ソーシャルワーカーまたはMSWと呼ばれています。たとえば、がん拠点病院の相談支援センターの相談員さんもそのひとつです。
社会福祉士は、人間について学ぶ学問でもあるので、ピアサポーターとしても非常に役に立つ資格だったのです。私は学校へ入り、今年の3月には無事に資格を取得しました。
がんに罹った当初、私はIT系の会社員を10年以上続けてきました。しかし、資格取得後は、急性期病院のMSWとしてキャリアチェンジをしました。
医療の現場は、人の人生が係わる分、とても大変な現場だと思います。そして、貴重な経験をたくさん積める場でもあります。患者さんに、安心してご自分のことをお話いただくには、聴く力、話す力が不可欠です。そして、豊富な専門知識や、柔軟な対応力なども身につきます。
このように、ピアサポーターとしての素養を磨くために、必要な多くのことを身につけることができるのです。
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私はがんの経験を通して、人生は一度きりであるということに気づき、自分がいま生きていることに対する感謝の気持ちが芽生えました。たとえ今は厳しい状況でも、毎日を大切に生きることで、その先を見据えて頑張れるのだと思います。これからも、未来へ向けて成長していきたいです。
これからについて考える
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さて、ここからは私の考えるピアサポートのこれからについて、お話いたします。
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ひとくちに「がん」と言っても、がん種や年齢など、その人を取り巻く状況によって異なり、そこで経験したことは人それぞれだと思います。
そこで、一人ひとりの経験談を共有し合うこと、また、その方法を作り上げていくことが、これからのピアサポートに大切ではないかと私は考えます。誰かのエピソードが、誰かの生きる勇気になるかもしれません。今回お話した、私のエピソードもそのうちのひとつになればと願っています。
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さて、私は働くAYA世代でのがん経験者の一人であり、AYA世代のがん患者さんの支援についても、興味があります。AYA世代は仕事や学業など、日々の生活に忙しい年代でもあります。
がんのことについて話したくても、身近に相談できる人がいなかったり、話す機会に恵まれない方も多いのではないでしょうか。また、実際に支援の場へ足を運ぶにも、最初はなかなか一歩踏み出せないものだと思います。
そのため、ふと思い立ったとき、手の届く場所にさまざまな支援の手があることが、とても大切ではないかと思います。
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ピアサポートも同じで、手の届くところに存在することが大切です。ピアサポーターはいつでも私たちのそばにいる、と感じるだけでも安心感は違います。そのためには、ITなどを活用し広く発信することも大事だと思います。
たとえば、さまざまな経験談などを、多様な方法で、気が向いたときにいつでも見てもらえるようにすることも、ピアサポート活動のひとつだと考えています。そして、支援団体や医療機関などをSNSでフォローすると、関連する情報も流れてきますので、情報共有の場として有効です。私自身も経験談を「AYAがんのキセキ」というブログに綴っています。
このように、必要な時にいつでも繋がることができるよう、ピアサポーターはいつでも私たちのそばにいる、と知っていただくための活動も、これからのピアサポートには大切だと考えています。
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このように、ピアサポーターの存在を心の片隅においていただくことが、「もしかして、同じ境遇の人もいる?」という気づきへとつながるかもしれません。
そして、これが実際にピアサポーターと会ってお話しする機会へと発展していければ、素晴らしいと私は思います。しかし、実際にお話しするのは、個人同士では敷居が高いことでしょう。そのようなときこそ、私たち支援団体の出番です。
私が初めて、「がん患者団体支援機構」の皆様へお会いしたとき、とても懐の広い方たちだと思いました。そのため、年代は違っても居心地が良く、現在に至ります。もし、今はなかなか一歩踏み出せない方でも、きっと優しく寄り添っていただけるのではないかと思います。
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さて、支援団体も多様であり、それぞれの色があります。そんな団体同士で横のつながりがあると、より支援の幅が広まるのではないでしょうか。
そのためにも、日頃から自らの活動内容を発信し、一人でも多くの方へ知っていただくこと、そして自分の興味関心のあるイベントなどに参加していくことも、大切だと思います。
さまざまな方との交流をもつことで、また新しいつながりもできるかもしれません。こうして、今後もピアサポートを展開させ、充実させていくためのお力になれれば、私もとても嬉しい限りです。
最後に
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最後に、私の今後のピアサポートに対する思いをお話いたします。
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私に多くの経験と学びを与えてくれる場であり、がん患者である私自身の活躍の場。それは、ピアサポート活動です。これらは、私自身の今後の人生を豊かにするための経験を積める、貴重な場でもあります。
AYA世代がん経験者の方にとっても、きっとこれまでになかった新しい経験となり、今後に活かすことができるのではないか、と私は考えています。
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最後に、私が今後もピアサポート活動を続けていく上で大切にしたいことを、お話させていただきます。
まず、継続は力なり。ピアサポーターの存在を知っていただくことはもちろん、実際につながるまではさらに時間がかかるでしょう。そして、必要な時にいつでもつながることができるよう、これからも活動を続けていきたいと思います。
そして、常に進化を!時代は常に変化しますので、その時にあったピアサポートのあり方を、考えていくことも大切だと思います。これからも向上心を持ち続け、有意義なピアサポート活動を続けていきたいと考えております。
一人でも多くの方に寄り添えるよう、これからも精進していきますので、今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
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ご清聴ありがとうございました!!
いかがだったでしょうか。
今回プレゼンは初挑戦であり、至らぬ点も多々あったこととは思いますが、素晴らしい経験をさせていただいたことに大変感謝しております。
これからも、自分の思いを発信していくための力量を上げるべく精進していきます。今後とも、どうぞよろしくお願いします😍