【連載9】私の学校物語
【昭和、平成、令和の3時代を駆け抜けた私の学校物語】
1988年(昭和63年)春
本採用として本格的な教員生活がスタートした。
初任校は自宅からバスと電車で片道1時間。
あの頃は自動改札機はなく、JRも私鉄も駅員が切符を切っていた。
23歳。赴任してすぐ中学1年生の担任となった。
その2ヶ月後に結婚。
あまりにも無謀な進度だった。
父は同じ市立中学校の校長、母も教員をしていた。娘の無謀な動きに心配は尽きなかったろう。ここに記しながらようやくこの時の両親の思いを感じることができている。
しかし、体力も気力も無かったのになぜそんなことができたのか。
初任校に着任して2ヶ月後に結婚なんて。
それはひとえに家を早く出たかったから。
厳格な両親のもとから一刻も早く離れたかったのだ。
5月の下旬、学年主任の先生と遠足の下見に行った。その時に結婚することを伝えた。
6月、結婚式。
担任クラスの生徒たちが式場のロビーに来てくれた。
結婚式のことは37年も前のことなので、薄ぼんやりとしか覚えてない。
式の翌日から2泊3日で沖縄に行った。
飛行機の中、家を離れるのが怖くて悲しくて泣いたことははっきりと覚えている。
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