人類の叡智の上にインスタ映え。
今日は噂のインスタ映えの女王「タピオカミルクティー」を買ったので、これを起点に人間の食に対する貪欲さについて考えていこうと思う
タピオカと言えばインスタ映えだ。というのは私が思っているだけでもうJKに言わせれば古いのかもしれないが、それでもなおインスタ映えの一時代を築いた風格を漂わせている、と思っている。
だが、そのバエバエのタピオカの「原料」について考えたことはあるだろうか。
フォトジェニックになってしまった粒々からは想像が難しいが、タピオカの原料は南米原産の「キャッサバ」という芋の一種なのである。
因みにこれはキャッサバではなくうちにあった里芋だ。ちょうど旬なので美味しい。が、今は関係ない。ただ何となくお披露目したかったのだ。
キャッサバ芋もこんな風に、地中に大きく根を張る芋なのだ。そしてそれを精製したデンプンがみんな大好きタピオカなのである。あまりフォトジェニックではないところからインスタ映えの原料は生まれる。
そしてここからが本題なのだが、この映えの原料「キャッサバ」は毒芋なのだ。生のキャッサバにはシアン化合物という青酸カリと同種の毒が含まれ、物にもよるが下処理を行わずに食べると命を落とすことさえあるようだ。恐ろしい。
私はこれを聞いて「ソテツ」を思い出してしまった。ソテツと言うのは沖縄等で見られるヤシの木みたいな南国っぽい植物だ。食用とすることもできるのだが毒があり、過去の食糧難の際には毒抜きが不十分なソテツで多くの人々が命を落としたそうだ。と歴史の教科書には書いていたりする。
キャッサバについても、過去には恐らく命を落とした者がたくさんいたのだろう。そんな脅威にもなり得るキャッサバ芋。だがそれによって精製法が編み出され、現代の私たちは安心してインスタ映えができているのである。昔の人には頭が下がる。
同じく毒のある美味な食べ物として「ふぐ」がある。これに関しては本当に死んでしまうほどの毒だが、昔の人は毒に当たってもいいから食べたいなんてロックなことを考えていたようだ。私としては食事ごときで命を落とすのはごめんだが。
食糧難でやむを得ずという場合もあったのだろうが、死ぬ危険があるにも関わらず「食べたい」という一心で人は調理法を研究し、食べられる食べ物の幅を広げてきたのだ。この貪欲なまでの食に対する探究心には本当に頭が下がる。
こうしてみるとインスタ映えは、過去の人類の叡智の上に成り立っているのである。人類の叡智の上にインスタ映え(字余り)インスタグラマーとJKは感謝した方がいい。
. . .とまあこれを言いたいだけの文章だったのだが、実際本当のことである。少しこんなところにも目を向けてみてもいいのでは と思ったので書いてみたのだ。
ところで買ったタピオカミルクティーにこんな記載があった。
「のどに詰まる可能性がありますのでご注意ください。小さなお子様やお年寄りの方はご遠慮ください。」
死の危険は別に毒があるところにあるわけじゃ無いのだ。すぐそこにある。食べ方を間違うとどんな食べ物も凶器になり得るということだ。
まるで正月の餅を喉に詰まらせる高齢者へ向けた文言だ。他にもこんにゃくゼリーとか色々あるが、タピオカもその類の食べ物ということなのだろう。
多分私がおばあちゃんかおじいちゃんになっても、別に餅くらいで死ぬことは無いだろうと言って餅を食べ続ける気がする。餅は危ない とこれだけ言われているのだから頭では分かっていても、それでも人はやっぱり変わらず餅を食べ続ける。餅を食べることをやめられないのである。
やっぱり人間の食に対する貪欲さはすごい。生きるために食べるのに、食べ物で命を落としたりするのだ。だからそんな本末転倒にならないように、これからも食べ続けれるように、タピオカもお餅もよくかんで食べよう。
因みにこの文章は動画になっていたりします。
BGMは私の即興ピアノです。できた映像を楽譜にして、たらたらとピアノを弾いているスタイルでピアノブログを始めたので、よかったら見てみてください。
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