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ブルーベリーと鳥たちのWin-Winな関係

実家の庭には一本のブルーベリーの木がある。確か小学校の時だったか、お家で育てる植物のチラシみたいなやつを学校からもらってきて、その苗を買って植えたのだった気がする。

私の地元の学校ではたまに、花とか果物の苗木のチラシが配られたりしていて、あれは他所でもそうなのか、ここ独特のものなのかは分からないけれど、それを見ていると何となく何か育ててみたくなったりするのだ。そして、せっかく植えるなら実がなるのがいい、とか思ったりする。超実用的でエモみのない発想だけど、やっぱり食べれるのは嬉しい。今ではもう背丈が2メートルくらいになって、毎年立派に、普通に使い道があるくらいの恵みをもたらしてくれている。

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そんなうちのブルーベリーがまた実をつける季節になった。すごいなあ、君。なんて早朝にぼんやりと考えながら眺めていると、どこからか2羽の鳥がやってくる。

なんていう鳥だろう。スズメとかのよくいる感じのじゃなくて、もうちょっと大きくて野鳥味のある、ちょっと見慣れない感じの方々だった。ブルーベリーの枝は止まるには細くてビヨンビヨンしなっていたけど、その上で器用に実をついばんでいる。

あーなるほど、この子たちだったのね。
何だか最近収穫が少ないような気がしてたけど、こんな可愛いお客さんがいたとは。

こういう時に人間サイドとしては、追い払うとか、鳥よけのネットをつけたりするんだろうけど、まあ、別にそこまでしなくていいかなと思って、しばらく食事風景を眺めていた。結局いつもそんなに食べずに終わるし、それが鳥たちの恵みになるならそれはそれでいい。いつの間にかよそ様も養っていたなんて、この木も偉大になったものね。

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鳥と人との、こんなゆるい関係性はすごく理想的かもしれない。人が植物を育てて、そのほんのちょっとを鳥がもらっていく。人も人で「あったら楽しいよね」くらいの気持ちで育ててるわけだから、ちょっと持っていかれても気にならない。ゆとりの中で生まれるゆるーい関係。もちろん私が農家だったら困るんだろうけど。

無理して相手のために与えるのは結局辛くなるし、長続きしない。けど余裕のある範囲内で、「よかったらどうぞ」ができたらすごくいい関係だよね。なんて思う。世の中の人と人との関係も、犠牲のもとに成り立つ奉仕じゃなくて、もっとこんな感じに、無理のないゆとりあるものだったらいいのに。。

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名前も知らない鳥のお食事風景を眺めながらそんな事を思ったけど、よくよく考えたら 鳥とブルーベリーの関係性 はさらに先を行っている。

鳥は一見ただ食いしているようだけど(そもそもただ食いと言う概念が人間独特だが)実はブルーベリーの種を遠くまで運んでいたりする。ただしあまり綺麗じゃない方法で。方法はともかく、ブルーベリーにしてみれば鳥は自らの種を運んでくれる便利屋さんで、その果実はちょっとしたありがとうの気持ちなのかもしれない。

すごいのはちゃんとWin-Win の関係だってことだ。ブルーベリーは甘い果実で鳥を誘うだけじゃなくて、ちゃんとごちそうしてお腹を満たしてあげる。鳥さんも美味しいご飯が食べられて、その余力でこっそり種を運んでいるのだ。どっちも損してないし、ちゃんと幸せになっている。これは本当にすごい。

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「Win-Winの関係」って言いながら、実はWin-Winじゃないことは世の中でよくある。片方がWin-Winだね って言ったら、もう片方は腑に落ちない何かを抱えながらうんと言わざるをえなかったり。結局どっちかがどっちかに食われていることは多いのだ。でもここの関係は、ちゃんとどっちも幸せだから関心してしまう。そう考えると植物はマジでマーケティング上手過ぎで、超一流のインフルエンサーだってことが分かる。(世のインフルエンサーはマジで見習った方がいい。)

Win-Winの関係 とか利害関係の一致とか、そういう言葉はなんかすごくビジネスライクで正直あんまり好きじゃない。でも本来はこんな風に、あったかい関係の事を言うんだろうね。身を削って与えるでもなく、搾取するでもない。お互い無理してないけど心地いい。そんなゆるやかな関係が広がったら素敵なことですね。

そんな事を思う人間でした。

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sacco piano
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