理由がなければ、子どもを預けちゃダメですか?
【ファミリーサポートセンター】という制度をご存知だろうか。
市区町村が行う【地域子ども子育て支援事業】で、全国863市区町村(2017年度実績)で行われているこの制度。
育児の援助を【お願いしたい人】と【したい人】を結びつけ、近場の地域内で子育ての援助活動を行う組織である。
たとえば、
✔︎保育所の迎えが時間的に間に合わない。
→援助したい人が、代わりに迎えに行く。
✔︎学校が学級閉鎖で子どもが学校を休まざるをえないが親は仕事を休めない。
→援助したい人が、代わりに子どもを預かる。
✔︎親が病院を受診する間子どもを見れない。
→援助したい人が、代わりに子供を預かる。
など、ちょっとした子どもの預かりを身近な地域の人がサポートしよう、という制度である。
設立時は【働く人々】の子育てまたは介護の両立を支援する目的であったが、現在では育児のサポートの対象は【子を持つ全ての家庭】に広がっている。
またこちらの制度は有償ボランティアで成り立っている。
〈子どもの預かりをお願いする側〉と〈子どもの預かりをする側〉が直接お金のやり取りを行うのだ。
(活動報酬は市区町村によって異なるが、私の地域は1時間600円で子どもをお預かりする。)
私は7年間〈子どもの預かりをする側〉で活動してきた。
依頼するお母さんからは、
・実家が遠く、預ける先がない。
・保育所の一時預かりをお願いするのは書類提出など労力だ。または予約がすぐに埋まり空いていない。
という声を多く聞いてきた。
核家族化が進み、気軽に預ける先がないのだ。
つまり24時間子どもと一緒に過ごし、
親が1人になれる時間がないということ。
そんな状況は不健康だと思う。
近くの子育て支援センターへ行けば、ほかの家族やスタッフさんがいる。
そこで過ごせば、親と子どもがマンツーマンでいる時間は減らせる。
だがマンツーマンではなくなるが、子どもをどこかに預けて自分の思いどおりの時間を過ごせるのとでは精神的に雲泥の差だ。
(分かっていただきたいのが、子どもと過ごすことが精神的に悪影響なのではない。
1人の時間がないことが悪なのだ。)
私はこう考える。
子を持つ全ての家庭、特に専業主婦(夫)のかたに、
もっと気軽にファミリーサポートセンターの制度を利用してほしい、
自分だけの時間をもってほしい。
子育て中で家にいる人の心理として、
働いてもない自分がお金を払って、子どもを誰かに預けるなんて
なまけている。
というのがあると思う。
実際私がそうだった。
ファミリーサポートセンターで、一度も自分の子どもの預かりをお願いできなかった。
今は後悔している。
たまには息抜きしてもいいんだよ、って。
また金額・内容に納得して、子どもを預かる側も依頼を引き受けるわけなので遠慮することはない。
そして子どもの預かりをお願いする側もちゃんと対価を払っている。
お金で解決している分、余計な申し訳なささは必要ないのだ。
子どもを預ける理由なんか、なくていいじゃないですか。
疲れたとき、子どもと少し離れたいとき、自分への1人時間のプレゼントとして、
ファミリーサポートセンターの制度を活用しませんか?