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やりたいことがない「叶え組」にしかできないこと

昨日書いた note『世界は「夢組」と「叶え組」でできている』を読んだ友人から、「わたしは夢組かな?叶え組かな?」という質問や報告がたくさんあった。読んで考えたことを共有してくれてとてもうれしい。そうしてやりとりをしている中で出てきたことを、ちょっと補足で書いておこうと思う。


昨日も書いたように、わたしは「やりたいことがない人」つまり「叶え組」で、湧き出る「やりたいこと」は若い頃からずっとなかった。「夢組」の「やりたいことがある人」は「これがしたい」という動機があるのに対して、「叶え組」のわたしはどうやって仕事を選べばいいのかわからなかった。

今になって思うのは、仕事はなんでもよくて、毎日やってもイヤじゃないこと、なんとなく得意なことを選んでやるしかない。ガマンしてイヤなことをする必要はまったくないけど、「これは本当にやりたいことか?」と「やりたいことじゃないから」と手を抜かず、目の前の仕事にちゃんと向き合って取り組むことが大事だと思う。(「仕事がイヤだ」というほとんどの理由が仕事の内容ではなく人間関係だったりするので、それはまあまた別の話)


叶え組のひとたちは「これがしたい」という動機がない(少ない)分、「何をしたらひとに喜んでもらえたか」「何をしたら(社会や他人の)役に立てたか」に気がつきやすい。それが見つかると、頑張る動機になる。「夢組」が「先に動機→行動」なのに対して、「叶え組」は「先に行動→あとから動機」なのだと思う。

目の前のことに向き合って仕事をちゃんとやると「できること」が増えていく。そして積み重ねた「何をしたら喜ばれるか」と「できること」を組み合わせたときに、はじめて自分の居場所が見えて「ここにいたい」「これがやりたい」と思ったりする。

ずっと「叶え組」だったけど、気がついたら今は「夢組」になっている、という友人たちはみんなこの流れだ。



友人のDr.ゆうすけさんはそのうちのひとりで、彼は内科医として仕事を続けてきて、いろいろな経験からメンタルヘルスをライフワークとしている。病院での医師やスタッフの働き方やメンタルケアにも働きかけたり、一個人として鬱の人たちと向き合ったり、もっと良くしたい、ひとりでも助けたいという思いひとつで、とにかく動いて経験をしてきた。

彼は「自分のしてきたことを周りの人にうまく説明ができない」「医者だというだけではない気持ちや経験を、どうやって仕事につなげたらいいかわからない」と話していた。ひゃー超わかる、と思って、わたしは彼にこう言った。

「今までしてきたことを、ただ出すだけでいいと思うよ」

業界に評価されるためでもなく、仕事につなげるために付加価値をつけるでもなく、ただ出すだけでいいと言った。いちばんわかりやすいのは書いてみることだ。

「こんな当たり前のこと?と思っても、いいから書いて出してみたら、読んだ人がそこに価値をつけてくれるよ」

すると、彼はとても素直なので、すぐに行動をはじめ、まずはTwitterをはじめた。誰に届けたいか、どうしたらわかりやすいか、広く伝えるにはどう書いたらいいか、考えながらコツコツ続けた。


その結果、ここ数日でメキメキと結果が出て、フォロワーはあっという間に3000人を越え、きっとたくさんのひとの心を救っている。このまま続けたら、周りの反応から、今まで以上に自分がどうなったらうれしいのかがどんどんわかってくると思うし、彼の言葉を見て依頼される仕事は方向性がそうちがうことはないだろうと思う。


「叶え組」の人たちは、「できること」の貯金が溜まったときに、それを使ってとつぜん何者かに変身しようとしないで、ただ出してみて眺めてみるといい。それを使って、自分と誰か(社会)がよろこぶことは何かなと考えたり、社会を見て「もっとこうなったらいいのに」ということを見つけると「お、それは自分でできるな」とやることが見える。そのときに「それをしている自分が好きか」だけ自問自答したらいい。

「叶え組」のみんな、やりたいことがないままでも、自分ができることをして、人がよろこんで、自分のことも好きなら、めちゃめちゃしあわせじゃない?


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桜林 直子(サクちゃん)
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