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はないちもんめ方式のススメ

30歳をすぎたあたりから、いろいろな種類の職業の人たちに会うようになって、その仕事内容はよくわからなくとも、そのひとたちがいったいどんな子供だったのか、そこからどうやって今のお仕事にたどり着いたのかの話をきくのが大好きだ。

聞けば聞くほど、ひとの、それぞれのもつ性質や容量の多様さにほんとうに驚く。
そして自分はやっぱりバカだなあと思う。

もともとの容量が大きかったり機能が優れていたり(もちろんトレーニングで得たものもあるけど)するひとのやりかたは、到底マネできない。

のび太がドラえもんにはなれないのと同じだ。
だけどのび太にはドラえもんがいて、その機能を必要に応じて使うことができる。ドラえもんになろうと努力するよりもずっといい方法だ。

わたしもバカだから(のび太ゴメン)、その方法しかないのだと思う。
じぶんが膨らんでどんどん大きくなったり、別の何者かになるのではなくて、他の誰かからもらったものをちょっとずつ自分のものにしていくしかない。
のび太にとってドラえもんは実体だけど、ここでいうドラえもんは、実際に仲間になって一緒のチームにならなくても、だれかの考え方や、知識や、あらゆる力をもらうということで、そんなに難しいことではないと思う。

それをわたしは「はないちもんめ方式」と名付た。

「◯◯がほしい」(だれかの持つなにか)と思ったら、近づいて、運が良ければそのひとからちょっとだけでももらえたりする。もっと運が良ければ向こうから近づいてきてくれたりする。
負けてだれかに持っていかれることはないけど、相性の悪いものをほしがっても、もらえなかったり、途中で使えないと気がついて捨てることになったり、逃げられたりする。

そうして気がついたら、自分の横にずらりと自分の力が並んでいたら、とてもいい。
わたし自身、振り返ってみても、もともと自分の持っていた能力なんてほんの少しで、いつかだれかからもらったものばかりだ。

数が多ければいいというわけでもないし、ひとに頼りっぱなしではなくて、自分もだれかにあげることができた方がいい(あげてもなくならないし)。
そしてバカだからこそ、あたまを使って自分会議をしないといけないのだと思う。「相談しよう、そうしよう」と。

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桜林 直子(サクちゃん)
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