安全登山の誓い「英山慰霊のケルン」
2022年5月22日英山での岩登訓練に参加しました。2年振りの英山でした。
経験者はこの岩場では難しい岩稜ルートを登ります。このルートをトップで登るようになると自信がつき次のステップです。30年程前までは御船山、阿蘇鷲ヶ峰そして北アルプス屏風岩、滝谷がお決まりのステップでした。
この日、私は全くの初心者等二人に岩場の登下降と懸垂下降までを教えて、50mスラブを登って岩稜ルート組と合流しました。
岩稜ルート組のN君はトップで登ったと聞きました。これで自信が付くだろうと嬉しくなりました。・・・彼から61年前に建立された慰霊のケルンの写真が届きました。
写真を視て故人の13回忌追悼登山に遺族と一緒に登ったことを思い出し当時の資料を開いてみました。
昭和36年11月19日、朝「黒髪山に行く」と家を出るとき母親から「行くな」と止められたが、「山に登らないと体がムズムズする。」と言い残して元気に出掛けた〇〇〇君は遂に不帰の客となった。享年25歳。
岩登講習会には欠かさず出席し同年9月例会では阿蘇鷲ヶ峰、高岳縦走参加の山行報告を発表し、併せて10月6日付け長崎新聞夕刊にも掲載された。・・・会でも今後が期待された新人だった。
小冊子には〇〇〇君遭難記として①山と〇〇君、②単独山行、③遭難報と捜索の概要、④死因およびその状況、⑤遺留品と遭難時刻、⑥現場検証、⑦むすび等が簡単に綴られています。
この慰霊のケルンは、私の安全登山の原点です。
今回53回目の英山でしたが、この日は大村、長崎、佐世保から7名が参加しインドア研修から実地の研修となりました。
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