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山登り人生VOL458日本百名山39座目大菩薩嶺
1969年9月23日から記録を執り始めた山日記をブログで振り返っています。ブログは2021年9月1日から始め3周年を迎えました。
先月2日連続投稿が1126日で途切れましたが、気をとり直し続けています。
このシリーズ「山登り人生」は、2023年3月29日から始めています。
45歳頃の山登りです。
平成6年度の山行は19回延べ40日と
年々増加傾向だった山行は、上部機関への出向や所属山岳会の退会で
前年度比7回・8日と減少した。
出張を利用しての日本百名山巡りでした。
丹沢山を踏破し大菩薩峠に向かいました。
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大菩薩嶺は、『中里介山の小説で広く知られる大菩薩峠。その北方にたおやかな姿でそびえているのが、連嶺の最高峰、大菩薩嶺(大菩薩山)である。
山頂は樹林におおわれて展望はきかないが、峠までの尾根上に続く草原で得られる富士山や南アルプスの景観はすばらしい。
のびやかなササ原や岩場の山道など、コースも変化に富み、四季を通して登山者が訪れている。・・・』と山と渓谷社ガイドブックに紹介されている。
No593丹沢山系から大菩薩峠へ(その2) 大菩薩嶺
平成6年8月6∼8日日 単独
7日(晴れ)丹沢縦走後、大菩薩峠へ
丹沢山を踏破し大菩薩峠に向かいました。
丹沢山6:15→蛭ケ岳7:45→東野⇒バス⇒12:15藤野12:41⇒JR⇒
13:39塩山13:50⇒タクシー⇒上日川峠14:30→福ちゃん荘14:55→
勝緑荘→15:45大菩薩峠介山荘 1泊2食6,000円
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丹沢縦走後、東野に下山した。
下界は36∼39度の世界であった。
バス、汽車を乗り継いで大菩薩山麓の町塩山に出た。
登山口までのバスには大分と時間がある。
思案しているとタクシー運転手さんから声を掛けられ、
1,500円で登山口の先、上日川峠まで行くと言う。
登山口から歩くと2時間、二つ返事で乗せてもらった。
上日川峠の長兵衛山荘で介山荘が良いと勧められた。
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午前中、汗で濡れた服をまた取り出しひと頑張りした。
福ちゃん荘、富士見荘、勝緑荘へと続く車道を歩く。
勝緑荘より山道となる。なだらかな登りで樹間の冷気が気持ち良い。
樹間を抜けカッと強い日差しを受けながら暫く歩くと
左手にお花畑の斜面が、そこはもう大菩薩峠であった。
介山荘も見えて来た。
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構えて登り出したが40分で期待の介山荘に到着した。
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主も息子さんも感じが良かった。
夕食前には桃のサービス、
夕食はご飯もおかずもおかわり可、何度も勧められた。
衛星放送の話題となった。
深田久弥先生のことなども、
昔の登山は金持ちや学生さんが主で、米や味噌、お土産持参で登って来た。
当時の辛い山小屋仕事もそんな土産が楽しみだったとか。
先生の感謝の言葉は今も忘れないそうだ。
山屋は天狗になる人が多いが、先生はそうではなかったとも語られた。
8日(晴れ)大菩薩嶺2,056.9mへ
朝食は7時からと遅いのでゆっくりする。
この峠付近も富士山の眺めは最高なのにここでも見込みはなさそうである。晴天続きでこの靄は取れないらしい。
朝食もおかわり可、ご飯、味噌汁、卵と2杯もいただいて小屋を出発する。
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小屋を出て直ぐ親不知の頭へ。
ここはNHK大河ドラマ「武田信玄」タイトルバックのロケ地である。
親不知の頭から賽の河原、雷岩へと続く稜線は展望も良く、
お花畑も素晴らしい。
峠から雷岩までこの山のハイライトである。
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雷岩を過ぎると深い森林となり間もなく山頂である。
山頂からの展望は全くないが山の静けさを楽しむことができた。
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丸川峠まで約1時間、立派なコメツガの林が続く。
山梨森林100選指定との案内があった。
鬱蒼とした原生林、静か過ぎて足早となる。
山頂を北側に廻り込んで大菩薩嶺から北西に延びる尾根をトラバース気味に歩く。歩き疲れた頃、ひょっこりと丸川峠が眼下に見えてきた。
お碗の底のような窪地で一帯はお花畑で真ん中に小屋がある。
古びた小屋である。
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昨夜、介山荘で見せていただいたビデオで、
この山荘の主は10数年前に山好きが高じて小屋入りしたと知った。
週に2∼3度は自力で荷揚げし自給自足の生活である。
彫り物をしてお土産として売り現金収入にしている。
どんな方かなと思い小屋を覗いたが、
返事が返ってこず小屋を出た。
急な尾根を約1時間下り、昨日タクシーで登った林道に飛び出した。
登山口バス停まで後30分程である。
登山口近くの裂石山雲峰寺には武田信玄が使った武具などがあるそうで、
現在の日章旗としては最古のものも寺宝として保存されているそうだ。
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1,200年前より崇拝されたというこの寺に参拝して
今回の山行を無事終了した。
帰宅して深田久弥の著書を読み返し、
これらの山が百名山たる理由を改めて認識した。