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山登り人生vol110屏風岩西稜
28歳。長女3歳、長男1歳。
昭和52年度は黒髪づくし龍門づくし、この山行を振り返ります。
牧の山南面の主な沢は一応トレースできたので屏風岩に弱点がないか探ることになりました。
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No220屏風岩西稜
昭和52年9月11日
M社長、T先生、Y、I三姉妹中姉ちゃんと私
山の家9:50→取付き10:00→1P目11:00→2P目11:30→12:00山の家13:00→
チムニー取付き14:30→チムニー入口17:00→18:00山の家
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牧の山南面の沢は一応トレースしたので、
屏風岩西稜に取り付くことにする。
山の家より良く見えるこのルートは、いくつか岩峰が重なっており、
左側には樹林帯があり、
これに平行して岩稜が延び屏風岩の頭で北に方向を変えている。
右側は真っすぐ竜門渓谷に落ちている。
山の家を出て150m程で見返峠への道と別れ左に進むと便所があるので、
これより本流を渡り、
右にちょっと登ると取付きで山の家より5分で着く。
樹林帯よりルートの中央部に出られるようであるが、
末端より取り付くことにする。
最初の壁はカツラを手助けにして、
苔を払いながらフェイス5m3級を登り、
右の小さく走る樹林帯へ1P20mである。
これより右のカンテ15m3級を直上してブッシュへ。
ここで雨がひどくなったので山の家に戻る。
昼食後、午前中のブッシュより右へ岩壁基部をトラバースして
チムニー取付きに着く。
小ハング2mをハーケン1本、ボルト2本で抜けて、
3m直上するとチムニー入口のテラスに着く。
ここで時間切れとなり退却する。
下りは岩壁基部を廻り込み屏風岩の基部に達し、小さな沢を下り、最後は10mの懸垂下降で二つある洞窟の中間に降りて、本日の山行は終わった。
山日記の記述はこうであるが、特に最後の2行はイメージが沸かない。
写真の場所に降りてきたのか?
「違うでしょう。」との感じだが、ここに下ってきたかもしれない。
取付いた事実は記憶にもはっきりしていますが・・・。
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屏風岩は全体写真はないですが、こんな感じの岩壁帯です。
登ろうとは誰も思いません。
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No221屏風岩西稜
昭和52年9月15日
M社長、T先生、M、I三姉妹中姉ちゃんと私に職場の先輩Y
11日のチムニーは手ごわいので後回しにし他にルートを求める。
2Pの終了より11日にはトラバースしたが、
これより2m直上して松の木バンド(枯れ木)に達する。
これから先は、何本かルートが採れる。
トップMは一番面白そうなカンテより登る。
2番手以降は易しそうに見えた中央壁にルートを採った。
職場の先輩Yはかなり青ざめて登って来た。
ここ第1岩峰頂上まで20m・20m・25mの3P3級のルートであった。
これより痩せた岩稜が40m続く。
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丁度、屏風岩の頂稜で、両側は40~60mは切れ落ちている。
岩を這うように茂る樹林を切り払って、ルートを整備する。
この先は稜は広くなり、屏風岩の頭で向きを北に変える。
楽しい岩稜である。
所々、樹木の中を登って行くと、このルートの終了点に達した。
見晴らしの良い小ピーク岩場には、
最年長者のM社長に一番乗りしてもらった。
この楽しい西稜の初トレースを祝い、全員で記念写真を撮り、
ソーメン沢経由で山の家に戻った。
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いつもよりビールが美味しい。
こんな身近に、こんなルートがあったとは。話も弾む。
佐世保に戻っても発展して「クラブささ」で打ち上げ、
更にもう一軒と長い一日となった。
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なお、10月2日屏風岩正面壁の試登が
MとIにより行われたが延ばすことができず、
以後、試みられることはなかった。
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