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ヒマラヤ7000m峰への挑戦と挫折⑤ヒンドゥー教の聖地ガンゴトリへ

「1997年長崎県山岳連盟サトパント峰学術登山隊」の挑戦と挫折の記録を投稿しています。
聖なる山々に降った雪が解けて流れるガンガ(カンジス川=聖なる川)沿いに道は続きます。
そのガンガは灰色に濁り雨期で増水していました。
そしてバスが通過する町々、宿泊した町はヒンドゥー教の聖地で、バスの終点ガンゴトリはヒンドゥー教最大の聖地でした。
聖地への記録を登頂断念記より辿ります。

7月30日(水)デリーからリシケシへ

初日はデリーからリシケシまで220kmを移動。
朝食後、迎えに来たバスはシーカル社の大型エアコン付きのバスでした。
契約ではデリー以外はエアコン無しのミニバスとなっていましたが、リシケシまでこのバスで快適な移動です。
移動中はきらびやかな飾りを付けた担い棒の両端にポリタンクを付けて歩いている一団を良く見かけた。ヒンドゥー教の男性は一生に一度はガンゴトリまで行ってガンガの聖水を汲んでくるのが努めだそうだ。行きはバスで行くことも多いが、帰りは下りと言うこともあって歩きだ。ガンゴトリからデリーまで500kmを超えており驚きです。

この日は川原での火葬も見ました。灰はガンジス川に流すそうです。
シーク教徒の祭りのため渋滞が起きたうえ、私たちのシーカルバスを含め沢山の車が反対車線を走るため渋滞に拍車が掛かります。
本来なら6時間で行けるところが倍の時間がかかり到着は午後9時半でした。ホテルバセラ、標高480m。
ここからヒンドゥー教の聖域に入るため菜食となり酒も売ってありません。

リシケシはヨガの聖地と呼ばれ道場が沢山あります。

7月31日(木)移動二日目、ウッタルカシへ

185kmのバス移動。
7時前に出発。車窓からは熱帯植物に混ざり温帯植物も見え出します。
バスは高度を上げて行きます。

途中の休憩所ではインド式紅茶を美味しくいただきました。
紅茶にミルクと砂糖をたっぷり、生姜等のスパイスを入れて煮立てたのもです。
インド風揚げ餃子は下痢を警戒して食べないようにしました。
インドの生水は厳禁です。
ホテルウッタルカシに13時着。標高1158m。

痩せた牛が野良犬のように吠え付き歩いています。神聖な動物とはいえ、可愛がって肥らせる余裕はないらしい。 
リエゾンオフィサーとS隊長は登山学校を表敬訪問。
登山学校校長は、ガンゴトリからBC間のアプローチでは雨期で水量が増えているので渡渉に注意すること。
登山では氷河末端から取付く氷壁の落石に注意するようリエゾンに話したそうです。

登山学校から戻り警察を表敬訪問。
リエゾンはカラビナとアイススクリューハーケンの不足を危惧してレンタル登山用品店で借り受けます。
昨日も今日もアルコールがありませんが、S隊長が探し廻りイングランド・ワイン・ショップと書かれた店を大通りの一角で発見しました。
ウィスキー1本700円程度。今後、隊にとって貴重な存在となりました。
バンガローの庭にはカンナの花やブーゲンビリアの花などがあり、日本の雰囲気が感じられます。周りにはユーカリの巨樹が茂っていました。 

8月1日(金)移動三日目、ガンゴトリ

標高3,048mの聖地へ101km移動。
三日間の移動距離は506kmとなりました。
ハイポーターが乗り込んできて2人掛け椅子に3人掛けとなりなりました。 
ハイポーターとは、プラスティックブーツ、アイゼン、ピッケルが必要な場所、主に第1キャンプから上での荷揚げを行います。プライドも賃金も高くウッタルカシ周辺に住んでいる方を雇いました。
一方、ポーターは、クライミング技術がいらないベースキャンプまでの荷揚げを行います。ネパールからの出稼ぎが多かったようです。 
途中ガンガナニに温泉があり、帰路入浴することになりました。

ガンガナニの温泉

大雨によるがけ崩れの場所で一時停車。マンパワーで復旧作業をしていますが、はかどるのを祈るしかありません。
下を見るとはるか下方にガンガの水が流れています。
バス席が川側の恐怖感は大変でした。
これまで何度かあったことですが、この時が一番ひどかった。

バスの終点であり、トレッキングの開始点であるヒンドュー教の聖地ガンゴトリに15時過ぎに到着。

ひどい雨が降っており寒いほどでした。
ここからはホテルでなくツーリストバンガローにお世話になります。
食事はシーカル社自慢のコックが辛さを押さえた日本人好みのカレー料理を作ってくれます。
このガンゴトリがガンガの最奥部の集落です。
これより上流には茶屋程度の場所が数カ所ある程度です。 

8月2日(土)ガンゴトリ滞在。

ポーター達集結。
午前中は私物の整理、合間を縫ってヒンドュー教の聖地ガンゴトリ寺院にも出かけました。
門前にはシヴァ神やビシュヌ神の化身の一つクリシュナーなど人気の神様の絵、水を運ぶ入れ物やその飾りなどを売るお土産屋が軒を並べています。

街に出かけると痩せこけた体に長い髭、ボロボロの服を纏った行者や居着いたようなヒッピー風の欧米人がうようよしています。
ガンガの流れは綺麗な川ではなく白濁した水が轟轟と流れています。
ガンガの水は冷たい。

ツーリストバンガロー近くのガンガの滝

午後、隊荷のパッキング。
ポーター30名が担ぎ易いように重量を考えながら行いました。
夕刻ポーター達が集まり出した。
ポーター以外では高所ポーター2名、コック1名、アシスタントコック2名それにリエゾンオフィサーを加え、隊員9名とで合わせて45名にのぼるキャラバンとなります。 
一部、ネットより借用させていただきました。

次回は、ベースキャンプまで4日間のキャラバンを投稿予定です。








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