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ヒマラヤ7000m峰への挑戦と挫折③インド関係機関との交渉

1996年2月隊名の決定
「1997年長崎県山岳連盟サトパント峰学術登山隊」と隊名や隊長、登攀リーダー、遠征隊事務局が正式決定し準備が進められました。
 
実働部隊は合同訓練に取組みますが隊長や事務局ではインド関係機関との煩わしい協議手続きが行われました。

7月27日インド登山財団に登山申請
同財団の許可なしではインド国内の山には登れません。
申請には次のことが求められました。申請書を提出しました。
①   山頂名と高度
②   登山ルートと概念図
③   遠征期間とインド到着日
④   ベースキャンプから山頂までとベースキャンプに戻る期間
⑤   隊員全員の氏名、父親の氏名、本籍地、生年月日を記載した年齢、国籍、登山訓練と経験、職業、パスポートと発行日付・発行場所など
⑥   隊員に元軍人、外交官がいれば明記する。
⑦   遠征の資金源
⑧   入国ビザのインド大使館申請の日付
⑨   携帯用無線電話機の持ち込み
⑩   ラジオ天気予報の手配希望の有無
⑪   インド持ち込みの登山道具、衣服、食料等の完全なるリストとその重量

1997年1月8日携帯用無線電話機の申請
現地旅行代理店シーカル社より携帯用無線電話機(トランシーバー)の持ち込み3か月前の申請を指示される。

3月6日登山料の提示
インド登山財団より登山料金の提示がある。
登山手数料2250㌦、環境保護供託金1000㌦、環境税300㌦、リエゾンオフィサー用装備費700㌦。

3月28日派遣母体の承諾書提出
インド登山財団に対しデリー到着及び出発日、リエゾンオフィサーとのブリーフィング日程、リエゾンオフィスの場所、デリーでの滞在場所を提示するとともに派遣母体(長崎県山岳連盟)の承諾書を発送する。

4月3日登山許可
インド登山財団よりサトパント峰登山の正式許可がある。

インド登山財団の登山許可書

5月7日インド政府の許可
インド政府より登山用Xビザの許可がおりた旨、インド登山財団より連絡がある。

6月5日リストの提出
トランシーバー輸入許可申請書及び個人登山用品リスト、隊員リストを送付する。

6月23日シーカル社と協議
パッキングリストの提出、
リエゾンオフィサーへ支給すべき登山用品はUSドル建て可。
高所ポーター用ユマール、ハーネス、アイゼンは隊で準備、
他はシーカル社で用意。

7月2日シーカル社と協議
同社への料金14,640US㌦の支払い、
コックと高所ポーター用装備の確認を行う。

7月8日インド国内行動条件8か条
大阪インド大使館よりインド国内行動条件8か条が届く。 

7月10日インド政府よりトランシーバー持ち込み正式許可がおりる。 
7月11日大阪インド大使館に行動条件8か条遵守を誓う文書を提出する。

煩わしい手続きに手をやくこともなく出発日を迎えますが、共同装備の準備梱包や仕事での連日の残業、実父逝去後の後始末など体調維持が大変な日々を過ごしました。
 
次回は、いよいよ7月28日出発です。行動日程に沿って投稿予定です。


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