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山登り人生VOL293初めての比叡山
1969年9月23日から記録を始めた山日記を振り返っています。
昨年3月29日「山登り人生VOL1」から始めもう直ぐ1年、
今回の投稿になりました。
私36歳。奥様36歳、長女11歳、長男10歳、次男6歳の頃の山登りです。
昭和60年度の山行は28回56日と月2回ペースになった。
岩登りも6回でかけ比叡山にも初めて取り付くことになった。
No411比叡山
昭和60年11月2∼4日
T先生夫妻、M、Kと私
第1スラブスーパールート、ニードル左岩稜。
久し振りの岩登りに興奮する。
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T先生の報告より
2日比叡山駐車場まで
F君の誘いで参加した。
伊万里からはK君が専属運転手となり車中は宴会場となる。
酒アレルギーで運転好きとは信じられない。
こんな会員は大歓迎である。
3日快晴。我々二人は宇土谷登山口より大崩山を目指す。
M、KとF君はこんなところを登りに来たのかと寒心する。(中略)
今日一日を激しく過ごしたであろう彼らのためにビールを買い求める。
テントを張っている駐車場に着いたが、彼らはまだ登攀中らしい。
千畳敷と呼ばれる岩の展望台まで登ってみる。
・・・丁度、ニードルあたりを登っているのが我らのパーティーらしい。
九大生のプリズムを借りて覗いてみる。
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トップ青ヘル、セカンド白ヘル、ラスト赤ヘル。それにザイルの色も間違いない。それから約1時間全員が抜けたところでテントに戻り夕食の準備。
夜は牛肉入りスキヤキ、私達が仕入れた椎茸も加わって、
酒がこのうえなく美味かった。
4日快晴。
フリクラ比叡山を登る。
フルムーン+クライマー、第1スラブをM君に引かれ我々二人。
KとF君は第2スラブに取り付いた。
昨夜M兄が第1スラブに誘ってくれた。
酒の勢いとは言え、小生もかみさんも承知したが、
酔いが覚めるにしたがい心配になり眠れなかった。
ひょっとして今夜が生きて過ごす最後の夜かと。
最後には断る理由を考えるうちに少しは眠ったようだ。
朝になると落ち着き、やれそうな気になった。
私の装備は運転用のグッズ、かみさんは重登山靴。
ヘルメットとゼルプストは同じでも場違いな感はいなめない。
私らしく地下足袋で登ればと悔やまれた。
ルートは昨夜心配したほどでもなく割とスムーズに登れた。
我々の横スーパールートを若い女性がリードして登って行く。
「凄い。」の一言。
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それにしてもピッチ数が多い。
登れども終わりなしである。9ピッチでやっと終了。
思わずM兄の手を握る。友情に感謝する。
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この登攀は最初で最後だろう。
素晴らしい思い出が残された。
同時に自信みないなものが生まれて、
今度は「スーパールートに!」などと考える今日である。
想いはカミさんも同じ、まずは靴を買おう。
私の日記より
ニードルの頭に立つには3人は多すぎる。
ガストン・レビュファー「星に延ばされたザイル」の尖塔に立つ姿を想いながら懸垂下降の順番を待った。
まだ登攀は終わっていないが満足感が漂ってくる。
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もっと早く比叡に来れば良かった。
15m懸垂して、残り3ピッチの登攀を終えテントに戻ると大崩山ピークハントしたT先生夫妻が労いの言葉と冷たいビールで出迎えてくれた。
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スキヤキを囲んでの夕食は盛り上がった。
朝のスーパールート、
昼からのニードル左岩稜の感激をかみしめた。
ここ比叡では人気のルートだ。
今回の目的を一日で済ませ、
明日はT先生夫妻のため第一スラブを、
私は第二スラブを目指すことにした。
クレッターシューズでないが、興奮ムードに押されて「よし行こう。」と元気な返事が返ってきた。
私はK君と第二スラブに取り付くことにしてお休みとなった。
4日第二スラブは、3ピッチ目がポイントであった。
レイバックで数メートル登りA0が出て来るがフリーで登り、
後は快適なフェイスが続く。
どこでもルートに取れそうでルート図を確認しながら登った。
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千畳敷に戻り、昨日のニードル左岩稜を登るパーティーを見ながら我ながら良く登れたなと感心した。
駐車場に戻ると「弘子」とのコールが飛んで来た。
第一スラブを登っているT先生パーティーの声だ。
なかなか動かない。
苦労しているようだ。
いよいよ最終ピッチ、Mの快適な登りに続いてT先生夫妻が登り切った。
登り切った夫妻も感激に浸っているだろう。
今度は私達がビールで出迎えた。