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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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[星2]『さよならのつづき』感想 不倫も心臓のせいにしちゃえば問題ないのである #1

どうもこんにちは。今日はネットフリックスで公開されているオリジナルドラマ「さよならのつづき」を見たので、その感想をここに記したいと思う。
ネタバレ注意なので、これから見ようとしている方は注意されたし。

最初に言わせてほしい

記事タイトルの星2から薄々感じられている方もいるかもしれないが、本作かなりの駄作である(むろん私にとってだ)。そのため、作品の中で良くなかったところも書いていくわけだが、本作を好きな人はそのあたり気を付けながら読み進めてほしい。

あらすじ

事故で最愛の人を失った後、導かれるようにひとりの男性と出会ったさえ子。実はその男性は、さえ子の亡くなった恋人から提供された心臓に命を救われ、その記憶も引き継いでいて...。

https://www.netflix.com/jp/title/81512200(2024/11/24閲覧)

登場人物

本作の登場人物は主に四人である。

  • 菅原さえ子(すがわらさえこ)
    北海道小樽にあるコーヒー会社で働く。中町雄介とハワイで出会い、小樽で再開したことで付き合い始める。プロポーズを受けたその日に、事故で雄介を失ってしまう。

  • 成瀬和正(なるせかずまさ)
    小樽にある大学で働く。幼少から心臓が弱かったが、事故にあった雄介の心臓の移植を受け回復する。妻と共にリンゴ園を営む彼女の実家に住む。

  • 中町雄介(なかまちゆうすけ)
    明るく自由奔放な性格。菅原さえ子にプロポーズしたその日に、交通事故で命を落としてしまう。

  • 成瀬ミキ(なるせみき)
    成瀬和正が病弱であること知りながら、アプローチし結婚した。実家のリンゴ園で働きながら、和正の闘病生活を支えた。

この4人が物語を動かしていくことになる。

心臓移植によって記憶を受け継ぐ

なんといってもこの物語の幹は、和正が心臓移植を受けたことによって、雄介の記憶を受け継いだ点にあるだろう。記憶といっても人格をそっくりそのまま受け継いだわけではない、フラッシュバックする細切れの景色や趣味・嗜好などのほんのちょっとの変化である。そして、さえ子への恋心だ。
ある意味、運命的に再開した彼らの波乱の物語である。

不倫なのである

しかし、ここで注意したいのがこれだ。「不倫なのである」。話が進んでいくに連れ、和正とさえ子の距離が縮まっていくのだが、和正はミキと結婚している、つまり妻帯者なのである。この事実がのどにつっかえた小骨のように気になるのである。甘い雰囲気になった時にも「でも結婚してるんだよな」と思い、険悪な感じになった時にも「そりゃ結婚してるんだからな」となる。
集中して見てても、頭にちらついてしまう。

ミキが不憫すぎる

和正の妻であるミキが余りにも不憫すぎる。彼女は和正の心臓が良くなるずっと前から、付き合い・結婚していた。心臓が悪いことを承知していて、入院生活を送る和正を懸命に支えていたのにも関わらず、回復した和正のココロは離れていくのである。
果てには、ミキがさえ子に対して「もう夫に近寄らないでくれ」と対峙したシーンである。ここまで見てきた私の考えとしては、彼女の行動は最もなものであった。和正とさえ子の距離感は明らかに友人関係には見えなかった。
そんな彼女の申し立てに対して、さえ子はこういうのである。
「別に不倫などではないのだから、あなたには関係ない。婚約者を亡くした気持ちをあなたはわからないですよね」と言い放つわけだ。もはや逆切れである。そんなミキが可哀想すぎて、心がつらかった。
特に最終話はひどかった。一体ミキがなにをしたというのだろうか…。(気になる人は見てください)

脚本がとんでもない

この問題はすべて脚本のミスだといえるだろう。心臓移植によって記憶を受け継いでしまった…というところまではいいのだが、肝心の和正を妻帯者にしてしまったがために、すっきりとしない展開になってしまった(乗り越えるハードルが高すぎた)。

脚本の悪さはこれ以外にもある。

唐突に登場する熊

物語途中、和正との関係に整理のつかなくなったさえ子が、家を飛び出すシーンがある。少し駆けてから電信柱に体当たりをして、顔を上げた先にいたのが「ヒグマ」である。何を言っているのか全く分からないであろうが、私もまったくわからないのである。急にゴールデンカムイになったのかと思った。
北海道が舞台の作品だから、北海道といえばヒグマだろうとでも思ったのだろうか。さえ子とヒグマがにらみ合うシーンがそこそこ続くのだが、緊迫感のかけらもない。
当然である。死ぬわけがないのだ。ここまでラブシーンが続いた中で、伏線もなく登場したヒグマでさえ子が死ぬわけがない。
製作陣はこのシーンで視聴者がどうなることを期待したのだろうか…

良かったところ

むろん素晴らしいところもあった。本作は主に北海道・小樽市で撮影がされたというのだが、インサートで入る風景やショットがとても美しかった。全体にドラマとしても、あたたかな雰囲気が伝わって丁寧な映像制作がされていると感じた。
役者の皆さんもビッグネームということもあり、文句なしであった。さんざん言ったが、坂口健太郎さん成瀬和正の演技も、和正の困惑や葛藤が伝わってきてよかった。

まとめ

ということで、今回はネットフリックスのオリジナルドラマ「さよならのつづき」の感想をまとめた。ストーリーやキャラクターに気になることはあるが、ネットフリックスのレベルの高さを感じる作品でもあった。
時間のある人は見てみてもよいかもしれない。

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