れんげきデッキとシティリーグへ
シティリーグに出よう。
こう思い立ったのは2023年11月。
「れんげき」や「フュージョン」といったカード群のレギュレーション[E]マークのものが使用できなくなる約2ヵ月前のことでした。
これまでは「(いわゆる)本気の人達に混ざることへの抵抗」が根強く、シーズン1に関しては参加できる日程があっても総スルーしていました。
しかし、このシーズン2期間、それも24年1月25日までの大会を逃してしまうと、「れんげきわちゃわちゃデッキ」は二度と大型大会の日の目を見る事無く解散となる。
沢山の苦杯を味わってきたけど、チャンピオンシップポイントを何度も齎してくれたこのデッキで、最後に何かやってみなくてもいいのか?
日数が経つにつれ、そんな気持ちが育っていきました。
自分であれやこれやと考え、他の方のプレーを参考にしてきたデッキ。
いわゆる「勝てるデッキ」や「環境デッキ」で参加してポイントを得たいのではなく、「れんげきわちゃわちゃデッキ」で大会に挑む意義。
初めてカードショップの大会に単身飛び込んだ時のように、
「あれこれ考えるくらいなら一度やってみればいい」
という感情。そして何より、
「もし参加しなかったら、その後悔だけがやんわりと残り続ける」
ような気がする。
そんな思いから、ついに大会参加を決めました。
さて、参加するからには、しっかりと戦いたい。あわよくば1勝は成し遂げたい。
そう思った私は、「れんげきわちゃわちゃデッキ」を連れてジムバトル実践行脚を始めます。
あまりにも勝てていなかったため暫し触っていなかったデッキを、ジムバトルなりフリー対戦なりで皆様とリアルな対戦をすることで感覚を思い出しつつ、(時にアドバイスを得ながら)ブラッシュアップしていくことにしました。
1.「れんげきデッキ」と最新の環境との相性を図る
これには兎にも角にも実践あるのみ。
ただ、このデッキにはGレグのポケモンがひとりもいないため、「新弾バトル」には参加できません。一般ジムバトルやトレーナーズリーグに参加して、直近の環境を肌で感じ、必要なカード・不要なカードを選定していきました。
ざっくりとした戦績としては、
◎→ミライドンex
○→ (○~×)ロスギラ
△→サーナイトex 黒リザ ゾロアークバレット
×→トドロクツキex サーフゴーex
・・・といった感じでした。
相変わらず有利な相手がいっぱいいるわけではなかったのですが、自分の中で強い苦手意識のあった「マナフィ」の採用率が若干下がっている現状、直ぐに250打点程度連発してきて苦戦していたパオジアンデッキが激減してくれている事を知れたのもシティリーグ参加に対する前向きな気持ちを後押しする要素でした。
『ポケカブック』さんのシティトップ8デッキを見るに、案外ミライドンデッキがシティリーグに参戦していればチャンスがあるかも、なんて事も考えていました。
また、わざマシン「デヴォリューション」の登場も、高打点を狙いにくい「れんげきわちゃわちゃデッキ」への一筋の光でした。
2.最初のターンにすべきことを単純化且つ明確化する
過去の慣習に固執するあまり、「他のデッキが当たり前にやっていることを自分も行なう」ということを疎かにしがちでした。
平たく言うと「環境デッキは環境デッキ、ウチはウチ」、という雑な思考。
「れんげきわちゃわちゃデッキ」には進化ポケモンが「れんげきウーラオスV」と「オクタン」しかおらず、たねポケモンを沢山ベンチに並べる必要が無いデッキでした。なので「初手で誰をベンチに出して、次のターンで育てて…」という意識があまり無く、「初手で引いたたねポケモンを取り敢えずベンチに出す」ということを漫然と繰り返していただけだったのです。
そこで、
・「理想的な初手1ターン目の姿を明確にする」
・「それが叶わなかった場合のリカバー手段を考じておく」
というテーマを持ち出し、一人回しにて再現性を高める練習をしました。
その結果、
①バトル場スタートの最優先は「エンペルトV」、準備フェーズの段階ではベンチに誰も並べない
・テツノブジンex対策
・相手がロストデッキだった場合、ベンチに誰かを出してしまうと「あなぬけのヒモ」で入れ替えられて「はなえらび」を許してしまうので、その対策 ※エンペルトの特性で「キュワワー(はなえらび)」「ウッウ(ロストプロバイド)」「ミュウ(ふしぎなしっぽ)」を打ち消す(最重要)
・ワザ「らせんぎり」でベンチポケモンにエネルギーを付け替える(後述)
②ジャンケンで勝ったら必ず後攻を選ぶ
・「れんげきわちゃわちゃデッキ」に必ず先手で進化させないといけないポケモンが居ない(先攻を選ぶメリットが薄い)
・わざマシン「エヴォリューション」を使いたい相手の妨害
・相手のバトルポケモンを見たうえで「カイ」「ペパー」で「バトルVIPパス」をサーチ、誰をベンチに出すか選べる
・バトル場に「エンペルトV」「れんげきウーラオスV」からスタートできた場合、「ハイパーボール」や「大地の器」で基本水エネルギーをトラッシュに送り「メロン」を使ってのエネ加速&「れんげきエネルギー」手貼りで速攻できるロマン
③1~2ターン目で基本エネルギーをトラッシュに送る
・上述「メロン」に加え、「キバナ」でのゼラオラ奇襲に向けた準備を早めに行なっておく
・「れんげきデッキ」は基本エネルギーをサポート、「れんげきエネルギー」を手貼りする習慣を確立
・トラッシュしたくないカードが多いデッキなので「博士の研究」の枚数を減らし、手札リフレッシュは「ナンジャモ」。「ハイパーボール」「大地の器」「かがやくゲッコウガ」といった手段で基本エネルギーをトラッシュへ
④初手不良時のリカバー手段の採用
・「森の封印石」を採用、「博士の研究」や「ナンジャモ」、その他必要なカードに触れる
・後攻ならなんとかサポートカードで状況を回復を目指す、無理なら仕方ない
以上4点をとにかく意識することで、「最初の7枚次第で何をすべきかが分からなくなる」という事態を無くしていくことができるようになっていきました。
ここに加えて、「1~3ターン目で「マナフィ」を狩る」というテーマもオプションで加えていました。
「れんげき」デッキの真骨頂は「ベンチ狙撃」。それを阻害してこられた半年くらいの恨みを遂に重要課題として決め打ったのです。
バトルスタートでこちらが「れんげき」デッキだと分かった場合、相手は大体「れんげきウーラオスVmax」を警戒し、ベンチの1枠を「マナフィ」に使ってくれます。
その対策として「キャンセルコロン」を採用し、あわよくば「ロストシティ」で完全退場まで目指しています。「ボスの指令」2枚採用もマナフィ退治の為。惜しみなく使います。
エースアタッカーでもデッキエンジンでもなく、先ずは「マナフィ」。この行動をルーティーンの一つに落とし込む、というのはある意味精神安定剤みたいなモノかもしれないと今は思います(笑)。
特に「サーナイトex」デッキ相手の場合、早々にマナフィをロストゾーンに送ることに成功すると格段に優位に進みました。
3.一撃で倒せない相手を追い込む手段を洗い出す
=相手が「何をされたら嫌か」を考える
これは、過去に後輩くんからも貰っていたアドバイスでした。前述の「マナフィ早期ロスト送り」のように相手にプレッシャーをかけるのも大事です。
ただ、それだけでは「プレッシャー」止まりで「脅威」とまではいかない。HPの高い2進化ポケモン相手だと、弱点を突いたとしても不十分というケースの多いポケモンと戦うデッキなのです。
そこで考えた結果のひとつが「デヴォリューション」「ロストシティ」の採用でした。
「れんげきウーラオスV」も「ゼラオラV」も相手2体に100以上のダメカンを乗せることが可能です。次のターンで「ロストシティ」を出したまま「デヴォリューション」を使いたい。中盤で決まれば相手の盤面を大きく乱せますし、終盤の決定打としても狙います。
「ゼラオラV」のワザ「クロスフィスト」の場合、ベンチに160ダメージを与えられるので、「セグレイブ」や「かがやくリザードン」、「アーケオス」をワンパンできるというロマンも捨てがたい。
続いて「フトゥー博士のシナリオ」の採用。
進化ポケモンの少ないれんげきデッキでは「モミ」さんとの相性は微妙。ダメカンが蓄積したバトル場の「れんげきウーラオスVmax」を「フトゥー」さんで手札に戻し、ベンチの新たな「れんげきウーラオスVmax」をバトル場に送れば、1エネで「しっぷうづき」の150ダメージが繰り出せます。
さらに「バスラオ」の採用。
以前ジムバトルで所謂「れんげきインテウーラ」を使っている方の動きを拝見していた際、そのデッキの中に「バスラオ(れんげき)」がいました。
理由がよくわかっていなかったものの、「上手い人が使ってるみたいなので」と安易に採用。
後日、別のジムバトルでその強さを知りました。
HP330の「黒リザードンex」に、前述の「れんげきウーラオスVmax」の「しっぷうづき」で先ず150点。次のターンでダメカンが乗ったウーラオスを「フトゥー博士のシナリオ」で手札に戻し、「バスラオ」をバトル場へ。
「バスラオ」のワザ「きずにむらがる」で30+既に乗っている150の計180ダメージ。 150+180の330で2パン達成です。
この「1度の(れんげきエネルギー)手貼りで180火力」、というのが我が「れんげきデッキ」には大変な魅力なのでした。
最後に「大地の封印石」。
このカードは、ずっと、ホントに「れんげきわちゃわちゃデッキ」初期から必ず1枚は入っていました。ex環境への変遷で「ハイパーボール」の肥やし要員になっても、「れんげき」の火力を補う魅力のためにどうしても外せなかった。環境の変化に取り残されたこのカードは、逆に言えば「警戒している人が誰もいない」カードなのです。
【相手の「ポケモンV」全員に、それぞれ残りHPが「100」になるように、ダメカンをのせる】効果のVスターパワー。次のターン、「ウーラオス」か「ゼラオラ」で一挙4~6枚のサイド取を狙います。
・「Eレグ」最後の大会には想い出作りに「ミュウVmax」デッキがくる
→ミュウデッキで先攻2ターン目にVmaxを含めたポケモンVがずらずらとベンチに並んでいれば一層のチャンス(※こちらの動きがほぼ間に合いません)
・苦手中の苦手「ロスギラ」についても、殆どの相手はさっさと「ギラティナVstar」に進化させてくれるので、返しのターンでの奇襲
・・・「れんげきわちゃわちゃデッキ」を輝かせるには、という思考に囚われ、拘泥を文字に起こしてみたら、こんなにも文章が長くなるとは。
兎にも角にも、我が「れんげきわちゃわちゃデッキ」は最終調整のフェーズまで到達し、実践のブラッシュアップ、そして最初で最後の大舞台に向かうことになります。