2021年 京大入試 英語大問2 第20文
25日目です。ちょっと気になったのであとどれくらいで終わりか数えたんですけど、あと7文でこのシリーズ終わります。結構すぐっすね。来週には新しいネタ考えないと。
1.今日の英文
Elementary ignorance of biology has not prevented them from pronouncing very confidently on this question; and biologists with scorn have asked whether men would attack an astronomical hypothesis with no better equipment.
2.単語の解説
elementary:初歩的な ignorance:無知 biology:生物学 prevente:妨げる
pronouncing:発音する confidently:自信を持って biologists:生物学者
scorn:軽蔑 astronomical:天文学的な hypothesis:仮説 equipment:設備
elementaryはシャーロック・ホームズで有名ですね。アニメやゲームとかで水のエレメントみたいな感じで元素という意味で使われてますね。覚えるのはどっちでもいいと思うんですけど、どちらも「一番基本となるもの」というイメージですね。
ignoranceはignore(無視する)が名詞になったものです。いつもの名詞構文ですね。なので動詞っぽく訳すとうまくいきます。今回も動詞っぽく訳します。
preventはprevent O from Vingで「OがVするのを妨げる」がよく出てきます。
僕はpreventをpre(前もって)+vent(穴をあける)→前もって穴をあける→邪魔をする→妨げる、で覚えてます。ベンチレータで伝わりますか?換気用の穴です。
pronouncingはpro(前に)+nounce(つたえる)→人の前で伝える→発音する・宣言するです。アナウンスと似ていると考えるとわかりやすいと思います。pronounce on 「〜に(ついて)言う」。くっつくonはaboutと似ています。
confidentlyはコンフィデンスマンJPで覚えられますか?ダ―子(長澤まさみ)めっちゃ自信たっぷりなキャラですよね。confidenceのもう一つの意味である図々しいでも行けそうですが(笑)この単語見るとコンフィデンスマンJPのメインテーマが流れます。
scornは軽蔑なんですがこれ歴史のある単語で、もとはフランス語みたいです。スコーンはイギリスではめっちゃ有名なお茶菓子ですね。おいしいスコーンには悪いんですが、イギリス料理=マズいじゃないですか。なのでイギリス料理をフランスが見下してるって感じで覚えています。スコーンに対する熱い風評被害です、ごめんなさい。
astronomicalはastroが宇宙というイメージを覚えておくと便利です。stroがstarということらしいです。僕はアステロイドベルト(小惑星帯)で覚えました。スター・ウォーズのbgmの一つです。他にもガンダムかヤマトとかで出てきます。
hypothesisはギリシア語由来であんまり語源は役に立ちません。ロングマン先生ではideaと説明されてます。この単語よくわからないんですが、すんなり覚えちゃったのであんまり話すことがありません。
equipmentは設備ですが、知識・教養という意味で使われることが多いように感じます。「中にあるもの」って感じです。建物の中に入ってるもので設備、人の中に入ってるもので知識という感じです。
3.文法の解説
今回の文法のポイントは話法の書き換えです。正直入試では聞かれんだろってたかをくくってたんですが、それをあざ笑うかのように出てきましたね。今回は疑問文の話法の書き換えについてやります。例文はこんなかんじです。
He asked journalists , "Would you like a cup of tea?"
「彼は、記者に「紅茶を一杯どうですか?」と尋ねた。」
He asked journalists whether they would like a cup of tea.
「彼は記者に紅茶を飲むかどうか尋ねた。」
上が直接話法、下が間接話法です。直接話法はセリフをそのままコピペしますが、間接話法は主語や動詞などを書き換えます。あえて日本語訳は変えましたが、どちらも意味は同じというのがポイントです。今回の文の間接話法を一部文を変えて抜粋します。
biologists have asked whether men would attack a hypothesis.
「生物学者は人が仮説を攻撃するかどうか尋ねた」
悪くないとは思うんですがwhetherからwhetherからを疑問文(直接話法)に変えると、
biologists have said ” will men attack a hypothesis.”
「生物学者は『人は仮説を攻撃するだろうか』といった。
この疑問文反語っぽくありません?構文でしっかり確認しますが、話法の書き換えを意識すると英文の伝えたい内容がはっきり伝わるというのはこの文の大きな収穫になりました。
4.構造と訳出のテクニック
構文解析
〈Elementary ignorance of biology〉 has not prevented them (from pronouncing very confidently on this question); and 〈biologists( with scorn )〉have asked 〈whether men would attack 〈an astronomical hypothesis〉 with no better equipment. 〉
;までの主語は、Elementary ignorance of biology、動詞はhas not prevented、目的語はthemです。ここでのポイントはprevent O from Ving「OがVするのを妨げる」です。ただし今回は、has not があるので、「OがVできない」→「OがVできる」と訳さなくてはいけません。ignoranceに注意するとこんな訳になります。
生物学の知識を全く知らない事によって、彼らはとても自信げにこの問いについて発言できてしまう。
Elementary ignorance of biology「初歩的な生物学の無知」→「生物学の知識を全く知らない」。初歩すら知らないという文脈にできればオッケーなはずです。
;のあとは、文法のところで書いたのでさっくりと行きます。 疑問なのか反語なのかいったいどちらなんでしょう。with no better equipmentの訳が大きなポイントになります。今回は人の話をしてるのでequipmentは知識と考えると「より良い知識無しで」となります。これでいい気もしますが、Elementary ignorance of biologyと一緒に考えると「基礎知識無しで」と考えてもいいと思います。では疑問文の間接話法を意識すると、
そして、生物学者たちは軽蔑のまなざしで、天文学の仮説を基礎知識抜きで攻撃するのだろうか、と尋ねてきた。
やっぱり反語だと思います。生物学者は「普通の人は知識無しで攻撃するわけないでしょ」って思ってるから軽蔑してるわけですよね。次回の内容ですが、Why not?ともうまく噛み合ってると思います。
5.全文訳
生物学の知識を全く知らない事によって、彼らはとても自信げにこの問いについて発言できてしまう。そして、生物学者たちは軽蔑のまなざしで、天文学の仮説を基礎知識抜きで攻撃するのだろうか、と言ってきた。
間接話法に気付ければきれいな訳できましたね。この記事を書いていて気づきました。やっぱり英文解釈には文法の知識は欠かせません。文法の復習記事をこのシリーズが終わったら書いていこうと思います。ではまた次回!
6.復習用英文
Elementary ignorance/ of biology /has not prevented/ them /
全く知らないことで/ 生物学を/ できる /彼らが/
from pronouncing /very confidently /on this question/;
発言する/ とても自信げに / この問いについて/
and biologists /with scorn /have asked /whether men would attack
そして生物学者は/軽蔑のまなざしで/言ってきた /人が攻撃するのかどうか /
an astronomical hypothesis /with no better equipment.
天文学の仮説を/ 基礎知識抜きで/