プリッツというタクトで
「スタッフが美味しくいただきました」
「スタジオも距離をとったうえで、放送します」
「マスクをして接客しますご了承ください」
「マスクがありませんご了承ください」
「正面を向かないように配慮したうえで」
「人の少ない道を通って」
そんな言葉が上から下にどんどん降りてきて
些末な かいらしい日常にもこんな注釈がついて
水飴の中を歩くように
からだに重くまとわりついた無関係なものが
ひどく 粘度を増して
これを引き剥がしたら今度は
優しくないねという薄いラップで
ぐるぐるに 巻かれるのか
無関係という関係の手触りを無視するために
張られたいやしい線を
プリッツか何かで ぐちゃぐちゃに巻き取りたい
今年の 子どもの日
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