坂元裕二脚本『スイッチ』感想 大人のラブコメ?サスペンス
坂元裕二脚本のSPドラマ、『スイッチ』を観ました。
監督は少女漫画原作のティーンムービーを多く手掛ける月川翔。坂元さんはテレビ朝日での仕事は初。
冒頭で、連続階段突き落とし事件が説明され、いきなり犯人が提示されるが、当然のごとくそれはミスリード。そこから、主役である検察官の駒月直(阿部サダヲ)と弁護士の蔦谷円(松たか子)が中華料理屋の回転テーブルで向き合うシーンに入る。二人は元々付き合っていて、別れた後、互いの恋人を紹介するという奇妙な習慣(恋人には友人として紹介)をやっており、恋人が来る前に互いの恋人のSNSを見てdisり合ったりと、坂元裕二らしい会話劇が開始。傍から見ると、明らかに互いの恋人同士、駒月と蔦屋同士のほうが気が合っていて、なんで別れて、なんで新しい恋人と付き合ったんだと不思議に思う違和感が演出されており、興味が惹かれる導入。
そこから、事件をそれぞれ二人が担当することになり、真相が描かれていくのですが、そこはそんなに
重要ではなくて、その中で明らかになる二人の過去やタイトルの「スイッチ」の意味が一番のポイントで、割と驚く展開となっています。
二人が抱える秘密のトンデモさ含め、コミックリリーフ的な要素が多く、ここは月川翔監督ならではなのかなという感じ。
蔦屋演じる、松たか子さんの、感情的になると言葉が乱暴になるところとかチャーミングで良かったし、脇の眞島秀和、中村アン、石橋静河、岸井ゆきといったキャスティングも素晴らしい。
坂元裕二的、一部の人しか伝わらないマニアックな会話も健在で、駒月をやたら崇拝視している後輩が宮崎駿と宮本茂を尊敬していると豪語していて、駒月が二人の最高傑作は?と試す質問をしたら、「空飛ぶゆうれい船のビル破壊シーンです」「初代F-ZEROかピクミンです」と返し、それを受けて後輩を認める流れは笑ってしまった。
AbemaTVやGYAOであと9日間ぐらい観れるので、未見の方は是非。
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