13.さぶちゃん5日目。初めての声は、ゔぅぅぅ。
さぶちゃんがウチに来て5日目の2/4(木)。
夜中の1時過ぎ、ドタン!バタン!バリバリバリバリ!とものすごい音がして目が覚めた。すぐに降りていくと、まさに『あらぶるさぶろう』がゲージのドアに体当たりして、引っかいて、暴れているところだった。私に気付いたとたん、別人のように、伏せて小さくなって固まった。
怒られると思ったのかなぁ。
それとも楽しく遊んでいるところは見られたくなかったのかなぁ。
とにかく「オレはずっと寝てました」という顔をしているので、あえて暴れていた事には触れず「さぶちゃん、早くお外に行けるといいなぁ。さぶちゃん、おりこうやなぁ」とか話しかけながら、片付けた。
ゲージのドアがひん曲がって引っかかって開きにくくなっていた。ものすごいパワーだ。これだけのパワーがあれば、本気になれば人間なんて一撃だろうに、そのパワーは私たちには決して向けないんだから、ほんまにええコやなぁ…と感心した。ゲージの補強にカラビナを6本取り付けた。
朝の日課、シャンプータオルでふきふき。
今日は頭を手でなぜなぜしてから、すぐにシャンプータオルで頭→顔→前足(足の裏はイヤがるのでやめておく)→体の横→太ももと拭いていく。そういえばお腹は一度も拭いてないなぁとか考えながら、無造作にお腹と内ももの辺りをふいたところ、今までちっちゃく丸くなっていたさぶちゃんが急に立ち上がり、方向転換してこちらにお尻を向けて丸まった。
「そうか、そうか、イヤやってんな〜」と言いながらもまた、ふきふきしようと、太ももに触った時
『ゔぅぅぅ』とさぶちゃんが初めて唸り声をあげた。
「ごめん!ごめん、ごめん。さぶちゃんごめん。イヤやってんなぁ〜。ずっと我慢してたんやなぁ〜、ごめんなぁ」と頭をなぜながらしばらく話しかける。
もう、落ち着いたかなぁ、と再びそっと太ももに触るとまた、
『ゔぅ』と短く唸る。
「そうか、そうか、もう、やめようなぁ、ごめんなぁ〜イヤやもんなぁ〜」
ごはんを器に入れて、顔の側に置く。
昨日はすぐに食べ始めたのに、今日はじっと私の様子を伺っている。
側で見ていると一向に食べないので、手を洗いにその場を離れるとすぐ食べる音が聞こえる。
あーぁ、一進一退、一歩進んで二歩下がる…焦ったらあかんなぁ〜
ごめんね、さぶちゃん…
さぶちゃん、昼間はずっと寝ている。
たまに座って窓の外をじっと見る。
私の事を目で追う。
これまではずっと目をそらしていたので、ちょっとだけ恐怖心が減ったのかな、とうれしい。
夕方、遠くで救急車の音が聞こえると、パッと顔を上げて耳をピンと立てている。遠吠えとかしちゃう?と思って見ていたが、すぐにまた丸くなって寝た。
夜9時半、私と娘がリビングのこたつに座っていると、さぶちゃんがムクっと起きて、トイレスペースでくるくる回ったり、ペットシーツを足でガリガリしたり、咥えてビリビリにしたり、かと思うと座ってじっとこちらを見ている。ひとしきりトイレスペースで遊んだ後、また寝床スペースに戻って丸くなって寝た。『あらぶるさぶろう』を垣間見たようで、娘と目を見合わせニヤニヤした。
狭い所にずっといてるから、体を動かしたくなったのかなぁ〜
早く走り回って遊びたいね、さぶちゃん。
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