
碓氷神社(群馬県安中市)
わが町内(安中市松井田町五料)にある碓氷神社へ。
JR信越本線、西松井田から横川に向かって国道18号と併走しはじめてから7~800mあたり。車窓右側、杉林が続く中に小さな鳥居がみえてくるのをご存じだろうか。社殿は、この鳥居から石段をのぼった先にある。
種々雑多な御祭神
この神社の由緒書きをみると、祀られている神様が、まぁ、多岐にわたっている!
イザナギからうまれたハヤタマノヲがいるから、当然父もいるのかと思えば、むしろ母イザナミが祀られていて、その子のアマテラスの名はないけどオオヒルメがいたり、火の神、山の神、農耕の神がいて、それら天つ神だけではなく、国つ神のボスとされるオオクニヌシの子も祀られていて、さらには応神天皇や菅原道真公などもいる…。
まさに神々の坩堝。なんでもあり、の様相を呈している。
地域の過疎性のため?
それもそのはずで、この社は碓氷峠の上信国境にある「碓氷熊野神社」の分霊で、江戸初期に碓氷郡の里宮として建立されたとのこと。そのころ峠にいたる麓の地域に人が住み始め、祀るべきものがないので熊野神社を勧請した、という経緯でもあったのだろうか。
その後、明治も40年を過ぎて、近所にある菅原神社、波古曽神社、諏訪神社、八幡宮、そのほかの「諸社を合併合祀した」とある。だからこそ、祀る神々が多岐にわたらざるを得なかった、ということなのだろう。
管理しきれなかった無住の神社をまとめて祀る、という経緯があったとすれば、いまにつながるこの地域の過疎性が忍ばれるのだが、考えすぎだろうか。
閑にして浄…
この無住の碓氷神社。それでも氏子の皆さんのご尽力によるものなのか、荒れた印象はない。鳥居脇の灯籠や、そこから続く階段など、高い杉木立によって、いずれもしっとりと苔むしていて、石段を上がった社殿も小ぶりながら管理されていて、全体に閑静かつ浄らかな佇まいを見せている。
見過ごされがちな立地ではあるものの、意外にも清涼感を味わえる小社といえそうだ。
↑ 記事は以上です。お気に召しましたら、ぜひポチッと投げ銭でも!
ここから先は
¥ 100
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?