【さなのばくたん。】終末時計のカムパネルラ(前編)【ハロー・マイ・バースデイ】
ひとたび巻かれたゼンマイは、進み切るか、壊れるまで止まらない。
この記事はさなのばくたん。ハロー・マイ・バースデイの内容のネタバレを大いに含みます。
もしこの記事に辿り着いた方がまだアーカイブ期間内であるなら、本編を見ていない場合、どうか本編を視聴して読み進めて頂きたく存じます。
本文は名取さなの積み上げてきた5年間に個人的な解釈を踏まえて読み込む内容となります。
承前。
一昨年、昨年のばくたん。の感想はこちら。
2022年12月、さなちゃんねる恒例となった年末重大告知という全く予想もつかない配信が行われる。
いや~、2021年もこの時期にあった重大発表なんて皆目予想つかないな~。
ズルなく無事に課題をクリアして、発表を行うことができた。
不正はなかった。
その重大発表の内容とは……
知 っ て た。
三回目となる、さなのばくたん。
副題は、ハロー・マイ・バースデイ。
ポップでカラフルな配色の中、散りばめられた本棚と写真が目を引くキービジュアルだ。
開催地はこれも恒例となった川崎、ラ・チッタデッラ様。
敷地内にあるチネチッタ川崎にて行われる。
この時点ではやはり感染対策の点もあり、今年も現地入りはしない方向で意思決定をした。
来年……なんとか気兼ねなく移動できる風潮、情勢になっていてほしいと願うばかりだ。
こちらも恒例となったさな歩きや、
ばくたんレストランの数々。
もごごでも登場したクッチャネ様のオモチ……美味しそうだな……食べたいな……
なんやかんや現地入りを諦めるも未練たらたらなので、リベンジできる際は多分バカほど散在すると思います。いや、する(確信)。
そうこうしているうちに、不意打ち情報がひとつ舞い降りる。
新曲いよわさん……だと……
これまではイベント内で新曲を作ってくださった方々を紹介していたのだが、今年は先行する情報が強い。
期待をこれでもかと膨らませてそれを破裂させて中から飛び出してくるのが名取さなだ。油断はできない。
そんなこんなでばくたん。当日を迎える。
特に有給なども取らずに、いつも通りの一日を過ごすことにした。
なんとなく、そういう自分にとっての日常の中に名取の誕生日があることが嬉しい気がしたので。
当たり前の延長で、自然に名取のお祝いをしたかったのだ。
冒頭、mouseコンピューター様によるDAIVを用いたイベント制作の裏側トーク。
本当に凄まじい方々がイベント制作に携わっているのだなあ……と感慨にふけったり。
ちなみにいまnoteを書いている自分のPCも、そう、DAIVです。
そして始まる今年の注意喚起。
引き続きの待機画面BGMで沸き立つコメントタイム。リミックス良き……
さなコレ3、通販、待ってます(血涙)。
そしてついに、開演時間へと。
王やキョンなど、いままでに発表された新衣装を着た名取が入れ代わり立ち代わりカットインする華やかなイントロダクションだ。
開幕を告げるオープニングナンバーは、
「メチャ・ハッピー・ショー」!
去年を締めくくった名取作詞の曲がオープニングなんて、エモじゃん……。
コンベアで流れていくエビでちょっと耐えられなかった。
続けて二曲目、
「エッビーナースデイ」!
やしきんさんはちゃめちゃに楽しい楽曲をありがとうございます……
オタクはライブ版の歌詞変に弱い。みんな知ってるね。
何度聞いてても、ライブで歌われるこの部分で胸がギュッとなる。
そしていつもならオープニングは二曲でMCが入るが、なんと今年の名取はさらなる進化を見せていた。
昨年の体幹に留まらない。
三曲目のナンバーは、物語シリーズの登場人物、八九寺真宵の曲である「happy bite」。
まよいキョンシー……。
若干の息が上がっている様子はあるものの、声が濁ってない脅威。
いつの間にかすっかり体力お化けに……。
いやステージすっご……(毎年言ってる)。
昨年は王冠モチーフだったけど、今年はキービジュにもあった本がモチーフになってるようだ。
ど真ん中にいつもなら王座があるのだけれど、今年配置されている光る物体は……。
なぜか全スクリーンがうおりだす始末。
バッグの中にふかふかのパンが入っているせんせえ方、今年は椅子に食われた人はいなかったろうか……。
ここから先は実質メン限。
冒頭の無料パートも終わり、
実は光る椅子の正体こそ、何を隠そう森羅万象検索くん。
毎年誕生日イベントの内容を考えるのも大変だからと森羅万象検索くんに甘えて最高の誕生日の作り方を検索しようとする名取。
ドラ〇もんとか見てないのか名取。
そういう楽をしようとする奴は大体……。
森羅万象検索くんは何も答えてくれない。
言わんこっちゃない。
それどころかさっきまでの煌びやかなステージと打って変わって、どことなく不気味さを感じさせるグリーンのライティングになっている。
不穏なアラートと共に、スクリーンに浮かび上がってくる文字。
転送されたのは、あまりにも金ぴかな世界。
事態が呑み込めない中、近づいてくる足音におびえて身を隠す名取。
果たしてやってきたのは……
発声練習も完璧な王様である。
さなちゃんねる王、第一回のばくたん。にてステージに立った新衣装だ。
厳密には……それよりも早くに、お披露目されていた衣装だ。
「誰?」
王、さっきの発声練習はマジで人前に出る練習だったのか……健気な……。
王は十数年さなちゃんねる王国を統治していて、毎日国民にプリンを支給したり、国を挙げた夏祭りを開催したりしているらしいぷり。
これってもしかしておしりぷり音頭だからプリンだったりする……?
音頭だけなんとかなれば国民のQOL上がるんじゃないかな……。
そんな自分の統治が自己満足ではないか、国民たちは喜んでいないのではないかと悩んでいる。
しかし、それを国民に聞くのは怖い。
なんか真面目な王だな……偽物か……?
と、王は明日までに二万枚の直筆サインを書かなければいけないと挨拶をして帰っていった。
礼儀正しいな……やっぱり偽物か?
『去年みたいにタグが付いてないから、お洋服が勝手に動き出したとかじゃないと思うんだけど……』
転送された名取は冷静に分析する。
えらく王様らしい悩みを抱えていたことも。
『汝の悩みを解決せよ……だっけ?』
森羅万象検索くんのモニターに浮かび上がっていた文字を思い出す名取。
『そうそうそう、それそれそれ~』
別世界の名取を救わんと、解決策を模索する名取さな。しかし人任せである。
『じゃあ、せんせえたちに、お悩みを解決してもらおうかな』
たいしょうめつするからな……仕方ないね……。
二万枚直筆サイン書き終わったさなちゃんねる王が再び登場。
手が痛いって言ってるの普通に可哀そうである。
なんか名取より謙虚で可愛くない?
ここでサイリウムばーっと振られてYESの返事だと認識した王の「フェヘヘ……↑」はすごく可愛いので鬼リピです。
同時視聴とかJust Danceとか流行語とか、結構似たようなことしてますね別世界でも。
思えば、民意は確認していなかったが「自分はずっと楽しかった」、「自分がまず楽しむことで、国民も一緒に楽しんでくれるんだな」と気が付く王様。
民への感謝も忘れないし努力もするし、もしかして名君か?
私が昔読んだ漫画に三国志を基にした蒼天航路というものがあり、その作中で曹操は郭嘉に向かって、「王はまず頭の中に食べたこともないご馳走を描く」、必要な食材や調理法が法や制度というものだと説き、郭嘉も「王の思い描く国が魅力的であれば、民の誇りは後からついてくる」と得心する場面があった。
政(まつりごと)とは、そういうものだと。
これが王の思い描くご馳走である。超いい笑顔でなんてひどいことを。
さっきまであんなに名君だったのに……。
あんなに頑張ってる王をチョロいとか言わないであげて。
しかし王の悩みを解決してくれたお礼はしちゃおっかな~と告げる名取。
お礼がケタ違いなんじゃが……新曲ってそのレベルで出てくるお礼か????
以前より情報が公開されていた、いよわさん作詞作曲の「パラレルサーチライト」だ。
アップテンポなイントロからメロディアスなピアノ音。
好き。
照明がすごすぎるんじゃが。
足元のも色んな模様になってたりするし、まさに無限の可能性を照らすサーチライトのようだ。
いつの間にやら戻ってきていた森羅万象検索くんに再び乗り込む名取。
だがもはや信頼性がなく、またひどい目にあわされるんじゃないの~、とぼやく。王と違って疑い深いな。
まあ当然そうなるな……。
今度はキョンシー名取が登場。また百鬼夜行やろうねってなんだよ。
しかしステージ凝りすぎでは……?
ノーマルと、王と、墓場で3つとか尋常じゃないと思うんですけど。
でもよく見たらさなやひハロウィンで見覚えのあるのもチラホラ。
なんか唐突に焦りだす名取。必死のキョンシーアピールである。
嘘はアピールすればするほど嘘っぽいってハロウィンでもやったろ! 梅食え!
「もしかして人間ですか?」
いいえAIです。もしくは文字。またはカートリッジの刺さった脳。
「私、実はキョンシーじゃないんです」
それはそう。
聞くと、コスプレイベントで同じ趣味の友達を作りたかったのだが、ガチマジの百鬼夜行に紛れ込んでしまって困っていたと。
そうこうしているとまたキョンシー名取は百鬼夜行に連れていかれてしまった。
こっそり出てくる名取。
『王の次はキョンシーか~』
なんでも名取の残したメモを頼りにキョンシーを助けてやれとのこと。
その内容とは……
ブンチャカした陽気なBGMと共にお題が発表される。
アキ……ウミガメのスープだこれ。
アヘエビのスープってコメントでちょっと笑った。
このアヘ・エビさんは僕らの知っているアヘエビとは別人なのか……はたして……。
急にはしご外すやん。
ヒントをフルに使いつつ(いうほど有効だったか?)、なんとか答えに辿り着くキョンシー名取。
あまりの長文回答に思わず身構える。
初回のばくたん。がそうであったように、名取さなには考察要素があり、毎年何かしら情報が開示されていたからだ。
伏線、というような形でそういうものをぶち込んできてもおかしくない。
アヘ・エビさんは自分を偽っていたが、子供たちは喜んでいた。
キョンシー名取も、百鬼夜行に自分を偽って混ざっていたが、みんな楽しんでいた。
それでいいのだ、と力強く首肯して、ナナヲアカリさんの「全部ホントで全部ウソ」を歌う。
相変わらずキョンシー名取のダンスがはちゃめちゃに可愛い。
なんだろう、袖のブカブカ具合とかオフショル×絶対領域のバランスとかなのか、すごく動きのシルエットが決まってるんだよな。
やひろちゃんママ本当にありがとう……。
いや、エグいて(歌詞が)。
去年お洋服さんの物語をやっておいてここにきて畳みかけるようにこの歌詞は、どっちのニュアンスで受け止めればいいんだ……。
歌もダンスももちろん最高だったんだけど、この開示の仕方は。
でも「これでいいのだ」、だしなあ……などと考えているとやはりいつもの名取が帰ってきた。
もちろんそんなワケもなく。
まあ、さすがにぬいの注意喚起で登場していた名取たちが出ずに終わるものですかと。
まさかのアホの子……!!
ここ声帯模写の鬼才。
しゃくりあげる泣き方上手すぎてちょっと笑ってしまった。
しかし制服名取のテストの点を、学力を向上させるってのは僕らには荷が重いのでは……かつじゅんゆ……たいしょうめつ……。
それもそう。
例年なら2コンテンツ程度に歌とMCでまとめてた感じがあるけど、今年はボリューム感がすごい。
パラレル世界の名取一人ひとりがそれぞれの悩みを抱えている。
でも制服名取は勉強頑張らんか?
この次に来るセリフは「俺も笑ってもらおう」しか出てこないオタクだ(若干違う)。
あ~~~~~~~~~~。
そうだった。
名取さなは学校に通ってない。
あくまでも、今まで配信などで来ている制服は、「学校に通えるならこんな制服がいいな」、というものだ。
皆まで言うなというやつです。
普通に学校に通う制服名取に感動したとまで言われたら、ねえ。
これを見てくれ~と言い残して退散していった。
毎年恒例、個人的な目的で収集されるせんせえ方の個人情報(アンケ―ト大喜利)である。
あほどじまぬけ……と自虐しながらスクリーンに戻ってくる制服名取。
自己肯定感が……! とんでもなく低い……!!
アンケート用紙をぺらり、とめくっていく。
宿題じゃないとわかるや否やの早業である。
このせんせえのやり取りめっちゃ面白かった。
「はい、いいえで答えられる質問をしてしまった……なんでだろう……」とか「せんせえではないけど、せんせえだよ?」とか。
サイリウムの意思も揺らぎがあってだいぶ面白い。
大事っていうか、義務だが()
これはチネ8をエクスペリ的な何かでお仕置きするかのような名取。サイリウムって武装解除になるのかな。
おい乾いた笑うをするんじゃない。
大事だぞ。
3分程度でも身体を動かすことで普段どれだけ鈍ってるかわかるレベルで元気になれるんだぞ!!
で、誰がZ世代だって?
「この世の一番って、いっぱいあるんですね……」
勉強もそれはそれで頑張る宣言をしながら、他人を気にするのではなく、自分の大切だと思うものを大事にしていこうと言う制服名取。
歌われるのは、昨年のばくたん。で披露されたsasakure.UK
さんの「モンダイナイトリッパー!」。
は~動きにキレがあって照明とも合わさって最高のステージングがよ……。
やはり無事に解決すると戻ってくる名取さな。
毒ガスによる悲劇はなかった。
学校。
遠くを見つめるように呟く。
が、すぐに元の態度に戻っていく。
これで全ての名取が出てきたし、多分今年もあるだろうシークレット楽曲の発表とアンコールで〆かな~。
随分と久しぶりに思えるメインステージ。
コメントの「いうほど見慣れてるか?」は辛辣すぎて笑った。
重大発表のコーナー。
オンゲキ、maimaiに続く音ゲーコラボ第三段、チュウニズムコラボだ。
だじゃくりが音ゲーに入るのはこれが初めてかな?
あれをゲーセンで鳴り響かせるのか……。
ですよね!!(超期待してた)
ヘビロテするぞ、する。させてもらいます。
一度聞いただけでハマる曲調だったし、流しながらまた歌詞についても考えたいし。
……王は?
ワオ……(絶句)。
ありがとう、本当にありがとう……。
でもぷり、あぷり、は流れないと思う。思いたい。
………………浴衣見られるかなあ。とかそんな期待がどうしてもですね。
3月は誕生月でもあり、活動開始月でもあるので忙しい。
それはそう。
もう5周年にもなるんですね。
自分が名取さなを知ったのは2020年からだから、それでも3年近くになってしまうのか。
なんだか本当にあっという間だ。
今年ももう1/4が終わりに近づいてるって本当ですか。こっちのほうが怖いかもしれない……。
これからも、丁寧なインターネット生活を目指して。
こういうときでしかなかなか言えないからと、ありがとうの安売りをしていいとは言っていないが?
と、鈍く木製のドアが軋みながら開くような、ぎこちない開閉音が響く。
とりあえず隠れます、と言い残して名取は舞台から降りてしまった。
――――――――は?
後編に続きます