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光と影を見つめる
自分の夫を褒めるのはあまりに恥ずかしいけど
今日は特別な日なので 素直になろうと思う。
精神科医をしている彼は光と影を捉えるのが上手いと思う。
カメラを長らく趣味としていてたくさんのいい写真を撮っている。
それは彼が培ってきたカメラの技術や
視覚的なセンス・感性の賜物だとは思うのだけれど、
彼の写真にはただそれだけではないものがあると思っている。
精神科医という仕事は人の光と影を見つめる仕事だと思う。
彼の関わっている患者さんには
一生涯トンネルのような暗闇の中にいて、
ごくたまにそのトンネルに
なんらかの拍子で現れた小さな穴からさす光を支えに
生きている人も多くいる。
彼はそんな人を無理矢理明るい世界に連れ出すのでもなく
暗闇の中で嘘の光を煌々と照らすのではなく
たまに現れる穴を指さして あそこに光があるよと語りかける。
そして、あなたが望めばいつでも明るいところへ向かっていくことができるのだと語る。
トンネルを抜ける人もいるし、抜けることもできない人もいる。
そんな現実も知っている。
何も知らない私たちが通り過ぎてしまう
影の意味を見つめて、日々生きているのだと一緒にいて思う。
そして、
何も知らない私たちが当たり前だと思ってしまっている
光の尊さを一生をかけて語り続けているのだろうなと思う。
だからこそ、一瞬の光と影を見つけ、
その絵の中にストーリーを見出すのが上手い。
同じものを見ていてもこうも違うのかと驚かされる。
付き合い始めてまもないころ一緒に行った沖縄で撮った写真。
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同じものを見ていて
「綺麗だね」と同じコメントをしてもこうも違うのかと
感動した。
(そして、映えると思って撮った私の写真が全く映えていなくて苦笑いした。)
彼の捉える人は
暖かくて、どこか少し切ない。
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きっと彼はその人の影を見つけてしまうからなのかもしれないと私は思っている。
その影は悪いものではない、それが人を深くするから。
その深さの中にその人の美しさを見つけられるそんな才能が彼にはあると思っている。
我が家にはこんな宝物のような写真が他にもたくさん眠っているらしい
それを掘り起こしながら
彼が見た世界のストーリーを聴くのが楽しみで仕方ない。
(そして世に出さないのは本当に勿体無いと思っている。)
To the love of my life—happy birthday!
You’re my greatest adventure and my safest place.
Here’s to a day that’s as wonderful as you are.