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過去問だけで攻略する「日本農業技術検定3級」

農業に検定があることをここ最近知りましたが、その中でひと際惹かれた検定「農業技術者検定3級」

農業に微塵も関わってこなかった工学部の自分(ハブ野ヤシタケ)が、今回も性懲りもなく挑んでみました。


背景


私事ですが、実は工学系から農業系または畜産系に方向をチェンジしようと考えております。また、資格大好きなこともあり、それなら資格(検定)等で知識もつけながら、ついでに合格したらラッキーという感覚で今回検定を受けることにしました。

農業関連の資格

しかし、農業関連の資格・検定は、思いのほかたくさんありましたので、
今回は、幅広く知識に触れられる、全体的にまんべんなく学べる資格を中心に調べました。

  • 日本農業検定

  • 農業技術検定  ☜今回はこちら

その他、一部に特化した資格・検定

  • 危険物取扱者

  • ボイラー技士

  • 農業機械士

  • 土壌医検士

  • 農薬管理指導士

  • 毒物劇物取扱責任者

  • 農業簿記検定

  • 水田環境鑑定士

  • 農業経営アドバイザー

  • 有機JAS認定検査員

  • 野菜ソムリエ

  • 美味安全野菜栽培士

  • 野菜コーディネーター

  • 食育インストラクター

と、かなり多くの資格・検定がありました。
その中でも農業全般に広く触れられている資格・検定は、最初の2つ(「日本農業検定」と「(日本)農業技術検定」)が該当すると思われます。
※以下、「日本農業技術検定」を「農業技術検定」と略します。

「日本農業検定」は、一番初心者に易しい体系的に学べる資格であり、新たに就農する方向けとなっておりました。
一方、「農業技術検定」は、農業を学ぶ学生や農業に従事する方向けの専門的な知識を学べる資格となっておりました。

自分としては、農業自体が初心者の身なので、「日本農業検定」を受けたい気持ちでいましたが、就活しているときの業界が畜産ということもあり、畜産にも触れられている「農業技術検定」を受けることにしました。

今回、調べた際に参考となったURLも一応載せておきます。


概要


試験概要

改めて、まずは試験についてどういった人を想定した検定なのかを確認していきます。

以下概要の続きをまとめておきました。ご参考までに…

◎試験方法

学科試験のみ

◎受験資格

学科のみは、受験資格なし

◎学科試験範囲

共通:農業基礎

選択:栽培系、畜産系、食品系、環境系から1科目選択

◎問題数

50問(共通30問、選択20問)

◎試験回答方式

マークシート方式(4者択一)

◎試験時間

40分

◎合格基準

100点満点中60%以上

◎そのほか、試験会場や受験料

試験会場:地方により試験会場は異なる(1つの県に1か所くらい)
受験料:¥3,140

と、問題数のわりには、試験時間が若干短いですが、これでも合格率は令和5年度でも65%を超えています。

受検者の大半が農業高校や農業関連の大学に通っている可能性も否定できませんが、合格率が6割を超えているということは入り口としてはだいぶ気が楽になるかと思います。


受験準備


過去問を確認した後でも、問題なさそうですが、ある程度受ける決心がついた際は、気が変わらないうちにお金を支払っておいた方がいいかもしれません。

怪しい宗教の誘いみたいになってしまいましたが、支払ってしまうと受けるという予定がひとつ確定することになりますので、試験を意識した習慣がつきやすくなると思います。

さて、この検定を受験したい方向けに、「申込をどこで行うのか?」もさらっと紹介しておきます。

申込方法

主に、「農業技術検定3級」と調べると大体上に出てくる公式のHPから入れば問題ないかと思いますが、一応公式のHPのURLも張り付けておきます。

こちらに記載されている申込期間内に、申込フォームからネットで行えますので、メールアドレスや電話番号、住所等を登録して、支払いまで済ませてください。
※支払いが申込期限を過ぎてしまうと、正式にエントリーされない場合があるかもしれません。

もし、この記事を見て、申込期間を過ぎていた場合、次の時期がいつなのかを考えると思います。

今回2024年度においてだけかもしれませんが、毎年7月と12月に受験することが出来ると思います(各地方で一斉に)。
申込は受検の1か月ちょっと前までつまり7月なら5月末まで12月なら10月末までが申込期限ではないかと思います。

気になる方は、もう少し詳しく調べてみてください。


対策方法


受験登録が済んだら、早速検定の対策に移っていきます。
主に使用するのはタイトル通り、「過去問」だけです。

過去問の入手方法

まずは、過去問を入手する方法についてご紹介します。
基本的に3つの入手方法があると思っています。
自分に合った入手方法で試してみてください。

  1. サイトで入手

  2. 新品を購入して入手

  3. 中古を購入して入手(図書館など)

まずは、購入したいけど、問題見てから購入するかを考えたいという方もいらっしゃると思いますので、そんな方向けに朗報です。

1.サイトで入手
とある農業大のサイトに問題集が用意されておりましたので、まずはこちらをご紹介します。

共通8回分、他2回分が用意されており、試しに受けるには十分すぎるくらいボリューミーなサイトです。
ただし、解説はついておりませんし、問題形式が不適切なものを選ぶなど若干形式が異なっていることだけは注意が必要です。

2.新品を購入して入手
続いて、王道に則って、過去問を購入すると決めた方向けの紹介です。
購入できる場所は楽天市場とAmazonで調べてみましたが、両方購入(おそらくどちらも取り寄せか?)できますので、よくご利用している方で購入してください。

価格にほとんど違いはないので、こればかりは完全にお好みです。過去問は全部で6回分収録されており、毎年更新されている形でした。
ですので、もちろん過去の年のものを購入することも可能です。その場合は、中古になってしまうことも多いですが、最後そちらもご紹介しておきます。

3.中古を購入して入手(図書館など)

とりあえず、メルカリであるかの確認をしてみましたが、
見つかってもすぐ売り切れている場合が多く、常にある代物でもない気がします。以下、参考までにメルカリのURLです。

https://jp.mercari.com/search?search_condition_id=1cx0zHGsd6L6y5qWt5oqA6KGT5qSc5a6a44CAM-e0mg

また、数年前のものを売っていることもありますが、傾向が変わっている可能性もあるので、購入するときは自己責任でお願いします。
中古ならもしかしたら購入しなくても、図書館で借りるという方法もあるかもしれません。気になる方は、お近くの図書館にあるかどうか見に行ってみるのも一つの手です。

<余談>
この資格「農業技術検定」は、実は教科書というものが存在します。
自分は今回購入しておりませんでしたが、どうしても受かりたい方は、
教科書を読んで体系的に理解していくことをお勧めします。

https://shop.ruralnet.or.jp/b_no=05_99107884/


過去問入手後の確認事項

ここからは、過去問を入手してから、何を確認するかについてです。

今回「農業技術検定3級」は選択科目(栽培系、食品系、畜産系、環境系)がありますので、自分がどの科目を受けるのか、どんな知識がほしいかといった理由があるかと思いますので、それを踏まえて選んでください。
分からないという方は、一度全部の科目を解いて、得点率が高い方を選ぶというのもひとつの手です。

さて、過去問を入手した際は、まず中身のチェックを行います。
過去問を開いて、目次を確認してみますと…

日本農業技術検定ガイド

  1. 検定の概要

  2. 勉強方法と試験の傾向

  3. 出題領域

過去問(2024年版)

  • 2023年度 第1回 試験問題

  • 2023年度 第2回 試験問題 

  • 2022年度 第1回 試験問題

  • 2022年度 第2回 試験問題

  • 2021年度 第1回 試験問題

  • 2021年度 第2回 試験問題

といった具合で収録されています。
その中の「3.出題領域」というものがあります。

対策は、これを主に意識すればいいのではないかと思います。
念のため、簡単に今回受ける「共通」+「選択:畜産系」(今回はこちらで受験)の単元を確認していきます。

【共通】

  • 植物の生育(分類、種子と種まき、植物の成長、花芽形成、種子と果実の形成)

  • 栽培管理(栽培作業、繁殖と育種、作付け体型と作型、栽培環境)

  • 土・微生物・肥料(土壌、養分と肥料)

  • 病害虫・雑草防除(病害虫、雑草、防除法)

  • 農業用具

  • 農産物の加工(農産物加工の意義、農畜産物加工の基礎、食品の変質と貯蔵、食品衛生、加工食品の表示、農産物の加工、畜産物の加工)

  • 家畜飼育の基礎(家畜の成長・繁殖・品種、ニワトリの飼育、ブタの飼育、ウシの飼育)

  • 農業経営と食料供給(農業の動向・我が国の農業経営、食品産業と食料供給、農業の動向と課題)

  • 暮らしと農業・農村(農業の多面的機能、地域文化の継承・発展、環境と農業)

【選択:畜産系】 

  • 飼育学習の基礎(家畜の成長と繁殖・品種、ニワトリの飼育、ブタの飼育、ウシの飼育、その他)

と以上になります。
選択は他にも栽培や食品、環境がありますが、畜産はかなり範囲としては扱う動物が限られているため、狭くなっています。
しかし、知識ゼロの身としては、油断なりませんので、最低でも何を覚えておくかは事前に調べておく必要があると思います。


過去問の使い方(【農業基礎】、【選択】共通)

今回の過去問の使い方は至って簡単です。

  1. 過去問を解く

  2. 正誤を確認する

  3. 解説を読む

これだけです。
必要なのは、過去問を解いてその知識に触れた状態(経験)です。
簡単に言うと、既視感を増やすということになります。

例えば…
「農業基礎」では、
「団粒構造」というワードに触れている問題がよく出てきます。
「団粒構造」は簡単に言うと、土の粒が団子のようにまとまって集まった状態のことを指すのですが、「これを促す肥料は何か?」と聞かれた場合…
「有機物」の肥料を使用することで実現させることが出来る。
といったように、「団粒構造」=「有機物」という関係性が出来上がります。
あとは、これを基に、どんどん問題を解きながら、この関係性や既視感を増やしていけば、問題がスムーズに解けるようになると思います。
ちなみに、一度解いた問題、特に間違った問題には印をつけて、1週間以上おいてから、また解いてみると覚えているかを見れるので、オススメです。

※年代によってはみたこともない問題が出てくるので、その場合は消去法で答えるか、言葉(漢字やカタカナ文字)から類推するか、勘で選んでみるなどして見返せる時間にもう一度検討してみるといいかもしれません。


選択科目:畜産

農業基礎は、これでひとまず何とかなるとは思いますが、
問題は選択した科目の方です。

今回、自分は「選択:畜産系」を選びましたので、
これについて最低限抑えておいた方がよさそうな内容についてざっくりまとめていきます。

主に学ぶ必要のある項目は、先ほどの出題領域に書いてある通りですが、その中で問題によく出題される内容について項目を分けておきますと…

【畜産系】
・牛、豚、鶏の種類
・牛、豚、鶏の出荷や妊娠期間など(数字)
・牛、豚、鶏の病気
・牛、豚、鶏の各部名称(臓器含む)
(各項目は、過去問に記載されている)

と以上のようになります。

各内容についてさらっと触れているサイトもいくつかあったので、そこも参考までに載せておきます。

・牛、豚、鶏の種類

乳牛,肉牛,和牛など、品種アルファベットなど,卵用,肉用,兼用などを中心に覚えておくと良いと思います。

・牛、豚、鶏の出荷や妊娠期間など(数字)

牛に関しては、妊娠前の60日間は乾乳期間があるといった数字を中心に覚えておいた方がよさそうです。

・牛、豚、鶏の病気

法定or届出を中心に各病名を覚えておいた方がよさそうです。
法定だけ覚えておけば、あとは届出みたいな考え方でもある程度は分かるかと思います。(自分は後者のやり方でやってます)
あとは、どの生き物が発症する病気か、病原体が何かも押さえておきたいところです。
※全ての病名が載っているわけではなさそうです。

・牛、豚、鶏の各部名称(臓器含む)

このサイトは、他にも牛の特徴や周期なども色々載っていたので、汎用的に使えて一番おすすめです。
正直、最初からこのサイトを紹介すればよかったのですが、参考までに他のサイトにも触れさせてもらいました。
自分に合うやり方でお試しください。


過去問での得点率について

以上のやり方で、過去問を一通り(最低1周)やってみましたが、
農業基礎は大方7~8割畜産系6~7割を行ったり来たりといった得点率でした。

ここまで、あたかも成功体験のように語ってきましたが、
このやり方では、この点数がせいぜいということが身をもって証明されました。

点ではなく、線(体系的)の情報がほしいところですが、
過去問だけしかありませんので、こちらを最大限活かす方法として、
間違いが多い問題に目を向けていきましょう。

【農業基礎】

  • 雑草や花の名前

  • 花きや野菜の科名

  • 食中毒の病原体

  • 微量元素      など

【畜産系】

  • 鶏のふ化

  • 牛の種類(特に写真での判断)

  • 搾乳時の用具

  • 餌用の作物

  • 作業機の名前や役割

  • 家畜の病名と症状    など

大体、こんなところでした。
試験前まではこれらの内容を中心に勉強しておりました。


受験後の感想と結果

受験後の感想

2024年12月7日に受験してきましたが、例年(過去問)通りの問題が多数を占めていた一方で、やはり初見殺しの問題はありました。
あまり見たことない問題形式(グラフなど)やあまり問われてこなかった箇所(家畜の原産国など)がちょくちょく見受けられました。
自分は、農業基礎で大体6問ほど、畜産系で大体5問ほど回答に自信がない状態でした。

2日後の12月9日に解答が公開されていたので、
軽く自己採点をしたところ…
農業基礎:24点/30点 
畜産系:18点/20点
合計:42点/50点
と8割超えだったので、マークミスがなければ合格基準は満たしています。
※早く試験結果が知りたい方は、問題用紙に印をつけることをオススメします。

受験後の結果

2025年1月14日に発送され、1週間くらいで結果が入った封筒が届きました。
中身を恐る恐る確認してみると…

合格証書と試験結果がありました!
試験結果:84点
平均点:59.8点

と、こんな感じで自己採点通りの結果が出ているので、
ひとまずは安心しています。よかった…

ちなみに、合格証書が届くは、こんな感じ…

名前を隠した豪華う証書(撮影:CamScaner)

本当は免許証みたいなカードが欲しかったのですが、
合格できたことを喜ぶことにします。


まとめ

今回は、進路を変えることも考えていたため、やけに張り切ってまとめておりましたが、「農業技術検定3級」といえど、初学者の身でしたのでかなり手探りの勉強方法になっておりました。

また、現時点で農業に就職先を変えてしまったので、
農業基礎以外あまり使えるとは思えませんが、
また機会があれば、今度は2級かつ栽培系に挑戦してみようと思います!

農業基礎分野は、あくまで単語や知識という点でしかないので、
実践(仕事)を通して線として繋げられるように励んでいくつもりです。

この記事で少しでも農業に興味関心が湧いた方は、
ぜひ「農業技術検定」もそうですが、「日本農業検定」や「農業簿記検定」など、ほかの検定にも挑戦してみてもいいかもしれません!

おまけ

今回、試験直前になって復習として使用していたURLになります。
自分が苦手な箇所を中心に参考になるサイトを探してみました。
もし、受ける方がいれば参考にしてみてください。
【農業基礎】

雑草名前
https://ibj.iskweb.co.jp/dictionary/

花きや野菜の科名
https://www.shuminoengei.jp/?m=pc&a=page_p_search_account

植物の病気(虫含む)
https://www.sc-engei.co.jp/resolution/pestanddisease/

食中毒の病原体
https://www.mhcl.jp/microbelist.html

微量元素
https://www.taiyohiryo.co.jp/knowledge/required.html   など

【畜産系】

鶏のふ卵
https://www.belbird.jp/?mode=f2

牛の種類(特に写真での判断)
https://nobels.co.jp/nobelswave/know_dairy/cow/

餌用の作物
https://www.nlbc.go.jp/shiryosakumotsu/soshu_tokucho.html

作業機の名前や役割
https://noukiguou.com/agricultural-equipment-types/ 
  など


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