2023/07/11(火)のゾンビ論文 ゾンビPC=botではなかったのか?
ゾンビについて書かれた論文を収集すべく、Googleスカラーのアラート機能を使っている。アラート設定ごとに、得られた論文を以下にまとめる。
アラートの条件は次の通り。
「zombie -firm -philosophical -bot -xylazine -biolegend -gender」
「zombie -firm -philosophical -DDos -xylazine -viability -gender」
「zombie -firm -philosophical -DDos -xylazine -biolegend -gender」
「zombie」(取りこぼし確認)
検索条件は次の意図をもって設定してある。
「zombie」:ゾンビ論文を探す
「-firm」:ゾンビ企業を扱う経済学の論文を排除する
「-philosophical」:哲学的ゾンビを扱う哲学の論文を排除する
「-DDoS」/「-bot」:ゾンビPCを扱う情報科学の論文を排除する
「-xylazine」:ゾンビドラッグことキシラジンに関する論文を排除する
「-viability」/「-biolegend」:細胞の生死を確認するゾンビ試薬を使う医学の論文を排除する
「-gender」:ジェンダー学の論文を排除する
また、「zombie」の内容も確認するのは、上記の検索キーワードで不必要にゾンビ論文を排除していないかを確かめる目的である。
それぞれのヒット数は以下の通り。
「zombie -firm -philosophical -bot -xylazine -biolegend -gender」二件
「zombie -firm -philosophical -DDos -xylazine -viability -gender」一件
「zombie -firm -philosophical -DDos -xylazine -biolegend -gender」一件
「zombie」四件(二件)
「zombie -firm -philosophical -bot -xylazine -biolegend -gender」は情報科学、文学が一件ずつだった。
検索キーワード「zombie -firm -philosophical -bot -xylazine -biolegend -gender」
危険なエコー:ミュートにする必要がある DNS リゾルバー
一件目。
原題:Hazardous Echoes: The DNS Resolvers that Should Be Put on Mute
掲載:The TMA 2023 conference
著者:Ramin Yazdaniを筆頭著者として六名
ジャンル:情報科学
DDoSの単語があるため、DDoS攻撃に関する論文。検索条件を「-bot」に変更した影響が早速現れた。
カリブ海における新しい文学世紀の地図を描く
二件目。
原題:Mapping a New Literary Century in the Caribbean
掲載:?
著者:Marcus Embry
ジャンル:文学(書評でもよいかもしれない)
カリブ海といえば、ゾンビ発祥の地であるハイチがある地域。その地域の文学をまとめて文学に関する知見を記述しているものと思われる。
この論文がヒットした理由、ゾンビが出てくる小説か何かがあるのだろう。その小説とは、『In the palm of darkness』。紹介文を読んでもあまりゾンビが出てくるようには見えないが…。
検索条件の差分
「DDos/bot」と「viability/biolegend」で検索結果に差異が生じるか調べる。
今回の検索結果の差異は次の通り。
「zombie -firm -philosophical -bot -xylazine -biolegend -gender」二件
「zombie -firm -philosophical -DDos -xylazine -viability -gender」一件
「zombie -firm -philosophical -DDos -xylazine -biolegend -gender」一件
差分の一件は、当然ながら「危険なエコー:ミュートにする必要がある DNS リゾルバー」である。
DDoSに関する論文を適切に排除するために設けた「-bot」検索条件だったが、むしろ「-DDoS」の方が向いていたようだ。今回は。今後も同様であれば、検索条件を「-DDoS」に戻さなければならない。
検索キーワード「zombie」
このキーワードでは「zombie」ゾンビ論文がアラートに入ってくる。誤ってねらいのゾンビ論文を取りこぼしていないかチェックするために、こちらの検索結果もチェックしておく。
説明良好、根拠不良
原題:Explanation Good, Grounding Bad
掲載:The Monist
著者:Chris Daly
ジャンル:哲学
「-philosophical」で排除されている。また、内容的にもジャンルは哲学だが、以下のように哲学的ゾンビが出てくるわけではない。
また、工学出身が文系研究を嫌う理由が書かれているように思う。「一般的には哲学における説明に根拠は必要ありません」だそうだ。エビデンス主義をとる工学者には耐えきれぬ一文だろう。理系一般もそうだろうか。
ネケロロジー: ポストモダニズム以降のフィクション、テクノロジー、理論
原題:Neckerology: Fiction, Technology, and Theory After Postmodernism
掲載:University of Iowaに提出された博士論文(ProQuestのみ)
著者:Benjamin Kirbach
ジャンル:
ProQuestでは論文全文を読めない。よって、どの検索条件で排除されたかわからない。ポストモダニズムならば「-gender」ではないかと推測するが…。また、Neckerologyは造語らしく意味がわからない。ポストモダニズムでゾンビが出てくるケースはいくらか見たことはあるが、きちんと読んだことはないので、ゾンビがどう扱われているのかもわからない。
何もわからない…。
まとめ
「zombie -firm -philosophical -bot -xylazine -biolegend -gender」は情報科学、文学が一件ずつだった。
「-DDoS」の改良版として「-bot」を考案したはずが、まんまとすり抜けられてしまった。だが課題点を明らかにする目的で設定した検索条件であるから、想定の範囲内である。今後、引き続き調査を進めたい。
今日はねらいのゾンビ論文なし。